世紀末転生ダービー伝説はちみー味 作:それがダメなら走っていこう
そして今回はギャグ回。
side:イチゴ味聖帝
【本日のエル】
グラスありがとうと言うつもりが
ブタさんありがとうデースと言ってしまい
無事死兆星が点灯、テーレッテーが鳴り響き
薙刀ブッパからの四の字固めを極められる。
【カルチャーギャップ/沖野という男】
「難しい話はつまらねえし
来いよサウザー!
面白いもん見せてやるよ!」
「何!?沖野、お前はまた勝手な行動を!」
いつも飴玉を咥えている
雲のジュウザを思わせるフリーダムな男であった。
奇行で有名なゴールドシップのトレーナーと
言うからには納得しかできなかったが……
これでもスピカという有名チームを率いる男である。
先輩トレーナーである沖野に連れられて
スカウトに連れられたのはいいものの……
沖野は一人のウマ娘にフラフラ近づいていくと
「ほ~……トモのつくりもいいじゃないか」
「まさに、肥えウマ娘に難無し」
おもむろに太ももを撫でさすり始めた。
「バカな……正気かあの男は……!!」
「キャー!!」
当然のごとくウマ娘に蹴られていた。
「絶対どうかしてる……
何であんなことが出来るんだ……!!」
セクハラや痴漢で逮捕されるのが恐ろしくないのか!?
サウザーはワナワナガクガクと震えることしか
出来なかった……アレが陽キャというものか?
そのあと沖野はあれはセクハラや痴漢ではなく
純粋に筋肉の尽き方に素質を見出して
つい触診で確認したくなったなどと弁明していたが……
いや、素質と才能を見出す目は確かなんだろうが……
触っただけで筋肉の状態を確認できるのも
凄いとは思うが……
それにしたってトレーナーとしての才に振り回され
常識が無さすぎる!
あのスペシャルウィークとか言うウマ娘が
許してなかったら警察のお世話になってるぞ!
スピカの沖野、いろんな意味で侮れん奴よ!!
【南斗式トレーニング】
「ねえサウザー、何でいきなりチームメイトが増えてんのさ」
「あらあらテイオーさん……制度上何の問題もありませんよ?」
「……素直に強チームのリギルに行けばよかったじゃん
グラスなら十分狙えたでしょ?」
「トレーナーも巴御前を思わせる女傑で
生徒会や寮長たちが所属する
チームリギルは候補として「あり」だったのですが……
採用テストの模擬レースで見事にエルに逃げられまして……」
心なしか不機嫌そうなトウカイテイオーと
ニコニコと笑うグラスワンダー。
グラスとテイオーを引き合わせたが
何か静かな火花が散っているのは気のせいか?
気のせいだな!
だがオレの弟子の間に不和があるのもよくない。
オレのカリスマの齎すネゴシエイト力に刮目するがいい!
「フハハハ!聖帝軍は来るもの拒まずだ!
オレも雇われの身、理事長に担当を増やすように言われたら断れぬ!
中央トレセンは人手不足らしくてな!」
「それにしたってさあ……ボクに一言位あってもいいじゃん」
「あら、含むものでもおありですか?」
「そんなんじゃないやい、ボクは担当が増えて
自分のトレーニングの質が低下しやしないか心配してるだけさ」
「だったら構いませんよね?
トレーナーさんは担当が一人二人増えても……
指導できないなんて情けないことは言いませんよね?」
「フハハハ!もちろんだ!
聖帝を侮るな!
貴様らに相応しいトレーニングを用意しているぞ!」
「栗東寮の寮長フジキセキがちょうどよいものを持っていたので
本日はこれを使ってトレーニングするぞ!」
サウザーは二つの巨大大砲を運んできた。
「ねえ、ボクの眼がおかしくなったのかな?」
「どう見ても大砲にみえるんですが……」
「これが本日のトレーニング、南斗人間砲弾である!」
「やあやあ、サウザーTが人間射出マジックをやりたいというのでね!」
「ワケワカンナイヨー!」
「心配するな!火薬量は計算してあるし
着地点にはマットも用意してある!」
「ウソでしょ……」
「なんなのだこれは どうすればいいのだ
中央のトレーナーは狂人ぞろいなのだ……」
これには周りで見ていたウマ娘もドン引きである。
理解しきれない光景を目の当たりにして
宇宙的啓蒙を得てしまった者もいる。
「流石に常軌を逸しているというか……」
「ぴええ、こんなトレーニングに何の意味があるんだょう!」
二人そろって文句を垂れる。
「ん~ですって、さ?
狭いゲートには入れるのに大砲で打ち出されるのは怖いか?
勝負度胸というものが欲しいのではなかったのか~?
練習の時に本番より過酷なトレーニングをするのは当然だろう?」
考えていた言い訳を並べ立てる。
「なるほどゲートの特訓ですか……
まるで肝練りですね……」
グラスワンダーの方は考え込むしぐさを見せた。
「あー、いいよいいよ怖いのならやらなくて!
いつでも聖帝軍を抜けて貰っても構わんのだぞ~?
打ち出されて空中から綺麗に着地出来たら
不安定な足場でも物ともしないようになるのになー!」
煽って見る。
「むっ、誰も怖いなんて言ってないじゃん!」
「――面白いですね」
釣れた。
フッ……オレの知略が怖いわ。
「どうやらその気になったようだな!
さあ始めるぞ!」
その後、テイオーは悲鳴を上げながら射出され
グラスも笑顔を保つのに精いっぱいになった。
「フハハハ!お次は瓦割りトレーニングだ!!」
「南斗爆星波南斗爆星波南斗爆星波ナントバクセイハ!」
「やんなきゃダメ?ボク、疲れちゃったんだけど……」
「こ、この程度の疲労なんということは……
どうぞ、お気になさらず」
「フウン?疲れたか、いい案を思いついた!」
お師さんとの修行の日々を思い出す。
「フハハハ!これを渡しておこう、疲労に耐えられぬ時飲むがいい!」
サウザーが取り出したのは
コップに入った緑色の搾り汁であった。
「お師さんとの修行時に飲まされた各種薬草山野草を
南斗秘伝の調合で絞った薬草ジュースだ!
懐かしいなあ!これと硬いパンをかじって修行に励んだものよ!」
「ぴえええ!!にがい!苦いよトレーナー!!」
「誰にも、誰にも負けたくないのに……!」
「だが特製青汁のおかげで体力は回復しただろう?
さあ、聖碑を担いで石段を登ってもらおうか!
一段一段意味を噛みしめながらな!フハハハハ!」
「テイオーさん、終わったらカップケーキを買いに行きません?
口直しが要ります……私、恥ずかしながら……
このトレーナーを侮っていました……」
「うん……はちみーも買わなきゃね……
あとさ、全部終わったらボクはトレーナーにローキックを
するつもりだけど……」
「それでは私は右足を……寮から薙刀を持ってきますね」
「じゃ僕は左足をやるよ」
「不吉な相談をするんじゃない!
ていうか今日はもう無理っ!帰る!」
「サウザーが逃げたよ!追うよ!」
「ふふふ……想像の斜め上を行かれましたが……
これはこれで不死鳥が大人しくしているのでアリですね……」
夕日をバックに
サウザーは自らのバイクで逃げだして。
それを追いかけるテイオーと
薙刀を振り回す笑顔のグラスワンダーであった。
面白いかどうかはわからない……