チルドレンズ   作:晩舞龍

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ヤケクソうさ子7

 手や足先は巨大な蹄で覆われ、頭部には巨大な大角が発現。

 アニマル星人の潜在的DNAを最大まで活性化させるトンア星の技術・リアライズによって、マトンよう子の体はまさに羊の獣人そのものへと変化した。

 

 さすがのうさ子もこれには驚いた。しかし、今まで生物兵器ともいえる改造人間と戦ってきた彼女にとっては、それが宇宙人に変わろうと問題ではなかった。

「行くぞ」

 再びチェーンソーを構え、うさ子が飛び掛かる。

 

「ふーん……」

 その様子を、ジャクズレあけ美は加勢するでもなく眺めていた……。

 

 

 ヤケクソうさ子 第二部 獣人編

 第三話 「マトンよう子」

 

 

 よう子の角は揚々とチェーンソーを弾き、うさ子を地面に叩きつける。

「うさ子!」

 11子が加勢しようと駆け寄る。

 よう子は大角を前に突き出し、その構えのまま突撃! 

 必殺のホーン・タックルだ! 

 11子は腰に装着した四連スラスターで空中に退避し、シャチの牙を備えた巨大な右腕でよう子の背後を狙う。

「甘い!」

 よう子の首筋を11子の腕が捉えたその瞬間、よう子の体全体が大量のウールに包まれた! 

 衝撃を吸収しながら回転力を増して進むウールの塊となり、11子を弾き飛ばす! 

 

「うさ子ちゃん! 11子ちゃん!!」

 遅れて春田ちあもがやって来る。状況は呑み込めていないが、危険な様子を感じ取った彼女の目つきが変わる。

「ちあもちゃん……?」

 必至にウールをチェーンソーで刈り取っていたうさ子がちらと見ると、ちあもの腕がみるみるうちに銀色に変わっていく! 

 うさ子たちからは距離があって正確には視認できなかったが、ちあもの両腕は肩から指の先に至るまで、銀色の機械の腕へと変形していた!! 

 ちあも自身、その腕について覚えていることは何もない。ただ、危機にある二人を見た瞬間に自然と腕が変形していたのだ。

「やるしか……ないよね」

 覚悟を決め、よう子に向かって走り出す。

 よう子は餌が来たとばかりにウールから自身の体を脱出させ、巨大な大角で迎え撃つ! 

 その二本の角を、ちあもの銀の両腕はがっしりと掴み、そのままぐいぐいと開いていく。

「あがっ!! いたたっ!?」

 角をあらぬ方向に曲げられ、根元である頭頂部が悲鳴を上げる。

「とったぁ!」

 当然、背後から迫るうさ子のチェーンソーに抵抗することなく切り付けられ、赤い飛沫を散らすこととなった。

 

 

「ちあもちゃん、その腕……」

「わたしにも分からなくて……体が勝手に」

「それも記憶喪失の秘密と関係あるかもしれない……」

 11子はそう零し、もう一人のアニマル星人の方に意識を向ける。

 マトンよう子は撃破した、しかし彼女と共にやってきたジャクズレあけ美……彼女もまた、よう子と同様に地球の破滅を狙う宇宙人の手先なのだろうか? 

 あけ美はよう子が倒されたことについて、無反応だった。ただたおやかな微笑を浮かべているだけだ。

「ジャクズレあけ美、あなたは……」

 うさ子が問いかけようとすると、あけ美は逆にこちらに提案してきた。

「君たちの仲間に入れてくれないか? 私を」

「あ……えっ!?」

 

 

 

 同時刻 森

 

「わん子、かう奈。帰ったか」

 待機していたうさ美、とら子、ねず美、ドラ子のもとに、わん子とかう奈が帰ってきた。傍らには、一人のアニマル星人を連れて。

「連れてきたぞ、うさ美! 紹介する。ヤケクソうま子!! 私たちの新しい仲間だ」

 わん子とかう奈の後ろを歩いてきたうま子が、緊張した様子で四人の前に出る。

「よ、よろしくお願いします! わたし頑張ります!」

 

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