精霊使いの剣舞 アフター   作:真藤陽人

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 レスティアとのイチャイチャもいいけどチームスカーレットも良いよね(メンバーの中なら私はフィアナ推しです)

あのお方も登場・・・まぁすぐわかるんですが

そして今回、めちゃくちゃ長いです



魔王生誕祭 祝い事はみんなで一緒

 

 「突然だが明後日、カミトの誕生日会を開催する」

 

 

 そんな事を言いきるのが誰なのか、そして何故そんなことになっているのか・・・それは

  遡ること数分前

 

 

 

 その日チーム スカーレットの殆どの面々は学院長室に呼び出されていた

 

 現役を引退し、聖王の力もない黄昏の魔女だったがその伝説は健在・・所か益々恐れられ

  ていた

 

 そしてある程度の交流があるとはいえカミト経由でしか話す事のないグレイワースにさし

  もの面々も戦々恐々としていた

 

 が、勿論そんな感情など知った事じゃないグレイワース

 

 

 「いきなり呼び出してすまなかったな」

 

 「い、いえ学院長に謝って頂くようなことでは・・」

 

 騎士団長としてそれなりに話慣れているエリスがそう話す

 

 「それで学院長、わたくし達をお呼びになった理由というのは? それにカミトさんがい

   ませんけれど」

 

 「あぁ、今から話す事は坊やには絶対にバレてはいけない、何があっても隠し通すべき

   話だと意識してくれ」

 

 「っっ⁉ 学院長がそこまで言うだなんて、一体どんな・・・」

 

 「闇の精霊王について、じゃないわよね・・それじゃあ一体」

 

 一様に考え始め、気を引き締めた段階でグレイワースは言い放った

 

 

 

 時間は戻って現在

 

 

 「あの学院長、カミトの誕生日は明後日なのですか?」

 

 未だ1年と経たない関係だったが全員ともにカミトとは深い中だと自負している

 

 だが今の今までカミトから誕生日に関する話は出てこなかった

 

 

 「当然だ、お前たちも坊やが何処で育ったのかは知っているだろう?」

 

 「・・・そう、でしたわね」

 

 教導院、暗殺者を育て上げ魔王誕生を目論んだ組織

 

 

 「あそこはこの世の地獄そのものだ、そんな場所で祝い事などない」

 

 

 カミトが本当に魔王として覚醒していればそれが魔王誕生の日となっていただろうが、

  それよりも早く滅んだ

 

 「では殊更・・・もしや学院長がカミトを育てている時にお考えになったのですか?」

 

 「いや、今朝目覚めた時にふと思っただけだ」

 

 「「「「・・・・」」」」

 

 あんまりな言い分に全員呆然とする

 

 「坊やを育てていた頃の私は確かに情が移っていたのだがな、あまりそういった事には

   考えが向かなかったのだ」

 

 「そ、そうだったんですね・・・あれ、でもあの闇精霊ならやってないかしら?」

 

 「そうね彼女、カミト君には甘いからやっていても不思議はないわ」

 

 「いや恐らく無い、私は坊やや闇精霊と生活していたがそんなそぶりは無かった」

 

 「そうなんですの・・・意外ですわね」

 

 「あぁ、恐らくは自分の願いでどうなるか分からなかったから先を見ないようにしてい

   たのだろうな」

 

 犬猿の仲だがだからこそお互いの事をよく知っている2人だった

 

 

 「私や闇精霊だけではだめだった・・が、今ならお前たちも居る」

 

 

 「「「「っっ⁉」」」」

 

 黄昏の魔女からの予想外な期待に声にならない声を上げる面々

 

 

 「さてここからは計画だリンスレットとエリスは料理、クレア・ルージュと第二王女は

飾りつけを私は会場と金を出す」

 

 思い付きという割にはしっかりとしたプランであり、改めて気を引き締める

 

 「闇精霊と剣精霊は坊やと繋がっている、闇精霊はともかく剣精霊の方は滅多に離れ無

   い上に私が連れ出すのも不自然なのでな、今回はお前たちだけでやって貰う」

 

 「分かりました、では私達は早速材料を買いに行ってまいります」

 

 「じゃあ私達はどんな飾りつけをするか考えないとね、カミト君が世転んでくれるよう

   に頑張るわよ♪」

 

 そうして黄昏の魔女主導の作戦名「魔王生誕祭」は始動した

 

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 それから時間と場所は変わって学院下の町の中

 

 二人の少女が話をしていた

 

 「とは言っても何を作る?」

 

 「そうですね、確かカミトさんの好物はグラタンと仰っていましたからこれは決まりで

  すわ」

 

 「そうなのか、確かにパーティーメニューとしても良いな」

 

 「後はやはりオトーフ、ですわね」

 

 「カミトの故郷の料理か、ではそれは決まりとして他はどうする? 王道なもので攻め

   るか?」

 

 「ですね、せっかくのパーティーですから奇をてらった者より安定したものですわ」

 

 「出費は学院長が出してくれるとの事だが・・・恐ろしいな」

 

 「・・・ですわね」

 

 グレイワースが料理つくりをする二人に渡したお金はこの二人をして少し引くレベルの

  額だった

 

 片や帝国軍筆頭ともいえるファーレンガルド家、片や地方とはいえ名門ローレンスロッ

  ト辺境伯家

 

 だが「黄昏の魔女」等と恐れられてる彼女は別格だった

 

 「気兼ねなく使え、足りなければ幾らでも出す・・と言われましたけれどこれで足りな

   くなるのでしょうか?」

 

 「無理だろう・・・だが流石はランバール戦争を勝ち抜き、帝国最強のナンバーズ1位

   だっただけはある」

 

 帝国に生きる精霊使いにとって憧れともいえるナンバーズ、給金は相当な物だ

 

 

 「無駄遣いは行けませんけれどここまでお膳立てされてはこの氷魔のリンスレット、学

   院長のご期待に応えて見せますわ」

 

 「そうだな、機体には答えなければならない」

 

 「では行きましょう、実際に見て良し悪しを判断しなければ」

 

 

 そう言って二人は歩き出す、期待に応える為に

 

 

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 所変わってグレイワース邸

 

 飾りつけを支持されたクレアとフィアナが、そこにいた

 

 

 「パーティーはこの部屋で行う、普段は使わない部屋だから好きに使え」

 

 そう言ってこの邸宅の主は自分の仕事に戻っていった

 

 

 「学院長はあんなこと言ってたけど・・・クレア」

 

 「ええ、まさか本当にこんな小さな家だったなんて」

 

 

 

 グレイワース邸は一般的な貴族家と同じ規模、小さい訳が無いのだが帝国で名を馳せる

  黄昏の魔女の屋敷としては些か以上に規模が小さい

 

 「カミトが暗殺者がやってくるから人を雇えない、って言ってたからこれくらいなのか

   しら?」

 

 「そう、ね・・・確かに毎日の様に暗殺者がやってくる家で働ける使用人は少ないで

   しょうから」

 

 それこそ教導院育ちであるカミトでもなければ

 

 「無駄話はそれくらいにして飾りつけを始めましょう、トラブルが起こるかもしれない

   し」

 

 「不穏な事言わないでよね・・・」

 

 

 

 それから飾りつけをしていると暗殺者が現れたのだがそこは成長した二人、無傷で捕ら

  えて引導を渡した

 

 

 「カミト君、喜んでくれるといいわね」

 

 「そう、ね・・・でもどんな顔するのかしら?」

 

 「それは私も分からないけど・・ふふ、今から楽しみね」

 

 なんて雑談しつつ飾りつけは進んで行き、色合いはほんの少し白と黒を目立つようにし

  てあった

 

 「むぅ、やっぱり納得いかないわ」

 

 「仕方ないでしょ、カミトくんはあの二人を特別大事にしているのだから」

 

 エストとレスティア、クレア達と同じかそれ以上にカミトから大事にされている二人

 

 「そんなに気になるんだったらもっと甘えても良いんじゃないかしら?」

 

 「あ、あんたみたいに出来る訳ないでしょ・・・バカ」

 

 闇の儀式を行ってからフィアナはカミトに甘えることが多くなり、それがクレア達には

  羨ましかったりする

 

 「私はカミト君が好きよ、それはクレアも同じでしょ? あんなことしちゃったんだし

   もう沢山甘えても良いじゃない♪」

 

 「そ、そんな事より飾りつけするわよ・・・」

 

 「もぅ、そんなんじゃ構って貰えなくなるわよ?」

 

 「余計なお世話よ‼」

 

 カミトに甘え、クレアをからかうフィアナは一番楽しんでいるのかもしれない

 

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 そうしてその日はやって来た

 

 

 「たく、いきなり家に来いなんて何考えてるんだ」

 

 愚痴を零しつつもグレイワース邸に向けて歩き続けるカミト

 

 「あの魔女の事だから厄介ごとかしらね?」

 

 「・・・帰ったらダメか?」

 

 「私としてはそうしてもいいけれど・・・いいの、本当に?」

 

 「・・・言ってみただけだ」

 

 あの黄昏の魔女の呼び出しを無視する、彼女の事をよく知るカミトだからこそその恐ろ

  しさは身に染みて理解していた

 

 「カミト、私はお腹がすきました」

 

 「そういえば何も食べて無かったな・・・仕方ない、グレイワースの所で何か作るか」

 

 「私はオトーフを所望します」

 

 「それはリンスレットに頼んでくれ・・・」

 

 「剣精霊さんは本当にオトーフが好きね、私も彼女の作るお菓子は美味しかったけど」

 

 エストだけでなくレスティアまで餌付けに成功するリンスレットおそるべし、と脳内で

  思うカミト

 

 

 そしてやってきたグレイワース邸

 

 久しぶりではあったが気にせずドアを開けたカミト・・・するとそこは

 

 

 「「「「カミト(さん、君)、お誕生日おめでとう‼」」」」

 

 満面の笑みで祝福する少女たちの姿があったのだった

 

 

 

                                 おしまい





 ・・・疲れた

 本当は前後編に別けるつもりだったんですがたまには長い話も作りたかったので作りました

本編後の話なのでミュアやルビア、ミラも出せたんですがキャラが多すぎてパンクするので無理でしたごめんなさいm(__)m

次回、では無いんですがとカミトの話も作りたいです(レイハがレンアッシュベルに憧れている様な描写があるのでレスティアだけの剣舞とかをみせる、みたいな)

完全に思い付きでやっているので気長にお待ちください

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