普段よりも荒ぶりを帯びた鈴の音が、MARVEL・AGRIの門戸が開いた事を告げる。魔術師然とした黒い衣服を来た黒メッシュの金髪女性店主が顔を向けると三人の来店者。先頭は常連客の占い師の娘で顔見知りであった。
「山本秋江いう女に呼ばれてんねんけど、店長さん知っとる?」
その彼女、依瑠光の形相はただならぬ怒気を帯びている。店主は臆することもなく、普段どおりの態度で彼女の問いかけに応える。
「ええ。でも、扉はゆっくり開けてくださいね依瑠光ちゃん」
「次気ぃつける。奥、邪魔するで」
明らかに頭に血が上っている依瑠光は店主の注意を飲み込まずに、ドスドスと床を踏み鳴らしながら店内最奥の扉を叩くようにして開いた。
店の裏方に入って真っ先に視界に入り込んできたのは、こちらを背にして座っている華奢な背中。そこから垂れる黒く長い尾のような縛った後ろ髪。
「呑気に座っとんちゃうぞチビィ!」
依瑠光の怒鳴りに対し悠々と立ち上がり振り向いた禍根の主、山本秋江は依瑠光に胸ぐらを掴まれ、そして顔色一つ変えずに腕を掴み返す。だが投擲種目の選手である依瑠光の腕に歯が立つわけもない。
秋江にとっては危機的な状況、にも関わらず彼女はほくそ笑んで見せた。
「予想より早いな」
当然、依瑠光は激昂した。煮えたぎる血液の赴くままに放たれた平手打ちは、秋江の顔面にブレなくぶつかった。
床に転がり顔面を抑えた秋江を、再度胸ぐらをつかむようにして無理やり起こす。先ほどまで秋江が身に付けていた眼鏡は依瑠光の足元に転がり、秋江の顔面には鼻血が滴っている。
それを見ても、依瑠光は彼女に哀れみなど感じなかった。
「あの写真なんや。はよ言えや」
先程は平手だった右手は今は拳に変わっている。この数秒の突発的な爆発に後ろで絶句していたみゆきとメグは、それを察して二人がかりで抑えにかかる。
「ルミルミ! ちょいやりすぎや!」
「あなたのパンチはダメよ! 死なせてしまうから!」
彼女がそれほどまでに怒る理由。それがみゆきのスマホに送られてきた三枚の写真だった。
「ウチの、ウチらのあないな写真隠し撮って何するつもりじゃ、殺したるカスぅ!」
それは三人が色欲を一人で慰める時間、少女達の秘密中の秘密が収められたスキャンダル写真。
丁寧に三者三様に用意されたそのような物が世間に出回ってしまっては学生生活はおろか、この先の人生にも響く可能性は大いにある。依瑠光の怒りは当然のものであり、メグとみゆきも依瑠光と同じく強烈な憤りと羞恥を感じていた。
だが、依瑠光の口より手が先に出る性格により、二人は幾分かの冷静さを取り戻していた。その二人に組み付かれて落ち着きを分けて貰ったのか、依瑠光は秋江の胸ぐらを離す。
そうして解放された秋江は鼻血を手首で拭うと、腫れてきた頬を抑えながら三人に言った。
「これ、はっ! お前達の、問題、だっ……痛ぁ」
それを聞いて依瑠光の熱は再上昇。メグとみゆきは再度必死に取り押さえる。
「おどれが作った問題やろがボケェ! もっぺんどついたらなあかんかぁ!?」
身勝手極まりない秋江の態度に煮えたぎり続ける依瑠光の怒号はけたたましく、部屋の外にも漏れいている。休憩所兼事務所の今の部屋と直接階段で繋がっている二階の倉庫にもそれは届いており、騒ぎを察知してどたどたと数名の少女が降りてきた。
「ちょっと、会長! また面倒事ですか!」
一人は白髪赤目の恰幅のいい少女の鍋塚出汁子。秋江が起こしたと容易に想像できるその状況に、呆れたような焦っているような顔でツインテールを揺らして秋江の元に駆け寄りハンカチを差し出した。それを秋江は遠慮もなく流れてくる鼻血をせき止めるために押し当てる。
「何々、どうしたの!?」
「レイナ、ほっとこ。どうせあのメガネが悪い」
金髪のしなやかなポニーテールを揺らす、スポーティな従業員のレイナ。緑髪の大人びたオーラを醸すパンクな幼女キリも従業員だ。荷出しの作業をしていたところに物音を聞きつけてこの二人もやってきた。
そしてもう一人。
「……!」
その姿を見た依瑠光の血相はみるみる引いていく。彼女を取り押さえていた二人も、制止に力みがいらなくなった事で気がつく。
「ホンマに、おる」
「みゆきちや」
見知った顔。眼鏡をかけていようが見まごうことのない友の顔。そしてみゆきにとっては自分と同じ顔。目線の高さまで違わず、意識する事もなく目があった。
「あなたがみゆきちゃん、なんだね」
「こんにちは。もう一人の私」
二人は合わせた目に気まずさを感じることはなかった。そして依瑠光やメグより驚くこともなかった。そんな二人の空気が爆発的なまでに火照った空気を冷め、静けさがその場を支配した。
向かい合った二卓の長机を囲い、七名の人物が狭ぜまと座っている。店内とは違って、ロッカーや書類棚、掃除用具や業務用のデスクトップパソコンなどがあるただの事務所の中、ピリつく空気を放っているのもその七名だ。
そのうち一人は先程まで輪にいなかったMARVEL・AGLIの店主、レイナとキリと代わるようにして話を聞きに来たアグリである。素性不明年齢不明本名不明、サブカル雑貨屋の店主こそ天職であると言わんばかりの胡散臭さを放っている。
「ていうか店主さんなんでおんねん。仕事ほったらかしてええん?」
メグが両手で頬杖をついた姿勢のままでツッコミを入れる。アグリは苛つくこともなく笑みを浮かべてサラリと返す。
「レイナとキリに任せました。面白そうだから見とこうかと思いまして。それに、また暴れられてはたまりませんから」
「や、その、ごめんな店主さん。またオカンと一緒にいっぱい買いモンしに来るから!」
本当に申し訳ないという様子を、両手を合わせながら頭を下げる仕草で見せる依瑠光。アグリはそんな彼女に恍惚の表情を垣間見せた。彼女は思春期の年頃が困る様を見るのが趣味なのだ。
隣りにいる秋江はアグリの趣味のことを身をもって知っている。故に、鼻で笑って悪態をつく。
「悪趣味な」
「あら、秋江ちゃんも大概キツいのを持っていると思いますよ。だって、その左む――」
すかさずアグリを肘で小突き口を塞がせる秋江はさらに半目で睨む。それを面白がるようにアグリは口元に手を当てて笑みを含んでいるポーズを取った。
「仲良くする必要ないけれど、話し合いするんだったら落ち着きましょうよ皆さん」
それぞれが重い空気を纏いヒリつく緊張状態にうんざりという顔で、出汁子は机に盛られたお茶菓子を同じく並べられた紅茶と一緒に食べている。ふわふわのスフレでストレスを誤魔化すがごとくである。
そして、この話し合いの中心人物。永野みゆきと永野みゆきは中心で向かい合う様にして座っている。まだ言葉を交わさず、二人して黙っていた。
「…………」
みゆきが見つめているもう一人のみゆきは目を逸らして緊張の素振りを見せている。先に口を開いたのは見つめる方のみゆきだ。
「えっと、その」
「ひゃ、ひゃい?」
挙動不審になっている自分の生き写しを客観的に見ていると、みゆきは妙に冷静になれた。普段の自分を見ている気持ちにもなりつつ、おずおずと視線を合わせる相手に普段出さない優しい声色で寄り添う。
「ずっと『もう一人の私』なんて言うのも不便でしょう。名前、あるなら教えて貰えると助かるわ」
「あ、うん。わ、私はルーナ、だよ」
ルーナの名前を聞いてみゆきは頷き、そのまま視線はルーナの顔から数十センチほど下に行った。数拍ほど動きを止め、再度口を開く。
「ルーナ。その、はじめましてで悪いんだけれど……」
「な、なに?」
「あなたのその胸、サイズいくつなの?」
その質問と同時、誰もがみゆきの方を向いた。その視線がみゆきの心臓の落ち着きを無くし、爆裂な加速で拍動し始めた。
「いや、ほら、だって! わ、私より遥かに、しかもここにいる誰よりも、しかも私のママよりも大きいって! きき、気になるでしょう!」
必死の弁明が依瑠光とメグの頭を抱えさせる。垣間見えるみゆきの摩訶不思議な思考回路は普通の常識では推し量れない部分が多分にある。実は色欲と好奇心が常識離れしている事に起因しているということは、二人も察しているところである。
「そらみゆきはそーかもしれんけど、聞く空気ぃ?」
「みゆきちほんまムッツリ〜」
その騒ぎの中、存在が常識離れした彼女の上ずった声が疑問を投げかける。
「えっとね、大きさはわからんないんだけど、私のおっぱい触ったらみんな喜んでくれるんだ」
「いや、なに言うとん」
「いい、今のは彼女よ!」
「あぁ〜! 紛らわしゃあ!」
ルーナの声はもちろんみゆきの声と同じである。混迷は深まり、依瑠光は更に頭を抱えざるを得ない。
「無邪気かるなきち」
「るなきち? 私はルーナだよ?」
誰にでもあだ名を付けて呼ぶメグだが、ルーナには名前を間違えられていると捉えている様子。
そんな和やかなやりとりに、大きな打撃音が割り込む。
「これだからお喋りどもは。話を戻せお前達」
机を叩いた音で意識を修正させるのは秋江だ。そのどこか取り仕切るような振る舞いに、依瑠光とメグは納得がいかない。
「えらそーに」
「机叩きたいんはウチらの方じゃボケ」
「お前は私の顔を叩いたろう。手段は選んでいられないほど深刻な事態なのだ」
「あ?」
「カードが集まりきれば、お前たちも先週中に引き込むつもりだったのだがな」
依瑠光の威圧も意に介さず、秋江は彼女のまっすぐ目を見据えて言い返す。
「ルーナと永野の様に、お前たちのクローンも存在する」
「……は?」
ルーナの存在だけでもまだ飲み込みきれていない中の秋江の発言に、依瑠光の表情は困惑の色を濃くさせる。
「証拠ならある」
秋江が差し出したのは分厚い一冊の冊子。持ち出し厳禁とマジックで書かれたのみで、紙そのままの白の表紙。何度もめくられた跡や手垢の汚れ、ボールペンでメモが記された付箋が貼られているなど、経年の形跡が見られる。唯一背表紙に刻まれた文字をみゆきが声を震わせて呟いた。
「複写人材販売カタログ」
みゆきはその本を手に取った。衝動的にその手がページをめくる。その中身はクローンの人身売買カタログであった。
冊子の前半には男性、後半には女性と分けられていて、女性のページが七割を占めている。見開きで商品見本として裸体や部位の写真とともに、細やかなスペック表記が記載されている。横から覗く依瑠光やメグが酷い表情で赤面する様な、規制の入っていない赤裸々な情報だ。
そして、みゆきと同じ姿をした女性の姿が写っているページに辿り着く。ルーナとは違い、完全にみゆきと同じ姿かたちをした写真だ。部位の写真にもみゆきは見覚えがありすぎるほどで、絶句している。
「……遺伝子操作のお手の物。カスタマイズオプションってそういうことね」
紙面の項目とルーナの恵まれすぎる程の体を見比べ、察する点が一つ増えたと表情を険しくするみゆきは更にページをめくる。次には依瑠光の、その次にはメグのページもあった。三人のページ全てに、新商品であると示すNEWというアイコンが目立って置かれている。
二人の顔は青ざめていく。メグはこみ上げる吐き気を必死に飲み込もうと、口元を抑えて顔色を悪くしている。依瑠光は先程までの勢いをすべて失い意気消沈という様子。みゆきだけが無言でページをめくり続ける。
「キモいキモいキモい」
「……タチ悪。なんじゃコレ」
ページをめくると知った顔が次々と。同級生、部活の先輩、有名なOB。父親や母親まで掲載されている。もちろんとばかりにその中には秋江のページもあった。
「山本さんも、巻き込まれている側」
「このカタログに掲載されているのは、私達の通う有智学園の生徒とその関係者のクローン中心だ。今年の新入生はまだ反映されていないのか、出汁子のものは無いようだがな」
「けれど、最後のページに一人私の同級生がいるんです」
出汁子の言葉に促され、みゆきは飛ばし飛ばしで最後のページに辿り着く。
「モデルカノンとモデルパッヘルとあるだろう。カノンの方はお前たちの知っている九音栄翔、そしてこのパッヘルの方がルーナと一緒について来ている」
「キューちゃんも、とか。マジキショ……ぅぶ」
「メグ、あんま無理すな」
九音栄翔は今年の入学生であり、メグが部長を務める軽音楽部の一員である。新入生は掲載されていないはずなのに、彼だけが何故か掲載されている。
「この二人で一組に売られている点、最後のページで見開き六ページで紹介されている点、ヤツは特例の可能性が高いだろう」
秋江は自分なりに考えた結論を述べ、同時にみゆきはあらかた中身を確認できたとカタログを閉じる。眉間に皺を寄せて無地の表紙を見つめている。ざわめいていたはずのみゆきの心は妙に静まり、しかしゆっくりと温度を上げていく。
沈黙が合図となって、秋江はみゆきら三人に改めて突きつける。
「世間に知れるの絶対に避けたい事案のはず。故に私達は狙われる立場にある」
「ケーサツに頼めばエエやんか。アホなん?」
「一番相談できない。闇社会の組織というものは、大きくなればなるほど治安維持機関にも深く根を張らせているものだ」
言い返すメグの言葉にも理由をつけて跳ね除ける。秋江の声に焦りがわずかに滲んでいると気づいたのは出汁子だ。
「回りくどいしあくどいし、面倒くさいですよね会長って」
「普通の手段で私が人を集められると思うのか?」
「まあそうですね」
馬鹿にされるような言葉の数々に向き合うだけで胸焼けを起こしそうになる。当然に舌打ちが出る依瑠光。
「どうせーっちゅうねん。乗り込んで自分らでどうにかするっちゅうんやないやろな?」
「そうだ。場所を探すにも、潰す戦力を作るにも、兎にも角にも人手がいる」
「しかもまだ何もできとらんのかい。話にならんわ」
苛立ちのまま依瑠光は立ち上がり、みゆきの後ろを横切ってメグの方に行く。メグもそれに合わせて立ち上がり、スマートフォンを起動させた。
「ドーラさんは?」
「もうすぐそこ。エーミンも連れてくるって」
この場に来る途中、メグは駐留軍のドーラにメッセージを送っていた。自身が事件に巻き込まれ、そのために今日は会いに行けないことを伝えた。事件解決の仲介人として自身も駆けつけると返信が来たのはちょうどこのテーブルを囲む直前のことであった。
メグは秋江にアドマイン語で送られたメッセージを見せ、勝ち誇るようにスマホを揺らした。
「アッキー、ざんね~ん」
「駐留軍の広告塔……ドーラ・ウェッジショットが、お前たちと?」
秋江もドーラのことは知っていた。だが、露骨に嫌な顔を見せた。メグと依瑠光に駐留軍のエースとの繋がりがあることに対しての嫌悪だった。
そこに嬉々とした反応を見せたのはアグリだ。ニヤけづらを隠そうともしないあたり、秋江の困る顔に愉悦を感じているのは明らかである。
「あらら。あなた達そんなすごい人とお友達だなんて、人脈あるのね~。秋江ちゃんは御破算ね~」
秋江は舌打ちで返す。その反応にメグも鼻を鳴らし、秋江に顔を寄せて勝ち誇る悪い笑みをぶつけた。
「アッキーみたいなアカンヤツに絡まれたら頼りになる人や。脅迫に使った写真もドーラちゃんとエーミン立ち会いで消してもらうで」
「ウチらは何も聞かんかった。アンタらは写真を消してウチらを脅迫する方法もなくなる。それでしまいや」
依瑠光は凄みをつけて秋江を睨んだ。メグもみゆきの肩に手をおいて、変えることを促す。
「待って」
そして、彼女ははっきりと声を出した。
「みゆきち?」
自身の言葉に戸惑う二人の視線に、まっすぐ向き合い続けた。
「……ごめんなさい。私は山本さんを手伝う」
二人は目を見開き、眉をひそめた。ここまでの自分たちの話の流れなら、みゆきも乗ってくれるものだと思っていた。
「何言うて……」
「許してはいけないわ、こんな事」
メグは声を張ってみゆきの気持ちをこちらに引き戻そうとするが、スカイガードでもその片鱗を見せていたみゆきの怒気に言葉が引っ込んでしまう。
みゆきは捲し立てるように言葉を連ねていく。彼女の内側にある怒りをそのまま吐き出す様に。
「私は部活で遺伝学を研究している。この事態の重大さがどうしても許せない。こんな命を踏みにじるような……ここまで高い技術を擁していながら、クローンをただの奴隷としか見ていないその組織が許せない。クローンとは共存していくべきなのに、こんな……」
うつむき気味に発せられるその迫力に、二人は言い返せない。みゆきの怒りを片鱗ではなく直に感じて、さらには自分たちへの怒りでは無い事もあり、言い返せない。
姦しい怒声から一転し、沈黙がこの場を支配する中。みゆきは熱のこもった鋭い視線をルーナに向けた。
「え、え?」
そして、戸惑う彼女に手を差し出し、宣言した。
「ルーナ、協力させて欲しい。どれだけ力になれるかはわからないけれど」
「う、うん。うん、みゆきちゃん……!」
ルーナはその手を取った。戸惑いながらも喜び、みゆきの凄みに怯えながらも安堵を感じた。この人なら大丈夫だろうと、そう感じさせられた。依瑠光とメグは唖然とした顔で、その様子をただ黙って見ていた。
その数秒後。扉の向こう、店先で喧騒が聞こえる。
メグはスマホを確認する。
「ドーラさん来たって?」
「いや、まだや」
ドーラからの到着の連絡はメグのスマートフォンに入っていない。
「今度は何やらかしたんですか、会長」
「私は知らん。迷惑者の客……いや、まて」
秋江の頬に冷や汗が流れる。何かを思い出したかのように立ち上がり、彼女は事務所のロッカーの方に駆け出した。
「くそっ、ありえる!」
間もなくドアが蹴破られる。その衝撃音とともに一同が向けた目線の中に、片耳にインカムをつけた、白いYシャツの背の低い青髪の男が立っていた。
「……デールの!」
アグリが余裕の表情を緊張へと変貌させた瞬間、男は立ち上がろうとしているみゆきに右拳を突きつけた。
「エシカウニヘツヒタウシ。ホナタウニメケソシネウカカハンノヒセニヘヘニアソナタチリ」
判別不能の言語を男が発すると同時に、みゆきの左胸と左手と下腹部が、引きちぎられ弾け飛ぶ音を鳴らした。