とあるオタク女の受難(魔法少女リリカルなのはVivid編)。   作:SUN'S

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第6話

∀月∈日

 

早朝、ティミルさんとウェズリーさんに別々の技を伝える。背丈やストライクアーツのスタイルは人によって異なり、ティミルさんみたいに小柄な女の子にも使える技は多くあるんだ。

 

それに使おうと思えば二人とも使えるよ。

 

この技に必要なのは震脚と呼ばれる凄まじい踏み込みだ。爪先から生じる螺旋運動のエネルギーを手のひらまで集め、こういう風に掌打として放つ。

 

私の知っている流派の中だとウェズリーさんの春光拳に似た武術のもので通背拳という名前だ。先ずはサンドバッグやボディーミットを使って通背拳を覚えようか。

 

そんな話をしながらミットを着け、二人の猛攻を受け止める。ウェズリーさんは不完全ながらも通背拳を打ち、ティミルさんは掌打を放つ瞬間に手首を内側に捻る癖がある。

 

その癖の副次効果というべきなのか、ティミルさんの通背拳は、どうにも別作品の鍛針功みたいなものになっている。

 

∀月≫日

 

お風呂の騒ぎを聞き付け、ナカジマさんと温泉に行ったらウェズリーさんが誰かを蹴っていた。元々の素質と相まってエグい威力の蹴りだったが、一応の手加減はしていたらしい。

 

とりあえず、みんな逆上せないように気を付けなよ?と言いながらレポートを続きを書くために部屋に戻る途中で高町さんのお母さんに捕まった。

 

私は仕事の続きをしたいんだが、折角のお誘いを断るのも申し訳ないから少しだけ晩酌に付き合おう。あわよくば伝説の光の巨人と噂された管理局員の話を聞けるかもしれないからね。

 

そんなことを考えながらフェイト・ハラオウンの狂気じみた話を聞かされ、一瞬にして酔いが醒めてしまった。

 

あんなカプセルにチューしたり、愛を囁き続けるところを見たら誰でも怯えるだろ。むしろ高町さんのお母さんたちのいつものことみたいな態度なのが、余計な恐怖を駆り立ててくる。

 

私はお風呂上がりのナカジマさんに相談すると「お前も慣れるしかない」と真顔で言われ、なんとも言えない雰囲気に包まれた。

 

とりあえず、さっきの出来事は忘れる。

 

私は何も見てない。

 

∀月Å日

 

そっと部屋のカーテンを閉める。

 

なんか外に気持ち悪い赤色の変質者がいるとナカジマさんに伝える。どうやらアレは菱木さんを付け狙っているらしく、その度に何処からともなく現れる光線に吹き飛ばされるそうだ。

 

あの変質者は人知れずミッドチルダで悪さする犯罪者を捕まえ、どこかの山にある崖に投げ捨てるという行為を繰り返し、監理局では赤い通り魔と呼ばれていると教えてもらった。

 

かつてナカジマさんも悪さしていた頃に襲われ、なんとか命からがら逃げ延びたらしい。また、どうやっても倒すことは出来ず、あの高町さんのお母さんたちに捕まえることは出来ないとのことだ。

 

それは化け物なのでは?と思いながらもカーテンを開けると真っ黒いウルトラマンに空の彼方へと連行されていた。

 

あれって数年前の大災害の時に現れた青い巨人と一緒にいたやつだ。ナカジマさんは「いつも見守ってくれるのは有り難いけど、あんな付きっきりだと理子も大変だな」とぼやいていた。

 

あまり深く考えないようにしよう。

 

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