さーてAceのおいちゃんをどうやって生存させましょうかね……
孤島
それは再会か、災害か、それとも─────
「空がさらに暗くなってきているように感じます。気のせいでしょうか……」
どんよりと沈むような、まるで何度も多くの色の絵の具を洗った水入れのような色の空。
天災がすぐそこまで迫っていることを、強く訴えていた。
「気のせいなら嬉しいけど、そういう訳には行かないみたいだよ」
「ああ。どちらにせよ、我々に残された時間は多くない。あの天災雲は先程より暗く、重くなってきているように見える」
天災の予兆として現れる、天災雲。ある意味地震雲とかそんな類なのかもしれないが、あの雲が現れると間違いなく天災が巻き起こる。
そういえば、僕たちが巻き込まれたあの天災は、予兆とかなかったような……いや、今考える事じゃないな。
「それに……クソッ、少しづつそれらしい形に変化しつつある。正直いって悪い兆しだ」
「そうだね。その上、この先の
「氾濫……言い得て妙だな。レユニオンの連中は、すでに街中に溢れかえっているからな」
そして、偵察から帰ってきたオペレーターの報告に、ため息をつく。
街中のあらゆる場所で、破壊と強盗を繰り返しているそうだ。間違いなく、潜伏とかいうレベルではない。交通機関や店は……絶望だろうな。
「レユニオンにとっては、こんな天気こそが絶好のピクニック日和のようですね!」
「……クッ」
医療オペレーターがそう言ったのに、思わず吹き出しかけて変な声が出た。危ない、噎せるとこだった。
「なに?こんな状況でピクニックなんてしようものなら天災に蹂躙されるだろうに……なるほど連中はそんなことも分からない無知で野蛮な連中ということか」
約1名、冗談を真に受けている人物がいる。その様子に、医療オペレーターはわたわたとしている。
わかるよ、すべった感じになっちゃうと焦るよね。わかるよ。
とりあえず、二アールの反応にアーミヤが吹き出して、ドクターが微妙に肩を震わせているのからは目を逸らそう。
「い、いえっ……本当に彼らがピクニック日和と考えているかは……その、少し皮肉を言ってみただけですから、別に本心でそう思っているわけではなくッッ」
と、医療オペレーターがあわてて解説を入れる。すると、二アールは大真面目な顔で考え込んだ。
「敵の分析ではなく、冗談ということか?ふむ……すまない。私はいつもこんな調子だ……」
若干しょんぼりとした様子の二アール。ちょっと珍しいというか、普段のカッコイイ『耀騎士』のイメージとは反対にちょっと可愛い印象になる。ギャップ萌えと言うやつだろうか、これ。
「いえいえ……だ、大丈夫です……ご、ごめんなさい、こんな時に私………」
やらかしてしまったと思ったのだろう、医療オペレーターは落ち込んでしまった。
その様子に、アーミヤが慰めをかける。
「気にしないでください、私も思わず吹き出してしまいましたから。私たちは皆さんの泣き顔を見るためにロドスを立ち上げたわけじゃありませんから」
にこり、とアーミヤは医療オペレーターへと優しく笑いかける。
「ロドスでは、皆さんが笑っていられるのが一番です」
「ア、アーミヤさん……」
「ええ、大丈夫ですよ!」
戦場の中で、空気が和んだ。張り詰めすぎた空気は、ときに危ない。だから、医療オペレーターの行動は悪くなかったのだ、と思う。
……未だにドクターが肩を震わせているのは見なかったことにしよう。沸点が低くない?
「さて、では私の部隊は威力偵察でロドスに貢献するとしよう」
気を取り直して、とドーベルマンが言った。その表情は少しだけ和らいでいた。
「四時方向の敵は我々の小隊が音を立てないように速やかに始末しておく」
「なら、逆側の拠点付近に居座った奴らは、私たちに任せてくれ」
Aceさんが言えば、Aceさんの隊の面々も頷く。これは、僕も動くべきだろう。
「じゃあ、僕は周囲全体の索敵をしてくるよ。遊撃部隊ってやつかな?1人だけど」
確認をとれば、ドーベルマンが頷く。よし、OKサインだ。
「任せた。では、各員行動開始だ!」