怪獣のせいで世界終了   作:小説七つ球

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UAが1954を超えたので投稿

終焉が意外と難産だった…


『終焉』の場合

この宇宙には、より絶対的な破壊の力が潜んでいる―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――

 

――――

 

――――――

 

朝、いつものように一番最初に教室に着いた我は荷物を置いて飲み物を買いに一階に降りる。

 

「今日は……日本茶にしようか。日本茶はいい。ヒトが生み出した文化の極みのひとつだ」

 

我ことギドラは…(ゴジラ)に倒された後、どういう訳かヒトとして生まれ変わった。それまでただの餌としか見ていなかったヒトになったことで、ヒトの愚かさ、醜さに呆れと軽蔑の感情を抱いたが、同時に彼らの創り出した文化に触れ、その素晴らしさに感銘を受けたのは記憶に新しい。

 

故にこれはヒトの歴史が続く限り残していくべきだと思う。どの星でもいずれ果実(ゴジラ)が現れるのは同じだからな。…まぁ今度は不覚を取られることは無いよう用心するべきだろう。ヒトは弱いが強いからな……。

 

さて、始業までまだ時間はあるし……動画編集でもして暇潰すか。

 

―数十分後―

あら、もうこんな時間か。まぁいい。出来た動画は時間を指定して完了と。

 

「おっはよー龍魏。おろ?新しい動画作ったの?」

 

そんな我に話しかける者が一人。中村恵里だ。

 

「おう、17:00からプレミア公開予定。まぁ楽しみにしてて」

 

「ん、期待しておくね。龍魏の動画面白いもん」

 

「そっかー。ありがとなー、恵里」

 

恵里は何というか…普段は小動物的な振る舞いで、実に我の庇護欲?を掻き立てられるのだが…ことベッドの上では獰猛なケモノと化す。まぁ後半には体力が尽きて我にされるがままである。そこもまた可愛いと思うが。

 

そんなことを考えているとこの学校で一、二を争うバカップルが現れた。南雲と白崎である。あの二人からは常々甘ったるいオーラが周囲を漂っており、それにあてられた者は忽ち砂糖を吐き出してしまう。…なおこのクラスに限っては例外が約一名程いるのだが、まぁどうでもいいだろう(ありふれ見た奴ならわかるだろ)

 

―昼休み―

今日も今日とて恵里が作った弁当を頂く。うむ、うまい。……甘い。

 

「またイチャついてるよあの二人…。弁当が甘くなる…」

 

「イチャついているのは我らも大概では?」

 

「そう?」

 

弁当を作ってもらっている身分でいうのもあれだがこれでは夫婦であろう。そんなことを思っていると…件のあいつを中心に魔法陣らしきものが現れ、たちまち教室全体を覆い尽くしてしまった。そのまま更に強く発光し――――

 

 

気が付けば、全く別の場所にいた。

 

 

 

さて、軽く見てみたがこの星はどうやらもう成長できないらしい。いや、できないことはないが、あまりに遅すぎて待てたものではない。待っていたら太陽が寿命を迎えてしまう。仕方がないのでまだ実は熟れていないが…喰うとしよう。たまには青い実を味わうのもいいだろう。

 

 

 

 

 

 

 

元の世界に帰れないと知ったクラスメイト達は一瞬でパニックに陥った。それを治めたのは天之川。世界を救えば元の世界に帰れるとのたまった。その言葉に忽ち落ち着きを取り戻すクラスメイト。半ば逃避するように戦争の参加を決める。そして、いまや戦争に参加するか否かを決めていないのは南雲ハジメ、白崎香織、中村恵里、そして終星龍魏(ついしょうりゅうぎ)の四人だけだった。南雲は顔を険しくしており、白崎は怯えたように南雲にくっついている。しかし中村はどこか嘲る様に笑っており、そして終星は――――

 

化け物のような恐ろしい笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

さあ、伏して拝むがいい…黄金の終焉を

 

 

次の瞬間、終星の後ろに光輪の如く、黄金の七芒星が現れ、終星は同時に現れた黒い穴のような何かに吸い込まれるように消える。直後、三本の首、一対の翼、二又の尻尾が黒い穴から現れ、世界が黄金に包まれた。

 

単眼の様な赤い眼を複数持ち、その体表は無数の棘に覆われている。

 

それは、終焉。宇宙における生態系の頂点に君臨する怪獣。

 

先程まで青かったトータスの上空はいまや黄金に染まっており、三つの頭が電子音のような声で嗤っていた。

 

その身体が世界を覆えば、星の生命(いのち)は高次元の力に耐えられず、たちまち黄金の粒子となり、その生涯を終える。そして、その粒子は上空に吸い寄せられ、ギドラの糧となる。それは、偽りの神とて例外ではない。概念の世界なぞ高次元に巣くうギドラには何の意味もないのであった。

 

 

 

 

気が付けば、トータスはただ生命の気配が何一つとして感じられない死の世界と化していた。もはや、この世界には草の一本、苔のひとつも生えることは永劫ないだろう。絶対的な存在によって弱者が喰われる光景を見ることしかできず、未だ呆然としているクラスメイト達。そんな彼らに、あっけらかんとした様子で終星は言った。

 

 

 

「さ、帰ろっか」

 

 

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