とあるオタク女の受難(魔法少女リリカルなのはVivid編)。 作:SUN'S
⇔月↓日
私と菱木さんが加わると無駄に戦略が増えるという理由で見学するように言われた。
まあ、ウェズリーさんとティミルさん、それに高町さんには八極聖拳や心山拳を教えたから手札のレパートリーは増えている。
それが身に付いているのかを観察するのに丁度いいかな?と納得しながら高町さんのスクリューアッパーを空中で掻き消すストラトスさんを見上げる。
どうやらストラトスさんも密かに菱木さんと特訓していたらしく、その過程であの技を覚えたようだ。少なくとも私はストラトスさんにレイジングストームを教えていない。
あんな膨大に魔力を消費する技を実戦で連発できるのはギース・ハワードだけだ。
そう思っていたのにストラトスさんは覇王烈風拳と叫び、手刀による衝撃波で高町さんのバリアジャケットを切り裂いた。
⇔月∃日
みんな昨日の団体戦の熱を忘れられないのか。
一昨日とは比べ物にならないほど苛烈に攻め合い、クールなストラトスさんと菱木さんまでも模擬戦に全力を注いでいる。
こうやって青春っぽい事は懐かしむのもいいけど、はっきりと自分が年取ったと分かるから泣きたくなる。そんなことをナカジマさんに愚痴りながら地区選考会に向けての作戦を問う。
あの子達の頑張りは認めるし、すごく努力しているのも見ていたから分かる。だけど、それは他の子だって変わらない。
五人が一緒に本選に行けるほど甘くない。
ナカジマさんは私の言葉に納得しながら「それでも出来ることを突き詰めて、あいつらが泣いても次に向かって走り出せるまで鍛えるさ」と笑った。
そういう無鉄砲に見えるけど、みんなのことを大切に考えているかナカジマさんは素敵だ。もしも私が男の人だったらアプローチしているよ。
ただのジョークのつもりで言ったんだが、そんな挙動不審になられると私が悪いみたいじゃないかと言いながら近付いたらアッパーを叩き込まれた。
やっぱり、ナカジマさんは乙女すぎる。
⇔月¥日
ようやくミッドチルダに帰ってこれた。
もうちょっと旅行を楽しみたかったが、そろそろ地区選考会の時期だ。私は仕事の都合でトレーニングを見れなくなるけど、勝利を願っているよ。
そう言って五人に激励を送りながら空港まで押し掛けてきた発掘隊員に連れ去られる。古代ベルカ遺跡の発掘は来月のはずでしょう?と聞けば独断専行した学者のせいとのことだ。
ああ、そうなのね。
私の仕事を増やす上に好き勝手な行動で発掘の途中だった遺跡を荒らした。私達はベルカの血族に許可を貰って遺跡を調査している。
それなのに機材や余計な人員を雇って踏み荒らしているということだ。その学者は永久的に学界を追放した方が良いんじゃないかしら…。
発掘隊員は運転しながら苦笑いを浮かべて「あれでも何度か遺跡の調査に加わっている人ですし…」と困ったような顔をする。
はあ、私の休暇は一週間だけか…。