チルドレンズ   作:晩舞龍

26 / 44
 これまでの、仮面サンダー乙! 
 アメリカの少年デイライトはひょんなことから乙仮面なる仮面と出会い、「危険な仮面」を破壊するための力を手に入れ日本へ。
 そこで、キャベツの能力を得て苦しむ男と出会う。男は、「ザ・ベジター」という組織によって実験を受けたと言うが……!? 


仮面サンダー乙 第二話「決斗!電撃対電撃」

 2023年2月 日本 東京

 肉巻きキャベツと名乗った男は、気を失ってしまった。宿泊予定のホテルで彼を休ませ、デイライトと乙仮面は「ザ・ベジター」についての手掛かりを探すことにした。

 

 見つかった情報は、過去に工場が埼玉県にあったこと。本社であるビルが東京都にあること。たったそれだけだった。

「本社に乗り込むしかないか?」

「敵の規模がつかめない以上危険だ。まずはあのキャベツ男を回復させ、戦力に加えたいところだが……」

「日本にあんな怪人がいるなら、僕らみたいなヒーローが居てもよさそうだけどな」

「もし居たとしても、我々のようにその存在を公にしているはずはない……探すのは無謀だろうな」

 二人は思案するも、良案は浮かばず。

「やっぱり、工場跡に行ってみよう。肉巻きキャベツでは見つけられなかった手掛かりがあるかもしれない」

 

 

 日本 埼玉

 

「サンダーチェンジ!」

 稲妻の如き高速で、東京から一瞬で埼玉の工場跡までやってきた仮面サンダー乙は、変身を解除しデイライトの姿へと戻る。

「長い距離を移動するのはさすがに変身してても疲れるな……今日はあと一回くらいしか無理そうだ」

「そうか、だが敵が現れる可能性もある。その時は帰りのことは気にせず全力を出せ」

「ああ、わかった」

 気を引き締め、フェンスの裂け目から荒れた工場跡地へと入る。

「肉巻きキャベツの話では放置されてからそこまで時間がたっていないが……やけに荒れているというか、ツタが多いな」

「敵は植物を使って人体実験してるようだし、もしかしたらその影響かも」

 

 乙仮面が、辺りを警戒していると何かに気付いた。

(デイライト! 誰かいる、今すぐ物陰に隠れろ)

 驚きの声を上げそうになったデイライトだがなんとか抑え、崩れた瓦礫のそばへ。

(どこ!?)

(上を見ろ、工場の屋上だ)

(あれは……怪人! と……女の子?)

 

 一人は、明らかに怪人のようだ。頭部のもじゃもじゃ頭はブロッコリーそっくりで、背中からはツタらしきものが大量に体に巻き付いている。

 乙仮面の力で視力も向上しているデイライトは、その顔までよく見える。

 メガネをかけた女だ。

(あれはもしかして、肉巻きキャベツの言っていた「S.T.ブロッコリー」という科学者か?)

 

 そして、その目を少女の方に向ける。年は14、5歳くらいか。

 オレンジの頭髪と眼帯が目を引くが、怪人ブロッコリー女に比べればいたって普通といった外見だ。しかし。

 彼女は、その握りこぶしを高く掲げる。

(なんだ……? 何をしている)

 怪人を前にして物怖じせず、それどころかその目は真っ直ぐに怪人を見据えている。

 

「熱着!」

 

 少女が叫ぶと、彼女の服が量子状態へ、そしてアーマーに! 

 胸にはエスプレンザー、右腕はアタッチメント、三日月型の刃が出現! 

 下半身にはベルトやブーツが装着され、首から一筋の白いマフラー! 

 

(まさか、彼女もヒーローなのか!?)

 

 そこに居たのは、改造人間であり、正義の味方……山科ひびや! 

 自らの宿敵「藤野財団」を打ち倒した後、後継組織である「ザ・ベジター」の存在を知り、駆け付けたのだ! 

 

「私は正義の改造人間。そしてお前は……悪だ!」

「私たちの邪魔は勘弁してもらおうか」

 S.T.ブロッコリーのツタが伸び、ひびやを強襲する! 

 ひびやが高く飛び上がり、その刃を構える。そして、バックルをタッチ。

「ヒーティング・ブレイド!!」

 刃に炎が燃え盛り、巻き付かんとするツタを焼き払う。

 

「なら、これはどうだぁ!」

 S.T.ブロッコリーの頭部が静電気を帯び始めた! そして、発射! 

 超高圧の電撃が一筋の線となり空を裂く! 

「私の電撃と、どちらが上か試させてあげる!」

 ひびやも負けじと刃を構え、再びバックルをタッチ! 

「ライトニング・ブレイド!!」

 刃に電撃が帯び、S.T.ブロッコリーの電気光線を迎え撃つ! 

 しかし、一点集中の電気光線は刃の電気コーティングを上回っている! 

 

(デイライト! あの少女は我々の敵ではないようだ! ひとまず助けに回ろう!)

「待ってたぜ、その言葉を!」

 デイライトが立ち上がり、乙仮面が実体化する! 

 走り出すデイライトの顔に、乙仮面が張り付き、一つとなって飛び上がる! 

「サンダーチェンジ!」

 衝撃と光と共に、瞬時に工場の屋上まで高速ジャンプ! 

 その勢いで突撃し、S.T.ブロッコリーをぶっ飛ばす! 

 

「ぐあああっ!? なんだぁ?」

 一方、ひびやも突然の乱入者に困惑の表情を浮かべる。

「あ、あなたは……!?」

 

「僕はアメリカからやってきた新人ヒーロー、仮面サンダー乙!電撃なら負けないぜ!以後、よろしく!」




仮面サンダー乙ひみつファイル

乙仮面の能力:テレパシー
デイライトはアメリカ人だが、乙仮面の能力で日本人相手に思念波を飛ばすことで、完璧な翻訳とまではいかないものの何を喋っているかがおおよそ伝わる。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。