世紀末転生ダービー伝説はちみー味   作:それがダメなら走っていこう

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あまりいいギャグが思いつかなかったので真面目回。


修羅の学園

side:イチゴ味聖帝

 

「フハハ……ひどい目にあった……

少し休憩したいところだが……ん?」

 

なんだ、物陰にある

天井のメンテナンスハッチが開いている。

脚立や梯子が掛けられた様子もないが……気になるな。

微かだが気配がする、不審者か?

 

「とうっ!」

数メートルはある高さの開口部に飛び込む。

フハハ、常人ならば難儀するだろうが

伝承者にはないも同然の段差よ!

 

ん? 屋根裏の隅で

何やら見た顔のトレーナー……

南坂がスマホに向けて喋っている。

無音のまま屋根裏の床に舞い降り、黙って会話に耳をそばだてる。

 

「マスター南坂、どうか今一度お考え直しを……」

 

「プロクシを刺した使い捨てのアカウントじゃなくて

通常回線、しかも平文で……

トレーナー用のスマホに掛けてくるなんて

何考えてるんですか貴方達は!」

 

小声だが苛立ちが伝わるようだ。

声に指向性を持たせているようだが……

 

「国防関連予算を引っ張るために

里野や目白の財界系への『交渉材料』を揃えてほしい?

お断りしますよ!知りません!

ウェットワークもヒューミントも辞めたんです!

アイルランドとの関係など外務省に頑張らせなさい!」

 

「除隊後の経歴を用意してくれたことには

感謝していますが――人を火薬庫に放り込んでおいて

体よく使おうって魂胆ですか、こんな事だろうとは薄々思いましたが!」

 

「とっくに名誉除隊して

引継ぎも終わらせてレッドベレーは軍曹……

今はカーネルでしたか? 彼に任せました!

彼の方が国家への忠誠心もありますし!

私はもうトレーナーなんです、あなた方とは無関係で

政治も陰謀ごっこも、もうまっぴらごめんです!

教導として復帰する気もありません!

カノープスのスケジュール調整の

仕事があるのでこれで失礼します!」

 

一方的に言い切って通話を終了し

乱暴にスマホをしまう南坂と目があった。

 

「フハハ、聞いてはいかん事だったか?」

「っ!あなたはサウザーT……」

 

南坂は胸ポケットに手を入れる。

 

「フハハ……やめておけ、そのポケットの鉄爪に

如何なる毒が仕込まれているかは知らんが――

系列流派の拳法で俺を倒すことは出来ん」

 

しばし逡巡したあと、彼は両手を上げた。

「昔取った杵柄ですよ。

人相手ならちょっとしたものだと自負していたのですがね

流石に六聖拳相手に通用すると

思っているほどうぬぼれてません」

 

糸のような目がわずかに見開かれている。

 

「フハハ、賢明だな――話の流れはよくわからんが

分かったこともある

すまじきものは宮仕えというやつか」

 

「前の職場はとうに退職したんですが

どうも向こうはそうは思っていないようで。

良家の子女の弱みや交渉材料を欲しがる人が多くて困ります」

 

「面倒な話よな、まあ、この太平の世に我らの居場所などなかろう。

大人しく拳を封じ、小娘どもにお綺麗な

スポーツを仕込むのならそれも良し、下らん謀り事で

小娘どもの蜂蜜の夢に泥を塗る気であれば、極星として天へ引導を――」

 

「南斗極星の手を煩わせるつもりはありません

私も出来ることなら拳を封じたいのですが……」

 

「フハハ、何やら事情があるようだな

オレで良ければ話を聞こう」

 

「一人の男のつまらない話ですよ。

太平の世であろうと、武の需要は絶える事はありません……

私の修めた技は太平の世でこそ需要があった……

折り悪くもCQCやシステマなどの近接格闘術や

軍・諜報機関向けに、より殺傷に適した

サイレントキリング(無音殺傷法)が求められていました」

 

南坂は訥々と語り始めた。

 

「現在でも各国の軍隊では、「フェアバーン・システム」に

他の格闘技や『武術』の技を加えるなどの改良をした

内容のものを軍用格闘術として採用していることが多いです」

 

そこまで聞いて大体を察した。

 

「南坂、やり過ぎたか、南斗は陽の拳とはいえ

対成す北斗を除けば世界最強の暗殺拳と言っても過言ではない」

 

「ちょっと成果を上げ過ぎましたね……

今の私は只のマネージャーでトレーナーですよ……

いや、最初から本当にただの――

カノープスのトレーナーというだけなら

どれほどに良かったことか」

 

苦り切った苦悩が垣間見える。

「フハハ、そうか、南坂は伝承者よりもトレーナーになりたいか

正直言って錬れた無音拳の使い手と死合うのは

それなり以上に面倒くさそうだしな……」

 

「ご謙遜を……私にウマ娘を害する気はありません

悪質なストーカーやファン、取材のためには手段を選ばぬ

パパラッチやマスメディアに、良家の子女を狙う与太者の類は

その限りではありませんが」

 

南坂は何時ものイケメンスマイルをした。

この男を敵に回さずによかったと思っている。

 

「フハハ!そういうことならばオレは咎めん!

太平の世で形は変わったが、弟子の幸福を願うのも師の務めか!」

 

ふと気になったことがあったので聞いてみる。

 

「話に出ていたが前の職場とやらが

ここに仕掛けてくるということはないのか?」

 

「ここに集まっているのはアスリートやアイドル候補の良家の子女。

強引な手段をとれば国際問題を引き起こしたり

芸能界、財界や政界を敵に回しますよ? 

有象無象であれば何とでもなるでしょう。

ここは私にとっても裏から手を出されないセーフハウスなんですよ」

 

「フハハ!なるほどな、日の当たるところに影の出番はないというわけか。

トレーナーをやっている間は血なまぐさい事とは無縁か……

まったく、いい時代になったものだ!」

 

「その辺りは同意しますね、皆いい子たちばかりですし……

金と政治、利権の絡む生臭い事情はあの子たちに似合いませんから……

彼女たちの夢のレースに

大人の世界の事情は必要ありません」

 

どうやら心配は杞憂であったようだ。

 

「フハハ、そうだな!

此処での会話はお互い見なかったこと、聞かなかったことにしよう!

太平の世故、拳を握る気はないが……さりとて。

オレの弟子とお前の弟子が

レースでぶつかった時は、容赦する気はないぞぉ~?」

 

「ふふ、それはお互い様ですよ……

サウザーさんの所のトウカイテイオーとグラスワンダーが

カノープスとかち合うことがあっても、センターと一着は

私のカノープスが持っていくつもりですからね」

 

南坂は柔らかく微笑んだ。

 

「フハハ!言っておれ!天に輝くは将星のみよ!

正々堂々とレースとライブで決着をつけようではないか!」

 

オレは軽く拳を突き出した。

合わせるように南坂も軽く拳を突き出し

フィスト・バンプ……

抱拳礼にも似た

お互いに拳を突き合わせるジェスチャーが成立した。

 

さわやかな太平の世における南斗流派同士の交流であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【トレセン学園のヒミツ】

 

三年間における

男性トレーナーの未婚率(生存率)は1%!

 

 

 

レースの修羅しか生まぬ学園がある。

 

その学園を統治するものはウマ娘!

 

 

 

【名画】

 

「ウララが勝てないのは

時代や環境のせいじゃなくて

俺が悪いんだよ……!!」

 

「ウララを勝たせてあげられないのは

俺のせいなんだ……!!」

 

ジャギのショットガンを勝手に持ち出して

死んだ目で咥えるケンシロウ。

その部屋には

壊れた目覚まし時計が山と積まれている。

 

 

コクオウが闘気型の領域を放って

ウマ娘たちが吹っ飛んだようにヨレたり

垂れたりするのは朝飯前。

 

一度は敗れたはずのスマートファルコンは

元斗皇拳奥義・滅凍黄凄陣!(あぶそりゅーと☆LOVE)

 

新奥義を引っ提げて帰ってきた。

ダートを闘気型の領域で凍らせるようになってしまった。

その幻影にスタミナを食われたウマ娘たちはどんどん順位を落とす。

 

 

「ダメだな全く持ってわかっていない!

そんな貴様らには今ここで

真のウマドルの姿というものを

見せつけてやらねばならないかな!

アイドルとは孤独にあらず!」

 

「この宇宙に私のファンは二兆人居る! 来たれ私のファン!

逃げ切りシスターズ、アッセンブル!」

 

元斗皇拳奥義・黄光刹斬!(キラキラ☆STARDOM)

 

「ねえ!ファルコちゃん?確かに元斗の技は教えたけど!

言われた通りにファンを集めて来たけど!

闘気を飛ばすものであって召喚ゲートを開く技ではないぞ!?」

 

ファルコトレーナーに教えられた技をファル子は魔改造していた。

 

「アラララララララライ!」

 

なんだか開かれたゲートから無数のファンの人影がダートに乱入する。

いくら領域は何でもありとはいえこれはひどい。

 

「信じられない数だ!?北斗剛掌波で吹き飛ばし切れないだと!?」

 

北斗神拳無想転生(ワクワクよーいドン)……

ダメだぁ!?維持できない、バ群にのまれちゃう!?

身体がずしぃーんって重いの!すり抜け切れないよぉ!無理ィ!?」

 

コクオウは剛掌波で蹴散らすもファンの幻影を蹴散らし切れずバ群にのまれた。

ウララも不完全な領域が消失して足を取られた。

普通にファルコが勝った。

 

ケンシロウはジャギのショットガンを咥えて

目覚まし時計を叩き壊した。

 

 




面白いかどうかは、わからん。
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