次の日、携帯電話の所持の校則変更の生徒会会議を行った。多少の反対意見はあったものの、多数決で2/3以上の賛成が得られた。そして全校生徒の投票で過半数の票が得られた。そして、初めての生徒、教員合同会議が行われた。
俺は、文と副会長の加藤先輩を連れて会議に出席した。
教師陣は、校長、教頭、担任、生徒指導の先生が出席した。
「それでは会議を行わせていただきます。今回は携帯電話の持ち込みについてです。まず、我々生徒会の意見を言わせていただきます。教員に意見を言わせてもらいます。その後はお互いに意見を言ってもらい最後に投票を行い校則の決定を決めます。どれでは我々生徒会から意見を言わせていただきます。」
加藤先輩が司会を務めた。
「その前に一つよろしいでしょうか?新聞部委員長の文です。今回の会議での新聞を撮影させていただいてもよろしいでしょうか?」
だれも文句を言うものはいなかった。
「ありがとうございます。それでは、撮影させてもらいます。」
彼女はデジカメを取り出し撮影を始めた。この学校では新聞委員は学校のデジタルカメラでの撮影が許可されている。
「それでは、私から意見を述べさせていただきます。携帯電話を所持する一番の理由は緊急時の利用です。登下校時の事故、震災が起きた時に連絡ができるツールそれが携帯電話になります。それに、東京のいくつかの学校ではすでに持ち込みの許可が出ています。今携帯を持たないのは時代遅れなのではないでしょうか。そのため、生徒は携帯を所持すべきです」
「ありがとうございます。続いて教員の方で反対意見等ございましたら、お願いします。」
教頭先生が話し始めた
「君の言い分はわかる。しかし、学生生活において一番大切なのは勉強だ。学校でもちこみなどしたら風紀が乱れるだろう。授業中や休み時間に触る者もいるだろうし、授業中に電子音が鳴る可能性が高い。それにだ、防犯上というがそんなもの防犯ブザーを使えばいいじゃないか。実際校則で防犯ブザーの所持は許可されている。それではだめな理由があるかい?」
「教頭先生ありがとうございます。これに対して会長なにか意見はありますか?」
「順番に教頭先生の意見の反論を述べさせていただきます。まず風紀の乱れに関してです。これは問題がないと考えます。授業中に携帯を触る人はいないと考えます。その根拠ですが、授業中に小説を読んだり、他事してる人はいますか?いませんよね。携帯の所持が認められてもその点は変わらないと思います。次に休み時間に触る者がいるという点ですが、これの何が問題なのでしょう?休み時間というのはルールを守れば自由な時間です。自由な時間に携帯を触ることがいけない理由をお願いします。そして、電子音が授業中になるというのは電源を切る、マナーモードで対策できます。守らない人には、反省用紙などの罰で対策すれば解決できるでしょう。最後に防犯ブザーではいけないのか?についてですが、結論いけません。先生方はご存知ですか?数年前、隣の市での誘拐殺人事件があったことを。その時防犯ブザーを被害者の少女は所持していましたが、防犯ブザーは犯人によって壊されてしまいました。もしその少女が携帯電話を持っていたらどうでしょう?途中で警察に連絡することもできましたし、GPSで位置を把握できるので防犯ブザーよりも優れているといえます。先生方は生徒の命を見過ごすのですか?」
うまいな。加藤はそう思った。人の命を話題にだすとNOとは言えないだろう。しかし、教師陣の多数決のゴリ押しができてしまう。どうするんだ会長?
「ほかにご意見のある方いらっしゃいますか?」
「いいかな?」
校長が話し始めた
「茶番はやめようか。この会議は何の意味も持たない。違うかい?説得できると?不可能だ。我々教員は反対に入れる。この会議前に我々はそう決めた。打開策があるのかい?」
「先生方は勘違いしている。そもそもこの会議の多数決で勝てるとは思っていない。」
「話題作りか」
生徒指導の教師がそう言った。
「断じて違います。我々を舐めないでもらいたい。事実討論としては我々が勝っている。それは世界が証明してくれるでしょう」
「世界?」
「鈍いですね。文が撮影してくれてますから。このデータをインターネットに拡散したらどうなるのでしょうか?彼女は動画を撮ってくれたので」
周りが静かになる。
作戦は単純であった。一種の脅迫。生徒は教師に勝てない。しかし、教師も怖いものがある。そこを突いた。
「この会議の内容をネットに流しましょう。総務省のデータによると中学生のSNS使用率は85%に上ります。つまりこの学校の全校生徒960人中816人が使用していることになります。我々が全力で拡散すれば世間の注目を集めることは間違いないでしょう」
嘘である。文に動画を撮らせたのは本当だが、インターネットに流すことはするつもりはない。ただの脅迫だ。それに、広まる可能性も怪しい。816人といっても全員が同じ地域に住む中学生である。広まる幅は偏りすぐ収束する可能性もある。それにもし、広まった場合でも問題が出てくる。俺が例に出した誘拐事件は作り話である。そんな事件は存在していない。短い会議時間インターネットが使えない環境だからこそ使えたテクニック。広まった場合すぐにこの嘘がばれるだろう。それだけは避けておきたい。
「それを渡しな。」
文に向かって教頭は言った。
「私は、この情報を離さない。ここにいる教員が幸い全員男性ですね。良かった」
そう彼女は言うと胸ポケットにカメラをしまった。
「じゃあ、そういうことで」
彼女は会議室を去った。
生徒指導の教師は文を追いかけた。
「時間もあれですし、投票に移りましょうか。」
加藤がそう言った。文と生徒指導の教師がいないかったが誰も文句を言わなかったのでそのまま投票へ移った。
「それでは本日の議題である携帯電話の持ち込みについての多数決を行います。賛成の方は挙手をお願いします」
俺と加藤は手を挙げる。ここで負けることは想定内。そう思った。担任も手を挙げていた。
「…それでは賛成多数の為…」
「降ろしなさい!何をやってるんだ!だからお前はその年齢で役職につけんのだ」
教頭は担任に怒鳴った。
「僕は正しいと思った方に手を挙げたまでです。彼らの方が筋が通っている。それだけです。しかし、我々教師はボランティアでやってる訳じゃない。このルールを破ったときに罰則を与えるのは僕ら教師だ。僕は条件付きで賛成するよ。授業中に携帯を触ってる人がいる、電子音が授業中に鳴るなどした場合、そのクラスは一週間の携帯電話持ち込み禁止とするこれを付け足してくれるなら賛成する。それができないなら僕はこの手を堕ろそう」
担任は淡々と言った。
「呑みましょう。」
俺はその案を呑んだ。
「では、これで会議を終わります」
こうして会議は終わった。
「司会進行ありがとうございました」
帰り道、加藤先輩と帰った。
「いや、言われたことを淡々としたじゃん。しっかし、よくもまあ成立させたよ。計画なんも知らされてないから驚いた」
「計画通りに事は進みました。ほとんどはですが。多数決で勝てるとは思ってませんでした」
「担任にお願いしたんじゃないのか。じゃあ、負けたらどうしてたのさ?」
「文を使います。彼女の撮影した動画があればどうにでもできますよ」
「ははっ。本当に頭が回るね。尊敬するよ」
「いえいえ。次は先輩の立てたかった校則を作りましょう」
「ありがとな。あ、じゃあ俺あっちだからじゃあな」
そう。全ては順調だ。怖いほどに。いや。俺の計画に狂いはないのだ。俺は昔から疑問に思っていた。ライオンなどの肉食動物はシマウマやキリンなどの草食動物を喰らう。その逆はない。何故?喰えなくても集団で返り討ちにすることは容易だろう。答えは考えたこともないからだ。俺たちもそうだ。教師に反抗しない。しようと思えば容易なのにだ。俺は成し遂げる。必ず上にもっと上に。
電話が鳴る。文だった。
「会議終わってるのひどくない?」
「悪いな。負けてたらその時を映像に残したくなかったんだ」
「まあ、いいや。お宝ゲットしたしね。」
「消されてないのかよ」
「まあね〜。消したって嘘言ってね。SDカード入れ替えてデジカメ返したから中見られても安心安全ってわけ。よかったらデータ送ろっか?」
「いや、パソコンない。」
「てか、なんで電話なの?SNSほかにやってるでしょ?」
「いや、ガラケーしかない」
「はぁ!?じゃあなんでこんな校則作ったの?」
「生徒の利益を考えた。それだけさ。」
「これで支持率アップかぁ。なかなかどうして」
その後適当な雑談をして電話を切った。
そして、携帯の所持が認められた。これにより俺は人気者、ヒーロー、英雄となった。実際半信半疑だった人がほとんどで面白いから入れたという人も多かった。しかし、それが実現したのである。この人なら、やってくれるかもしれない。そう俺は神格化された。
そして、持ち前のトークスキルで校則を変えていった。生徒に関係ない校則でも他の校則を変えるために必要と適当に言い訳をした。教師陣も反論は殆どなかった。最初の晒し上げがうまい具合に効いている。やばくない校則であればまあいいかとなった。
俺が変えた校則は
部活種類の拡充
生徒会予算の可視化
昼休みの途中帰宅の許可
合唱コンクールの廃止
新聞部、放送部を合併させ広報部とする
選挙管理委員会の一部変更
その他にも色々と行った。
俺は校則を自由に変えれるようになった。
「ねえ。今回の校則変更。どういうつもり?」
文は聞く
「投票を楽にするための手段だ。」
「とぼけないで。選挙管理委員を生徒会内に入れる。これは表操作できるようにしたいんでしょ?」
「ははは。そうだよ。名案だろ?」
「あなたは、独裁者になるつもり?」
「さあ?どうだろうね」
「もしそうなら、私は阻止する。記者として」
「やってみな。最も全校生徒全員が見方だがね。」
俺は不敵な笑みを浮かべた。
とりあえず完結。人気だったら改定して書きます。夏休みとか、友達作成の過程とかもっと書いてから、その後の話書こうと思います。
ここまでの閲覧ありがとう。
今後の展開としては強敵出現と対決文は絶対書きたいなあ