親友の妹に転生しました   作:三和

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「ふわぁ……眠い…」

 

ベッドから身体を起こし、欠伸をする……ベッド横の机に置かれた腕時計を確認したら午前六時を指してる…え~っと…開会式は…何時からだっけ…?さすがにまだ間に合う筈…

 

「あれ、千冬…?」

 

寝起きで頭が回ってないのも有り、取り敢えず横に居る筈の千冬に確認しようとしたら千冬が居ない…先に起きてる…?

 

「……シャワーか。」

 

水音が聞こえる……私を誘わないのは珍しく思えて…いや、そもそも元は千冬とこう言う関係性じゃなかったし…一々シャワーに誘われる様になったのはドイツに来てからだね…まぁ、お風呂なら何度も一緒に入った事は有るけど。

 

「……」

 

若干の寂しさも感じるけど、正直今日はその方がありがたい…いや、だって…もう大会なんてどうでも良くなりそうだし…

 

「私もシャワー浴びないとね…」

 

もう身体の匂いがちょっとね…何かまだベタついてるし…取り敢えず待つしかないかなぁ…まさか千冬の浴びてるこのタイミングで突入する気にはならな…

 

「いや、良いのか…」

 

正直逆の立場だったら、千冬は普通に入って来る気がする…

 

「ホント、何でこうなったのか…」

 

千冬から向けられる異常な程の独占欲…それは素直に嬉しいと感じる……まぁ、身体の負担は凄いけど…今も少し、あちこちヒリヒリズキズキと痛みを訴え掛けて来てるし…

 

「気付けって言われても、まさか千冬の方も同じ気持ちだったなんて思う訳ないじゃない…」

 

昔はともかく、昨今の日本では割と同性愛は受け入れられやすい…とは言え、それは普通自分が対象じゃない時の話…自分がそう言う気持ちを向けられてると知ったら、ほとんどの人は性別関係無く狼狽えたり…何なら嫌悪感や恐怖を感じたりするものだと思う…相手が身近な人なら特に。だって逃げ場が無くなるからね…

 

「ハァ…」

 

せっかく千冬と両想いだと分かったのに、何か悩ましい…いや、この三日間はそれどころじゃなかったけど…改めて考えると結構厄介な話なんじゃないのかな…

 

「まぁ、世間の人全員が受け入れてくれる訳じゃないしねぇ…」

 

実際、同性同士の性行為自体を法律で禁止している国は有る…千冬なんて日本以外でも割と人気らしいからバレると面倒なんじゃ…

 

「世間の反応なんて私には関係無いな、一夏とお前の家族が祝福してくれる…それだけで私には十分だ。」

 

「ひゃっ…いつから居たの…?」

 

急に耳元で千冬の声が聞こえて悲鳴を上げる…いつの間にか横に千冬が…いや、本当にいつ出たの…?全然気配を感じなかったよ…

 

「『ホント、何でこうなったのか』…の辺りからだな。」

 

「……ほとんど最初の方なんだけど。」

 

そんな前から居たなら言ってよ…

 

「いや何、本格的に深刻な悩みとかならさっさと声を掛けたがな…どうやら悩みの内容は私の事じゃないか。どうせなら、お前が私をどう思ってるか改めて聞きたいと思ってな。」

 

「…私が千冬を嫌う訳無い…でも、本当に良いの?」

 

「良いのとは?」

 

「いや、だから…私で、良いの?」

 

「嫌なら嫌だと先に言ってるな。お前からしたら強引だったかも知れないが…これでも私は良く考えた上で、お前を選んだ…他の相手は異性同性、どちらも考えられないな。」

 

「皆が皆、認めてくれる訳じゃ「さっき言ったろう?私には世間の反応なんてどうでも良い、家族が祝福してくれてる…それだけで良いんだよ」……まぁ、私の友人も祝福してくれるだろうけど。」

 

何か良く分からないけど、私の周りって理解者しか居ないんだよねぇ…

 

「と言うかだな、世間からは好意的に受け取られると思うが?」

 

「何で?」

 

「このご時世だからな、言い方は悪いがほとんどの女は皆…男に期待してないんだよ。男性を当てにしてない以上、今は異性同士のカップルがほとんど成立しないだろうな…」

 

「そんなに極端かなぁ…」

 

「そもそもお前がそれでどうする?」

 

「え?」

 

「お前から告白して来た上、相手の私が良いって言ってるのにそんな悩む必要有るのかと聞いてるんだ。」

 

「いや、だって「なら、別れるか?」え…」

 

「普通の友人関係に戻るかと聞いて「嫌!」だったら悩む事無いだろ?」

 

私は思わず…千冬の言葉を遮る様に叫んでいた…ほとんど無意識だったけどまぁ、そっか…私も結局別れたくないなら、開き直るしかないよね…

 

「ま、結論が出たなら早くシャワーでも浴びて来い。」

 

「開会式、何時からだっけ?」

 

「九時だ…ダラダラしてたら時間無くなるぞ?」

 

「分かった……入って来ないでよ?」

 

「私は今浴びて来たし、今日は時間が無いからな…邪魔はしないさ」

 

「なら良いけど…」

 

そう言われたら言われたで、何かちょっと物足りなくはなるよね…自分でも贅沢だと思うけど。

 

「そんな顔するな、私が我慢出来無くなる…」

 

……さっさと退散した方が良いかな…このままだと千冬に襲われそう…時間無いのも事実だし。

 

「行って来る。」

 

取り敢えずベッドを出て、スーツケースから適当に着替えを取り出し(まぁ、まだ出掛けないしラフな格好で良いよね…)私はバスルームに向かった。

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