「おい、バス乗らないのか?」
「言ったじゃん…確実にバス遅れてくるからね…」
「……」
「まさか…交通機関使う前提で間に合うとか言ってた?」
「……走るか。」
「それしか無いね…」
多めに払う覚悟は有ったんだけど、そう言う時に限ってタクシー全く捕まらないんだよね…ハァ…ホントにシャワー浴びた意味無いなぁ……まぁ、走る前からもう多少汗かいた後なんだけどさ…
「ハァ…ハァ…今更だけど、仮にバス乗れたとしてもどっちみち間に合わなかった気もする…」
「そもそも本当にバス使うなら始発にでも乗らないと無理だったパターンか?」
十分に有り得る…でも、日本基準の始発の時間には結局遅れて来そうな気もする…最も、その時間に外に出てたら普通に歩いてても一応間に合ったと思う…
「考え事するのは勝手だが、ペースが落ちてるぞ。」
「ハァ…ハァ…いや…何で千冬…息すら上がらないの…?」
「運動不足だな。」
「…いや、してたでしょ…最近は…」
ずっと千冬と模擬戦してたし…って、走るのとそれはまた別か…
「てか、そうだね…千冬は慣れてるよね…普段から寝坊するし…」
「背負ったり、抱き抱えて欲しいか?」
「ハァ…ハァ…何、急に…」
「喋ってる余裕は無い…そのペースだとどうやっても間に合わないから、もう私がお前を抱えた方が早いと言う話だ…」
「……もう黙って走るから勘弁して…」
人前でそれは嫌だよ…まぁ…ちょっと悩んだけど…
「いや、悪かった…」
「へっ…?」
「お前時計見てないな…?このままだと本当に間に合わん…」
「ヒェッ!?」
何で私の前走ってて、瞬時に後ろに回り込めるの…!?ヒャッ…!?
「千冬待って!人前だから、本当に待って!?」
「諦めろ。」
流れる様に横抱きにされた…
「良し、全力で走るからしっかり捕まってろよ?」
「ハァ…お手柔らかに頼むね…」
腕時計確認したら既に八時半を回ってる…確かに私のペースだともう開会式間に合わないね…諦めて千冬の首に腕を回す…
「一応私も頑張るけど、急ぎ過ぎて落とさないでよ?」
「分かってるさ。」
「……何とか間に合ったな。」
「あのさ…千冬が朝に私襲わなかったら、こんな事しなくても間に合ってたんじゃないかな…」
「だから責任は取っただろう?」
いや、確かにギリギリ間に合ったけど…この姿はもう大人としてね…
「…で、このまま中まで運んで欲しいのか?」
「え?」
「いや、着いたのに私の首から手を離そうとしないんでな…」
……あ、素で忘れてた…取り敢えず下ろして貰ってと…
「ん…ラストスパートかな…」
「ここまでお前を運んだのは私なんだがな…」
「だから…そもそも朝にヤってなかったら間に合ったでしょうに…」
まぁ…もう文句言ってる時間も惜しいし、このくらいにしておこう…やれやれ…ホントに慌ただしい…