平衡より来たれり   作:月侍

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デストレッツァしろテンニンカ
ちなみに感想は全て読ませていただいております。感想を返したり返さなかったりまちまちですが……


混戦

▼▼▼

 

────オペレーター・ロミオがスカルシュレッダーと対峙している頃。

 

 エリートオペレーター・Ace率いるE3小隊と合流したアーミヤ達だったが、こちらもこちらでレユニオンの幹部の一人である、CrownSlayer(クラウンスレイヤー)たちの襲撃を受けていた。

 

「ロドス……追いついたぞ……」

 

 クラウンスレイヤーはアーツによって作り出した霧を用いて撹乱しつつ、更に、ロドスを挟み撃ちにして偵察部隊と分断していた。

 

 

「今回こそ、八つ裂きにしてやる」

 

 刃を構え、クラウンスレイヤーはロドスを一瞥する。

 クラウンスレイヤーは一度(とは言っても先程)、ウルサス憲兵の妨害によってロドスを取り逃している。それが癇に障ったのだろう。

 

「ドーベルマンさん!」

 

「狙撃オペレーター!敵の突撃を止めろ!重装オペレーター、防御の陣形を崩すな!いつでも移動できる準備を!」

 

 ドーベルマンの号令により、各オペレーターは構える。アーミヤもいつでもアーツを使えるように構えて警戒している。

 

「Ace、お前も即応体勢を───」

 

 そして、エリートオペレーターであるAceにも体勢を整えるようドーベルマンが言った時だった。

 

 

 戦場に似つかわしくない、明るい声が割り込んできた。

 

「まあまあ、落ち着いて────」

 

「?!」

 

 悠々と歩いてきたのは、白い少年。ニコニコと明るい笑みを浮かべ、まるで同級生同士の喧嘩を諌めるような声色で喋る。

 

「東南の要衝を落としてから、君の情報を聞いて飛んできたんだ。ここは僕の担当区画だよ、クラウンスレイヤー」

 

 クラウンスレイヤーは、白い少年を睨みつける。どうやら、白い少年もレユニオンのメンバーでありクラウンスレイヤーと同格のようだが……仲はあまり良くないように見える。

 

「……何しに来た?」

 

「こいつらは、僕にやらせてもらうよ?」

 

 にこり、とやはり笑う白い少年とは対照的に、クラウンスレイヤーの機嫌が悪くなっているのが誰の目にも見えて分かる。

 

「……メフィスト?」

 

「君に拒否する理由はないはずだよ?たまたま紛れ込んだ虫けらを……わざわざ君が追う価値はあるのかい?」

 

 白い少年───Mephisto(メフィスト)は諭すように、クラウンスレイヤーへと問いかける。

 

「君からの情報はもう受け取った。君は自分の仕事をやり終えたはずだよ。だから、もう戻ってくれないかな?君の担当は中枢エリアとその外周……」

 

「余計なことをするな……!」

 

 クラウンスレイヤーの声色には、確実に怒りが混ざっていた。仲間割れか?と小さく囁くロドスのオペレーターもいたが、彼らはそっとアーミヤに制されていた。

 

「君にはまだ他にやるべきことが残っている。そうだよね?」

 

 そうメフィストに言われ、クラウンスレイヤーは少しだけ黙った。それから、特大の舌打ちをして。

 

 

「チッ。好きにしろ。お前が惨めに負ける姿が楽しみだ」

 

「へー、言うねぇ……」

 

「撤退だ」

 

 クラウンスレイヤーは自身の部隊を連れて、撤退していく。そのことに、アーミヤもドーベルマンも首を傾げた。

 

 

「あいつ、一体何のつもりだ。……いや、警戒を緩めるな。それでも敵は我々の倍は居るぞ!」

 

 しかし、流石と言うべきか。ドーベルマンはすぐに切り替えて、警戒を緩めないように号令をだす。

 

 メフィストはその様子を気にせず、ロドスの面々のことをじぃっと見た。

 

「あれ?先生があの部隊のなかにいたって情報があったけど……誤情報?使えない奴らめ」

 

 そして、少しの咳払いを挟んでから改めて、メフィストは笑顔をつくった。

 

「やあ、君たち。クラウンスレイヤーの失礼な態度は、僕が代わって謝罪してあげるよ。僕のことは……メフィストと呼んでくれればいい」

 

 ロドスの警戒も敵意も意に介することなく、メフィストは自己紹介をする。

 ロドスは更に警戒を強め、ドーベルマンはメフィストを睨みながら、問う。

 

「お前らレユニオンの目的はなんだ?」

 

 そう問われ、メフィストはうーん、と悩む素振りを見せた。その悩む仕草にアーミヤは何か既視感を覚えたが、考えている場合ではないと後回しにした。

 

「いまの君たちに関わるのに、レユニオンには目的なんかないよ。本当は君たちなんか逃がしてしまっても構わないんだ。まだ計画は始まったばかりだからね。少なくとも、君たちもまだ僕らのターゲットになってないし」

 

「私たちが目的じゃないなら、どうして……」

 

 どうして私たちを邪魔するのですか、とでもいいたかったのだろう。だが、アーミヤが言い切る前にメフィストは言葉を続けた。

 

「でも、君たちの戦い方には興味がある。君たちの作戦も、人員配置も、僕たちにとってはとても……そうだね、おもしろい」

 

「……面白い?戦場での殺し合いが……面白いとでもいうの?」

 

 医療オペレーターが、信じられないものを見たような声色で言うのを、メフィストは完全に無視していく。

 

 

「ロドス……君たちの資料には目を通させてもらったよ。どうやら、普通の製薬会社ではなさそうだね?それで、君たちを簡単にここから逃がしてしまうのも……まあ、つまらないだろ?」

 

「……何が言いたいのですか」

 

 アーミヤの言葉に、メフィストは「やっと話を聞く気になってくれた!」とでも思ったのだろう、ぱあっとした笑顔になってから頷いた。

 

 

「君たちとゲームをするってのも悪くないと思ってね!」

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