「ちょ…!待った!待った!…このまま向こう行く気なの? 」
「私たちの関係性を隠す必要有るか?」
「千冬…自分がどれくらいの人気かは知ってるでしょ…?」
「いい加減私を崇拝したり、お門違いの感情向けて来る女共をどうにかしたくてな…」
確かにそれは分かる…分かるんだけど…
「…でも…そしたらバッシング受けるの私だよね…?」
わざわざ会場まで見に来る人たち…当然それ相応に重い気持ちを千冬に向けてる筈…
「問題無い「何で?」私がお前を守るからな。」
「……」
今、私はさっきまでとは別の意味で人に見せられない顔になってると思う…一旦その場で深呼吸…いや、こうやって揉めてる時間も本当は無いんだよね…だって残り時間がせめて何分とかならまだしも、もう秒の世界だから…
「ハァ…これ、日本に帰ったらすぐ千冬の所に行った方が良さそうだね「ん?今更逃げられると思ったのか?」いや、思って無いし逃げる気も無いけど…もう少しワンクッション欲しかったと言うか…」
もう帰ったらすぐ…生活場所を織斑家に移さないと私の身が危ないレベルになるよね…てか、最悪今の仕事も続けられるかどうか…千冬と付き合う時点で今までと同じ生活は続けられないかな、とは薄ら思ってはいたけど…こんなに早くそうなるとは…
「私の身の安全は保証するって事で良いの…?」
「当然だな「一夏君も居るんだけど?」問題無い、とは言えんがな…それでもな、何とかなると思ってるのさ…」
「何で?」
「これからはお前が居るだろう?」
「……バカ。」
まぁ、私は本当は自分の事より一夏君や私を選んだ事による千冬への影響を心配してたりするんだよね…そこら辺分かった上で千冬はこう言ってるんだろうからズルいんだよねぇ…
「あのさ…私、何か有ったら一夏君を優先するよ?」
だって…結局彼の方が心配だしね…
「ま、その方が私もありがたいな…と、具体的な話は大会が終わってからだな…」
「残り時間は?」
「後十秒…出たらそのまま飛ぶから、しっかり捕まってろよ?」
「……本当に、間違っても落とさないでよ?」
さすがに空中にいきなり放り出されたら、そこからシュナイダー起動する自信は無い…ま、彼女の場合…結局自分の判断で私を助けてくれそうな気はするけどね…
「もちろん…と、言いたいが…お前の方が力緩めてたら落ちるぞ?」
「ハァ…どうやっても友人だと誤魔化しは聞かないね…」
と言うか、こうして話しながらも走り続けてる千冬…うわ…もう出口も見えて来たよ…
「良し、ちょうど間に合うな…」
「重役出勤だねぇ…」
「ま、その分客を湧かせてやるさ…」
何か色々違う意味でヒートアップしそうだけど…
「良し、行くか?」
「いつでも良いよ。」
ハァ…ま、私も覚悟決めるしかないよね…
「一夏、二人は出て来たか?」
「いや、まだ…大丈夫かな、あの二人…」
「さぁ、な「いや、さぁって」私たちに出来るのはこうして見守る事だけだ…君は気にせず画面を見てると良い…」
「……いや、さっきから■●さんは何してるんだ?」
「気にするな…あ、そこの食べ物や飲み物は手を付けるなよ?」
「?…何で「今は何も聞かないでくれ」…分かったよ、■●さんが意地悪でそう言う事言わないのは知ってるしな…途中で買って来たお菓子と飲み物有るし、それで我慢するよ。」
「助かる…」
……一夏の目を盗み、机の下から出て来た黒い物をポケットに忍ばせる…立場的にそうなるかと思ってはいたが…まさかこうもあからさまに盗聴器を仕掛けて来るとは…さて…
「……」
モニターを注視する一夏の気を引かない様に気を付けながら用意されていた飲み物を手に取る…良くある紙コップに入り、プラ製の蓋付きのそれの蓋を取り…中に指を差し込む…次に液体の付着した指を口に持って行く…
「っ…」
取り敢えず手の平にそれを吐き出した…薬まで…そこまでやるのか…全く嫌われた物だな…まぁ、良い…あまりそう言うのは柄では無いが、私の目の黒い内は弟分に手を出させる気は無いからな……ま、最終的に本当に私の弟になるかも知れんがな。
「いやぁ…■くん本当に凄いね…私たちが仕掛けた盗聴器まで回収されちゃったよ…」
「ここまで警戒心が強いとは思いも寄らなかったな…」
「感心してる場合じゃないでしょう?これじゃあ最悪の事態が起きた場合に、こっちは対応出来ませんよ…」
「問題無い、カメラは残ってるからな…」
「うん…カメラ越しにこっちを睨む■くんの姿が無かったらその言葉に安心出来たんだけどね…」
「ま、前回外さなかったしな…多分カメラは放置してくれるさ…」
「だと良いんですけどね…」