チルドレンズ   作:晩舞龍

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14歳の宇宙人バーチャルユーチューバー・ヤケクソうさ子の二次創作小説。


第二章(前編)
ヤケクソうさ子3


 2019年1月22日。地球に、一人の宇宙人がやってきた。彼女の名は、ヤケクソうさ子。

 2022年9月。うさ子の住む三重県で、奇怪な事件が頻発。真相を追った彼女は、その犯人である「改造人間」たちを次々と撃破する。

 11月。改造人間の本拠地・藤野財団の研究所へと連れていかれたうさ子。改造人間のひとり・11子とともに脱出する。

 その後日、11子は精神体・出羽次郎子の攻撃を受け、うさ子と共にこれの撃破に乗り出す。渋谷での戦闘により、これを打ち倒すことに成功する。

 

 

 2022年12月

 

「いただきます」

 二人は、三重県のうさ子ハウスに帰ってきていた。

「どうぞ、11子ちゃん」

 11子もすっかり、うさ子の家に慣れてきた。今ではここで食事や睡眠を共にしている。

「うさ子、私はね、改造されてから魚をすごくおいしく感じるようになったよ」

「え! よかったね」

 うさ子はアニマル星からやってきた宇宙人。

 11子はシャチの力を持つ改造人間。二人とも、この人間社会において「普通でない」存在どうし、気が合うのかもしれない。

 そんな彼女たちは、ただ惰性で日々を過ごしているわけではない。

 うさ子はある事件を通し、人類たちを改造人間から守護すると決意。

 11子によると、まだ改造人間は(脱走したものなどを含めて)五人いるという。

 

「じゃあ、私が知っている限りのことをまとめる。まずは改造人間一覧を書いたから見て」

 メガネをくいっと上げ、11子が手書きのメモを見せる。

「どれどれ」

 

 1 殺人ヒル★

 2 ギガントダブルヘッドプラナリア■

 3 人肉吸収犬★

 4 生命の縫合者

 5 ロンリーウルフ・ジョー★

 6 プレゼントばこ男▲

 7 デススパイラル・マイケル●

 8 鬼▲

 9 コマンダーグリーン(仮)

 10 ポー藤野

 11 11子▲

 

「★はうさ子が倒した、■は実験の途中で死んでる。●は私たちふたりで倒した。▲は脱走した奴ら。私以外は敵だと思った方がいい」

「この前倒した精神の敵は?」

「あれは私もよく知らない。たぶん関係ない……と思う」

 

「うーん」

 うさ子が倒した敵たちを消しゴムでメモから消していく。そして、仲間になった11子も。

 

 4 生命の縫合者

 6 プレゼントばこ男▲

 8 鬼▲

 9 コマンダーグリーン(仮)

 10 ポー藤野

 

「あと五人! デーモンにも協力してもらえば、まとめてかかってきても三人までなら大丈夫そう!」

「あのひと、役に立つの?」

 地獄の悪魔の王・デーモンは、うさ子に懐柔されて以降、彼女の周囲にふらっと現れる、11子からすると謎の存在だ。

「もちろん! なんてったって王だよ、王!」

「そういう問題じゃないと思う」

 

 

 2023年1月

 

 11子が来てから、すでに二月が経とうとしていた。以前、二人が脱走した際に施設に打撃を与えたためか、藤野財団からの接触は12月には無かった。うさ子は積極的に改造人間の退治を提案したが、

「まだ情報が少なすぎる。勝てるビジョンが見えない」

と11子に制止された。

 

 今日もうさ子は労働を終え、タダ飯喰らいの11子の待つ家へ帰る。

「ラタタ~ラタタ~」

 帰りを待つ人がいるというのはいいものだ、とうさ子は非常に上機嫌だ。

 

 そんな彼女の帰りを待ち受ける、もう一人の人物がいた。彼女の帰宅ルートに立ち、今か今かとその瞬間を待ち構えている。そして、うさ子が曲がり角から現れたその瞬間……! 

 

「死ね! 宇宙人!」

「えっ!?」

 

 うさ子の首に小型の鎌のようなものが突きつけられる! それは、うさ子を待ち構えていた少女の腕から生えている! 

「何!? 何!?」

 うさ子の首を壁に叩きつけ、押さえつける少女。うさ子は必死にもがきながらその少女の姿をとらえる。

 オレンジの頭髪に眼帯。白いマフラーがたなびく。全身にアーマーを纏い、右腕は鎌……

 その奇抜な恰好に、うさ子は改造人間を疑う。しかし、11子から聞いた情報にはこんな少女はいなかった。

「あなた、誰……!?」

 もがくうさ子をさらに強力な力で押さえつけ、その少女は言う。

 

「私の名は山科ひびや! 藤野財団によって改造された正義の改造人間!」

「えっ? えっ?」

「宇宙人は私が殺す!」

「えーっ!?」

 

 

 一方、同時刻、うさ子家。

「遅いな……もう午後六時だぞ」

 暗くなってきた外を見て心配そうに窓を開ける11子。その窓から見えたのは、いつものように小走りで帰ってくるうさ子ではなく、何者かの腕だった。

「!?」

 とっさに窓を閉めようとするが、逆にその腕を掴まれてしまう。改造人間である彼女の力で振りほどこうとするが、それも叶わない。

「まさか!」

 改造人間を上回る力。そう、敵もまた改造人間だ! そして、脱走した彼女を始末しに来たのだ! 

 腕を引っ張られ、窓から強引に外へと放り投げられる! 

 転がり衝撃を抑えた11子が顔を上げると、そこには身長が優に2mを超えるであろう、巨大な二体のロボットが立っていた! 

 

 山吹色の巨体が無言で見下ろしてくる……藤野財団の英知を結集し開発された、財団の名を冠する戦闘ロボ・ポー藤野! 

 

 もう一体は強靭な腕で彼女の体を放り投げた緑のロボット! コマンダーグリーン(仮)! 

 まだ完全体ではないものの、11子をいとも簡単に投げたその膂力は本物だ! 

 

「2体1か、ちときついな」

 そう零しながら、11子はうさ子の家を守るため不利な戦いに挑む。




新登場マシーナリーチルドレン
山科ひびや
ポー藤野
コマンダーグリーン(仮)

補足(元ネタ)
ギガントダブルヘッドプラナリア…pixiv第120回より
プレゼントばこ男…pixiv第43回より
鬼…pixiv第109回より
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