ヤケクソうさ子3
2019年1月22日。地球に、一人の宇宙人がやってきた。彼女の名は、ヤケクソうさ子。
2022年9月。うさ子の住む三重県で、奇怪な事件が頻発。真相を追った彼女は、その犯人である「改造人間」たちを次々と撃破する。
11月。改造人間の本拠地・藤野財団の研究所へと連れていかれたうさ子。改造人間のひとり・11子とともに脱出する。
その後日、11子は精神体・出羽次郎子の攻撃を受け、うさ子と共にこれの撃破に乗り出す。渋谷での戦闘により、これを打ち倒すことに成功する。
2022年12月
「いただきます」
二人は、三重県のうさ子ハウスに帰ってきていた。
「どうぞ、11子ちゃん」
11子もすっかり、うさ子の家に慣れてきた。今ではここで食事や睡眠を共にしている。
「うさ子、私はね、改造されてから魚をすごくおいしく感じるようになったよ」
「え! よかったね」
うさ子はアニマル星からやってきた宇宙人。
11子はシャチの力を持つ改造人間。二人とも、この人間社会において「普通でない」存在どうし、気が合うのかもしれない。
そんな彼女たちは、ただ惰性で日々を過ごしているわけではない。
うさ子はある事件を通し、人類たちを改造人間から守護すると決意。
11子によると、まだ改造人間は(脱走したものなどを含めて)五人いるという。
「じゃあ、私が知っている限りのことをまとめる。まずは改造人間一覧を書いたから見て」
メガネをくいっと上げ、11子が手書きのメモを見せる。
「どれどれ」
1 殺人ヒル★
2 ギガントダブルヘッドプラナリア■
3 人肉吸収犬★
4 生命の縫合者
5 ロンリーウルフ・ジョー★
6 プレゼントばこ男▲
7 デススパイラル・マイケル●
8 鬼▲
9 コマンダーグリーン(仮)
10 ポー藤野
11 11子▲
「★はうさ子が倒した、■は実験の途中で死んでる。●は私たちふたりで倒した。▲は脱走した奴ら。私以外は敵だと思った方がいい」
「この前倒した精神の敵は?」
「あれは私もよく知らない。たぶん関係ない……と思う」
「うーん」
うさ子が倒した敵たちを消しゴムでメモから消していく。そして、仲間になった11子も。
4 生命の縫合者
6 プレゼントばこ男▲
8 鬼▲
9 コマンダーグリーン(仮)
10 ポー藤野
「あと五人! デーモンにも協力してもらえば、まとめてかかってきても三人までなら大丈夫そう!」
「あのひと、役に立つの?」
地獄の悪魔の王・デーモンは、うさ子に懐柔されて以降、彼女の周囲にふらっと現れる、11子からすると謎の存在だ。
「もちろん! なんてったって王だよ、王!」
「そういう問題じゃないと思う」
2023年1月
11子が来てから、すでに二月が経とうとしていた。以前、二人が脱走した際に施設に打撃を与えたためか、藤野財団からの接触は12月には無かった。うさ子は積極的に改造人間の退治を提案したが、
「まだ情報が少なすぎる。勝てるビジョンが見えない」
と11子に制止された。
今日もうさ子は労働を終え、タダ飯喰らいの11子の待つ家へ帰る。
「ラタタ~ラタタ~」
帰りを待つ人がいるというのはいいものだ、とうさ子は非常に上機嫌だ。
そんな彼女の帰りを待ち受ける、もう一人の人物がいた。彼女の帰宅ルートに立ち、今か今かとその瞬間を待ち構えている。そして、うさ子が曲がり角から現れたその瞬間……!
「死ね! 宇宙人!」
「えっ!?」
うさ子の首に小型の鎌のようなものが突きつけられる! それは、うさ子を待ち構えていた少女の腕から生えている!
「何!? 何!?」
うさ子の首を壁に叩きつけ、押さえつける少女。うさ子は必死にもがきながらその少女の姿をとらえる。
オレンジの頭髪に眼帯。白いマフラーがたなびく。全身にアーマーを纏い、右腕は鎌……
その奇抜な恰好に、うさ子は改造人間を疑う。しかし、11子から聞いた情報にはこんな少女はいなかった。
「あなた、誰……!?」
もがくうさ子をさらに強力な力で押さえつけ、その少女は言う。
「私の名は山科ひびや! 藤野財団によって改造された正義の改造人間!」
「えっ? えっ?」
「宇宙人は私が殺す!」
「えーっ!?」
一方、同時刻、うさ子家。
「遅いな……もう午後六時だぞ」
暗くなってきた外を見て心配そうに窓を開ける11子。その窓から見えたのは、いつものように小走りで帰ってくるうさ子ではなく、何者かの腕だった。
「!?」
とっさに窓を閉めようとするが、逆にその腕を掴まれてしまう。改造人間である彼女の力で振りほどこうとするが、それも叶わない。
「まさか!」
改造人間を上回る力。そう、敵もまた改造人間だ! そして、脱走した彼女を始末しに来たのだ!
腕を引っ張られ、窓から強引に外へと放り投げられる!
転がり衝撃を抑えた11子が顔を上げると、そこには身長が優に2mを超えるであろう、巨大な二体のロボットが立っていた!
山吹色の巨体が無言で見下ろしてくる……藤野財団の英知を結集し開発された、財団の名を冠する戦闘ロボ・ポー藤野!
もう一体は強靭な腕で彼女の体を放り投げた緑のロボット! コマンダーグリーン(仮)!
まだ完全体ではないものの、11子をいとも簡単に投げたその膂力は本物だ!
「2体1か、ちときついな」
そう零しながら、11子はうさ子の家を守るため不利な戦いに挑む。
新登場マシーナリーチルドレン
山科ひびや
ポー藤野
コマンダーグリーン(仮)
補足(元ネタ)
ギガントダブルヘッドプラナリア…pixiv第120回より
プレゼントばこ男…pixiv第43回より
鬼…pixiv第109回より