平衡より来たれり   作:月侍

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相手として誰を登場させるかめちゃくちゃ迷いました。パトリオットおいちゃん硬すぎません???そしてキメラとMon3ster(?)の確定ダメージ強すぎません?やはり固定ダメージは正義か


誘導

天災のタイムリミットまで、あと3時間。

 

 

「急ぐから……加減は出来ないよ!」

 

 ()を張り巡らせながら、近付く敵意に()を与えて無理矢理失神させ、こちらへ近付く前に無力化する。

 

「あ、あなたも感染者……」

 

「感染者ではありませんよ、僕は。でも、彼ら─────ロドスは、間違いなく今あなたの味方ということは保証します。信頼出来ずとも、子供を守る為に利用してください。守る為に何をどうしようと、少なくとも僕は非難はしませんよ」

 

 何故だか、僕は感染していないんだよな。少なくとも、モロに天災の中をつっきったり、感染者の生徒達ともかなり長く付き合い触れ合いがあると言うのに、感染の兆候すら出たことがない。

 

 母親は、「感染者」ということに過敏になっている。()で落ち着かせてはいるが、あまり一般人に()を与え続けることは良くない気がしている。確証の無い勘だけど。

 

 通信機は未だジャミングされている。が、時折ノイズを拾うようにはなってきているので、もう少し外に出れば連絡をとれるだろう。

 

「……お母さん、先程、「私はいいから」と子供を守ろうとしていましたね」

 

「え?ええ……」

 

「良い心がけですが、いいですか?子供から、親を取り上げるような事だけはしないでください。親を失った子は、種族も病も関係なく────いえ。この先を言うのは酷ですね。しかし、このことは覚えておいてください」

 

 村にいた生徒の中には、兵のせいで両親を失った子もいた。その子は村の人々に囲まれて幸せそうだったが、時折ひとりで寂しく泣いていたのを知っている。

 親とは、やはり大きな存在だからだ。

 

 

 さて、そろそろ外部待機の隊と合流出来るはず。確か、同じエリートオペレーターであるライヤー(Liar)という情報関連のオペレーターがいるはず。冗談が好きだからそんなコードネームらしい。

 ゲームには出てこなかったが、おそらくAceさんやScoutさんのようにプレイアブルではなく、更に出てこなかった人なのだろう。

 

 『青年』からすればゲームの世界だが、いまの自分()にとって、ここは現実だ。ゲームに出ずとも、確実に居る人々とはいるものなのだ。

 

 

「もう少しですか────らっ?!」

 

 突如近距離に爆発が巻き起こる。先に敵意が()の上にあったので咄嗟に飛び退くことはできた。

 

「なっ、なにが」

 

「……お母さん、走れますか?」

 

「えっ、ま、まあ」

 

「……この先、そこを曲がってからまっすぐに走り抜けてください。外に出たところに、サンクタのオレンジの髪の青年が居ます。彼に『ロミオにここに来いと言われた』と伝えてください」

 

「えっ?あ、どういう」

 

早くするんだ!

 

「はっ、はい!」

 

 少しだけ怒鳴ってしまった。もし後で会えたら、謝ろう。勿論、子供さんにも。

 

 

 爆発物がすっ飛んできた方向を睨む。そこには、ガスマスクを装着した、赤を差し色にした黒いフードをかぶった人物がいた。彼は……たしか、SkullShredder(スカルシュレッダー)だったか。

 

「……」

 

 見えずとも、ガスマスクの下から睨みつけていることがよく分かる。

 

 務めて、冷静に。

 

「こんにちは。僕に何か用ですか?」

 

「………」

 

「何か言ってくれないと、伝わるものも伝わらないよ、『スカルシュレッダー』くん」

 

「……!」

 

 情報は持っているぞ、というはったりをかましてみる。いや、僕は情報を持っているのだけども、ロドス自体は持っていないんだよね。うーん、これは悪手だっただろうか?

 

 スカルシュレッダーは無言で、こちらへ源石爆弾(グレネード)をぶっぱなしてきた。

 爆風で飛ばされるが、分かっていたので受身を取り、僕は無傷だ。

 

「あたたた……いやあ、肉体言語なんて言葉もあるけど、そういうのはある程度の仲があってこそだよ。初対面なら、きちんと自己紹介しなきゃね?」

 

「……何をした」

 

「どういうことかな?」

 

「……仲間たちが次々と倒れた。お前のせいなんだろう」

 

 ああそっか。()の上に来た敵意に対して、片っ端から()を付与していたのを忘れていた。周囲には失神したレユニオン構成員がちらほら見える。

 

 ん?いやそうすると、スカルシュレッダーは()を与えられてなお失神せずに立って敵対してきているのか。大した精神力だ。

 

「あはは……凄いね。君は、とても強い意志を持ってるようだな」

 

 返事の代わりに、また源石爆弾(グレネード)を放ってきた。

 

「……仕方がないな。退いてくれないなら、ちょっと頑張るしかないか」

 

 自身の鞄の中から、銃のような形をしたものを取り出す。守護銃にも似ているが、違う。僕専用の護身用の武器。

 

「発狂させないようにだけは……気をつけなきゃね」

 

「お前ッ……!」

 

 微笑んだのは煽るため。再度の源石爆弾(グレネード)の爆発が、開戦の合図となった。

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