世紀末転生ダービー伝説はちみー味 作:それがダメなら走っていこう
side:イチゴ味聖帝
トレセン学園のトレーナーの溜まり場で
何とはなしにテレビを眺めていた時のことであった。
軍高官・汚職で逮捕 深夜の御乱行!
キャバ嬢を私室に招待して豪遊!
そんなテロップがテレビ画面に踊っていた。
「次のニュースです。現職防衛大臣の〇〇氏が
防衛予算を着服したなどとして業務上横領罪と
収賄の容疑で逮捕されました」
ウマ娘とライブの平和な世界でも
やはり人間のやることはそう変わりはないらしい。
「野党は内閣の任命責任を厳しく追及する構えです」
ウマ娘機動捜査二課の強制捜査の様子が映され
ウマ娘警官たちが将軍の邸宅から段ボールに入った
書類を押収する動画が流れていた。
「……これっきりですよ、カーネル……」
ぼそりと独り言ちた南坂のセリフが妙に耳に残った。
「南坂お前まさか……」
どこかでひっそりと核戦争フラグがぽっきり折れ
腐ったブタがナレ死した気がするが……
「はは、よくある汚職のニュースなどは
どうでもいいじゃありませんかサウザーT。
重要な事じゃありません」
にこやかに語る南坂だったが……
(こいつ戦闘力はともかくとんでもなく恐ろしい男なのでは……)
戦慄を隠しきれなかった。
「そんなことよりもカノープスのPVが
100万再生を突破したことのほうがよほど重要です。
ほら、こっちはうちのツインターボのライブ動画なのですが……」
南坂のスマホの中の動画では
ツインターボという青い髪のウマ娘が
ウィニングライブで
REBECCA 『フレンズ』のカバーを熱唱していた。
うちのテイオーからもライバルらしく話を聞くことがあるが……
「二度ともどれない oh フレンズ
他人よりも遠く見えて
いつも走ってた oh フレンズ」
「どこでこわれたもぉおおん! oh フレンズ!!」
ツインターボ、血の叫び。
歌の特定のフレーズにめっちゃ気持ちがこもっていた。
本気で号泣してないかこれ。
めっちゃ嘆いてないか?
皮肉なことに歌に気持ちが入っているとコメントは高評価だが。
「ライブで感極まって泣いてしまう子は少なくありません。
一番手のかかる子ですがそれがまた可愛いんです。
いずれは重賞も取らせてあげたいですねぇ……」
「フハハ、何か切実な叫びも感じる気がするが……」
テレビのニュース画面はいつの間にかCMに切り替わっている。
スピカのマックイーンがチョコワッフルの宣伝をしている。
「チョコが一番ですわ!
ワッフルと言えばコレですわ
種類いっぱいありますけども
これだけあれば勝ちですわ! パクパクですわ!」
「フハハこうしてみると本当に
ウマ娘というのはアイドルなのだなあ」
「何をいまさらなことを……といってもマックイーンさんは
レースだけでなくメジロ関連企業のCMにも出てますね
知っていますか、今年の流行語大賞も狙えそうだとか」
「スピカのフリーダムはまたぞろ何かやっているようだが……」
窓の外に目線をやると沖野がまた何かやらかしている。
「まーたトンチキなことを始めているが……」
【栄養管理・ゴルシ2022】
side:スピカ
「えっ?今日は全員ニンジンハンバーグ
食べていいんですの?」
「ああしっかり食え……、おかわりもいいぞ」
何処か潜むようにほくそ笑んでいる沖野。
「遠慮するな 今までの分食え……」
「うめぇですわ!ゴルシさんは食べないんですの?」
「いいえ、アタシは遠慮しておくぜ」
「うめ」「うめえべ!!」
「なーんか嫌な予感がするのよね、一枚で止めとかないウオッカ?」
「ああ、あれ絶対なんか企んでるよな……」
「あまりたくさんお腹に入れると走れなくなるから私も……」
喜色満面のマックイーンとスペシャルウィーク。
時間を見計らって
沖野はメガホンとホイッスルを装着する。
「よーし喰い終わったら全員スリムスキャナーに乗れ」
その目は厳しく体重計に注がれていた。
「ゴルシ、スカーレット、ウオッカ、スズカ。
マックとスぺにアンクルウェイトを付けろ」
「ごめんなーマックちゃん、おそらくこうなるってのは
わかってたけど面白そうだったから黙ってたわー」
「なんなんですの!?なんなんですの!?」
「一体何事だべ!」
そして響き渡る無情の声。
「ただ今より、減量特訓を開始する!」
「この感覚を体で覚えろ!」
滅茶苦茶ハードな減量トレーニングが
太り気味保健室常連の
二人組に対して課されていた。
「心配するな! 計算上故障することはない!
ただし……卑しく腹いっぱい食ったやつほど
トレーニングの苦痛は続く!」
「あんまりですわー!?」
「鬼!悪魔だべ!!」
マックイーン&スペシャルウィーク、魂の叫び。
「よーしスカーレットとウオッカは普通にコースを流してこい。
スズカは走ってもいいが柔軟を徹底的にやって、
キックボクシングと新体操のノルマをこなしてからな」
「嘘でしょ……」
「アタシは?」
「ゴルシはスぺとマックがちゃんと走るよう追い込むように。
へたったりさぼっているようだったらいたずらを許可する。
柔軟をプロレス並みにやっていい」
「面白そうじゃねえか……」
side:イチゴ味聖帝&南坂。
南坂は油断ならないトレーナーの目つきをした。
「スピカの育成方針が放任から管理に代わりましたかね?
あれはスタミナやスピードをつける特訓よりは
タフネスと柔軟性を付ける特訓です……貴方の入れ知恵ですかサウザーT?」
「フハハ、まあそんなところだな!
そういえば南坂、お前の所はどんなトレーニング……
いや、爪か、無音拳だからな拘るか」
「流石に察しがいいですね、うちでは
全員の蹄鉄をオーダーメードにしただけですよ。
イクノさんなんか、屈腱炎の兆候が見られましたので……」
「外部での突き入れをフォローするか……それもまた南斗よな」
「なんにせよ、故障なんか本来ないほうがいいんですよ」
「フハハ、それは同感だな」
なるほど、そのうちテイオーとグラスの足回りも
何か見繕ってやるのもいいかもしれんな……
やはり北斗と違い、弟子を大事にしてこそ南斗よな!!
その内手直しするかもしれん、予定は未定。
4/30
活動報告にも書きましたが作者都合により
今週分の更新はお休みです、すまん。