ドイツではビールとソーセージのイメージだけど、実はドイツ人も普通にワインは飲む…で、その時のツマミとして選ぶのはやっぱりチーズなんだとか。
「思ったより種類有るなぁ…」
ソーセージを適当に買い込み、チーズを見に来たのは良いけど…意外に種類が有ったので悩む…う~ん…
「良いや、全部買っちゃお。」
ドイツの人もあくまでワインならチーズってだけで、特に種類に拘り無いって話だし…別に良いよね。
……ちなみに、それなりの額は取られた…まぁ、せっかくの高級シャンパンの当てだし、良いかな…
「…で、こんなに大量に買って来たと…酒の方が先に無くなるぞ…?」
「ご飯代わりだし良くない?それに、ビールだって買って来たしさ… 」
「……取り敢えずこの量なら昼飯は要らんな。」
「え?そう?」
「お前の胃袋を基準に考えるんじゃない、私は入らないぞ…」
……とまぁ、帰るなり…千冬からは色々言われたんだけどね
…で、いざグラスに注いだシャンパンの方に口を付け…っ。
「確かにコレはキツ目だな…炭酸ガス入りだからまだ飲めるが。」
「度数も高いからね、ゆっくり飲もうか…」
予想以上に強めの味に、喉の奥に刺激を感じ…且つ飲んだ瞬間に少しクラっと来る…その癖、炭酸のお陰である程度飲み易さも感じてしまう…駄目だね、コレは油断すると私もすぐベロベロになりそう…
「おい、そろそろやめるぞ…」
「うん… 」
思いの外、私は今辛い…こんなにキツくなるとは…
「余った分は…」
「栓して冷蔵庫に入れとけば良いだろ…」
「でも、多分明日は飲む暇無いけど…」
「……■●さんは酒飲めるんだったか?」
「さぁ?」
「さぁってお前…一緒に酒飲んだ事くらい無いのか…?」
「無いね…てか、普段表情筋死んでる様な人だよ?万が一酔っ払ったら…凄いハイテンションになるか、更に無表情になるかのどっちかって気がしない?」
「……まぁ、確かに…私もどっちのパターンになっても非常に不気味だとは思うが…」
「うん、だから素直に一緒に飲むの嫌でさ…」
まぁ、千冬や私の様に眠ってしまうならまだ楽では有るけど…絡まれたらシャレにならない…
「■●さんが無理でも、開けてしまった以上飲むしかないだろ…そのまま空港行くと面倒そうだしな…」
「いや、それだと今残したら普通に明日しか飲めないよね…?二人して酔っ払った状態で大会出るの…?」
すぐにアルコール抜けなかったら大変な事になる…いや、まぁ…二人だけで今夜飲み干しても良いけど、翌日アルコール抜けてるかどうか…
「お前酒入れるとテンション上がる方だろ。」
「まぁ、否定はしないけどさ…」
酔っ払った勢いで、世界最強の親友からその座を奪い取ると宣言しちゃったくらいだしね…
「ま、仕方無いか……ふぅ…ところでお土産買いに行くの?」
「何か問題有るか?」
「いや、思ったよりキツいんだけど…」
ちょっと出掛けるの嫌だなぁ…
「グダグダ文句言っても仕方無いだろ…明日は時間無いんだから…」
「ハァ… 」
ゆっくり立ち上がる…う~ん…歩けない程には酔ってなさそうだね…さてと、取り敢えずシャンパンを冷蔵庫に…
「あれ?」
「どうした?」
「いや、容器の中に何が入ってる…カード?」
と言うか、ここまで徹底して隠すの何なの?わざわざ防水のメッセージカード使うって…え~と…英語か…なになに…
"I look forward to tomorrow's match!"
「……」
明日の試合を楽しみにしています、とでも訳すのが正解なのかな…?じゃあこのシャンパンは千冬に……ん?
「どうした?」
「千冬、前回の大会でリターンマッチ仕掛けて来る様な人に心当たりなんて有る?」
「……そもそも前回の出場者の多くが出場してない筈だがな…」
と言うか、部屋分かるのも可笑しいけど…泊まってるホテル当てるのから既に厳しい様な…となると…
「取り敢えずそのカードに何か有るのか?ちょっと見せてみろ…」
千冬に促されて私はメッセージカードを渡す…
「……まぁ、どう考えても宣戦布告だな…中々洒落た真似をして来る相手の様だ…しかし、私たちは自分でホテル予約したのに何故居場所がバレてるんだ…?」
「それなんだけど千冬…多分、ホテルについては偶然じゃないかな…部屋は探る方法有るだろうけど。」
宿泊客が部屋の有る階に来て、且つ…廊下ウロウロしてても特に咎められはしない…
「どう言う事だ?」
「初日の夜にね、私…選手の一人に会ってるから。」
「……そうなのか?」
「うん、思いっ切り宣戦布告されたよ…私を倒したら次に千冬、の予定みたいだね…」
「……お前な、それは舐められてないか?」
「へ?」
「お前は私に辿り着くまでの通過点扱いされてるって事だ…腹は立たないのか?」
「……そう言うのは試合で示す物でしょう?」
「おっと…お前の方が怒っていたか。」
ま、そこまで怒ってはいないけどね…
「あれから会って無いけど、彼女もここの宿泊客の筈だよ。」
「ほう。」
千冬の目がギラギラして来た。……こういう表情も好きだなぁ…
「ま、それはそれとして…取り敢えず出掛けない?」
「そうだな…さっさと行くとするか。」
まぁ、明日千冬と私のどちらか…あるいは両方が彼女と嫌でも顔を合わせる事になる…今気にする事も無いでしょ。