世紀末転生ダービー伝説はちみー味   作:それがダメなら走っていこう

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面白いかどうかなどわからない。



名も無き勇者

【南坂トレーナーのヒミツ】

 

彼の持っているはちみーの太ストローは

強化ポリエチレン管製のニードルナイフ。

 

事務用指サックに見えるダミーカバーの下に

金属製のつけ爪である暗器の猫手(ねこて)が隠されている。

 

「まさか反ウマ娘ゲリラ五百人を一人で血祭りにあげた……

いえ、よしましょう、私の勝手な推測でみんなを混乱させたくない」

 

某SP隊長のコメント。

 

 

side:ダート路線

 

あいも変わらずダート戦線は魔境であった。

 

「ヴィクトリーショット!」

 

「にんぽう真剣白刃取りのじゅつ~

じゃなくて二指真空把!

素手でトンボを捕まえるのは得意なんだよ!

でもケンシロウさんみたいにうまく投げ返せないや……」

 

「ホワーイ!?こんな豆鉄砲でどうしろっていうんデス……!!」

 

(ダートの暴凶星ハルウララは

ヴィクトリーショットを普通によけマース……)

(場合によっては銃弾を摘まみマース……)

 

ウララに領域の弾丸キャッチされ

顔を覆いたくなるタイキシャトル。

 

「どけいウマ娘ども!!

ぬうううん、北斗剛掌波!」

 

「ノォオオオ!!

またデース!またコクオウのゲロビブッパデース!」

 

「ファル子、絶ッ好ッ調~☆

やる気もキラキラッ!」

 

「今日もウララちゃんのキラキラも

コクオウちゃんのギラギラも凌駕しちゃうんだから!

いっくよ~衝の輪(円弧のマエストロ)!」

 

「お願いだからマーベルコミックでやってほしいデース!

うぅ~……パパ……ママァ……」

 

(金色のアイドルスマートファルコンは平気でファンの幻影を盾にするし)

(コクオウの剛掌波とは撃ち負けマース……)

(ああ……また四着か五着の着外……ホワッツ……!?

名状しがたいウィアードなアトモスフィアが後ろから来マース……!!)

 

そしてタイキシャトルの脇をヌルっと抜けていく。

「誰デース!?フーアーユー!?」

 

「あたしは名前など許されていません!

あたしは名も無きウマ娘オタク!」

 

そのウマ娘は領域のせいか

砂に潜ったままものすごいスピードで潜航している……

 

「というか尊過ぎるウマ娘ちゃんたちに

名乗れるほどの程の者じゃ……

ああっ限界超能力バトルを前にちょっと心折れかけている

タイキさんの絶望顔もまた尊くて……これが愉悦?

なんていうか……その…下品なんですがうまだっちしちゃいそうです」

「ユアソークリーピー!」

余りのキモさに普通に撃ってしまった。

だが対象は砂に潜っているせいで普通に領域の銃弾は阻まれた……

「NOOOOO!!!!!!

もーいやデース!ダートがリヴィングヘルデース!!」

 

「あたし自身がダートになれば!

それはローアングルでウマ娘ちゃんを見放題!」

凡羅破魅陀亜仏弟斗羅修羅忍道破魔砂蜘蛛(デュフフコポォオウフドプフォフォカヌポウ)!」

 

実況の絶叫がレース会場にこだまする。

 

『おーっとアグネスデジタル飛び出したぁ!!

ダートの中に名も無き勇者が潜んでいたぁ!

ウマ娘たちを一人一人差していくのはまさしく勇者という名の暗殺者!』

 

「あたし、気が付いちゃったんです、領域は何でもありだって。

レースの中なら闇のウマ娘オタクソウルを開放しても許されるし

ホントはマナー違反ですけど人混み吹っ飛ばしちゃってもOKだって!」

 

「あたしは死に急ぎます!!

あたしの渾身のオタ芸を!!

あたしの死の舞いを!!サイリウム二刀流オタ芸(忍棍妖破陣)!」

 

「あうぅ~!!うわああ、力が抜けちゃうよ~!」

 

 

ドン引きしたウマ娘たちが無意識に道を開けていく!

ウララはサイリウムを避けようとヨレてしまった。

 

「界隈ではウマ娘は知っていて当然! 

いいよね、いいで通じて当然!

ましてや沼に片足突っ込んでいるのであれば

笑いが止まりません!!」

 

「ウマ娘ちゃんのプロマイドを布教しますので

沼に堕ちましょ はいっ!千手魔破(レコメンド)!」

 

デジタルは闘気で作られたウマ娘プロマイドをバラまいた。

無論、領域内のことは観客や実況には見えない。

 

「なんだこの目くらましは小癪な……!!ぬううう!!」

 

コクオウの視界が乱舞するウマ娘ラメ付きプロマイドに覆われる。

 

「ファルコさんファンです握手してください!

毒蜘蛛手刃滅把妖牙(もうこの手は洗いません)!」

 

「アイドルはおさわり禁止~!! ってしまった!?」

ファルコは無意識に身を引いてしまった。

 

『おっと写真判定出ました!

アグネスデジタルがクビ差で一着です!』

何も知らない実況が普通にレースを解説した。

 

「このままでは終われまセーン!

……トレーニングして次はもっと強い兵器持ってくるデース。

トンチキな奴らにアメリカンの物量と正義と自由

ジャスティスのフレイムを見せつけてやるデース……」

五位に落ちたタイキシャトルは

なんだかアブナイ目をしてつぶやいている。

 

「いやー、同士のアドバイスのおかげで最前列に立てましたよ!

砂に潜るというのはいいアイディアでしたね!

バ群もすり抜けられますし!押しの自然体な姿も見れますし!

……いい加減同士トレーナーさんの名前を教えてほしいんですがね……」

 

「気が付いたら俺は名も無きウマ娘オタク

名も無きトレーナーになっていた……

フッ……オレにまだ名など許されておらぬ!

オレはただのトレーナーのひとり!!

仮にだが呼びたいのなら砂蜘蛛シュラとでも呼べ」

 

マッシュルームヘアに辮髪の男が

黄色のTがデカデカとプリントされた仮面を外した。

15歳くらいのガキだった。

 

「知らぬ通じぬと粋がったことを

言っていたら真っ二つにされたので

前世の反省を生かしてウマ娘を調べるうちにハマっていた

大勢の人を殺めてきた俺には未知の場だった……」

 

「通はいいよね、良いで通じるものなのですよ同士」

 

「これからも最前列を狙っていくぞ同士デジタル」

 

「ダートには名も無き修羅が潜んでいたか……

修羅の国には力推しは通じぬか……

うう……我が終生の主よ……今いずこ……」

 

「負けちゃったぁ……とにかくケンシロウさんから

ショットガンを取り上げてまた特訓しなきゃ……」

 

「しゃい……砂に潜られるとファンの壁も無意味だよね……

厄介なアイドルオタクの対策考えないと……」

 

リベンジを誓う伝承者や銃使いたちとは対照的に

モブウマ娘の目は完全に死んでいた。

「無法よ無法……私たち勝利を搾取される種籾じゃん……」

「ダート路線世紀末すぎ……もう無理……」

「ウララかタイキかデジタルかファルコかコクオウか……

その五人で完全に掲示板埋まっちゃうじゃない……」

 

 

side:聖帝軍

 

サウザーとテイオーとグラスは録画された

レース動画を見ていた。

 

「いやー……闘気を扱えるようになったから

わかってきたんだけどさー

レース中に展開される精神世界……領域っていうやつ?

ボクにもそれが見えるようになってきたんだけどさー」

 

「一言でいうと、これはひどい、ですね……」

 

テイオーとグラスはそろって浮かない顔をした。

素人目には普通にレースをしているようにしか見えないが

使い手には極限のカオスがわかるのだ。

 

「フハハハハ、うん、ウマ娘フツーにやべーわ」

 

あのウマ娘たちはダートで闘気をぶつけ合っているが……

アレに一般ピープルが巻き込まれたら

普通にうわらばとかあべしとか珍妙な悲鳴を上げて死にかねんのでは?

 

「生徒会でもナリタブライアンさんの

領域とか普通に地面割っちゃうし……」

「タイキシャトルさんの領域の見えないプレッシャーの弾丸も

決して弱い領域ではないのですが……

撃たれればスタミナの損耗は避けられないでしょうし」

「それでもコクオウの当たれば問答無用で

寄れて垂れちゃうごんぶとビームや

ファル子の闘気の馬場荒らしとファンの数の暴力をみるとねえ……

ボクの場合全部当たらないように避けるしかないね……」

「私も薙刀を成形してバ群を切り払うタイプの領域ですから

すり抜けるウララさんや砂に潜るデジタルさんの領域……

どう斬れば……うーん……無策ではあたりたくないです……」

 

「フハハハ!領域や勝利を目指すのは結構なことだがな!

まずは故障しないよう肉体を鍛え上げることが肝要よ!

そういえばシンの奴もこっちに来ていたようだが……」

 

「あ、キングさんの領域もなんだか

ちょっと変わっていたというか……なんというか……

悪役令嬢みたいになってました」

「ボク気になるなあ、その動画もみてみようか」

 

……キングヘイローのレース動画を見てみたが……

取り巻きに拘束させて高笑いを決める様な領域に変わっていた。

「南斗翔鷲屠脚じゃねーか!」

本来は指貫手・虐指葬によって対象を処刑する残虐な必殺技だが……

お腹や胸回りを指でぷにぷにして太り気味を指摘するような

精神攻撃に変わっていたというかマイルド化されていた。

 

「うわあ、ボクあれ喰らいたくない!!

レース中に体形のあら捜しされちゃったらメンタル死んじゃうよ!

スタイルに自信がない子は即死だよ!」

「なんて残虐で恐ろしい領域……太り気味だったり

胸回りに自信がない子はあれ一瞬で絶不調になりますよ……

私も絶対喰らいたくないです……完全に悪役令嬢ですよあれ……」

 

二人は違う意味で戦慄していた。




だけどもギャグが思いつく限りは頑張る。
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