親友の妹に転生しました   作:三和

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選手の方は残念ながら外に専用席とかは無いので、試合は控え室で見るしか無い……いや、改めて一人になって思ったけど…何かこの部屋、私たちのモノと思われる匂いが染み付いてる…男性は喜ぶかも知れないし、私も嫌いな匂いじゃないけど(私はそもそも付けないし、千冬も濃いめの香水は使わないからほとんど私たちの匂いそのままかなぁ…)何とも、気恥ずかしい…

 

「…と、今そんな事気にしてる場合じゃないか…試合の方確認しないと…」

 

室内に有ったリモコンでモニターの電源を入れると、ちょうど試合が始まった所……ん?

 

「…誰か違和感指摘したりしないの?」

 

実況そのものは日本語なので、特別…見るのに困るとかは無い(とは言え、私も英語だったらある程度聞き取れるんだけどね…)まぁとにかく、そこに問題は別に無い…ただ…

 

「前回剣しか使わなかった千冬が勝ったからって、他の選手も近接武器のみはどうかと思うなぁ…」

 

続けて独り言が漏れる……いや、今見てる限り…今回千冬の相手も思いっきり刃物なんだよね……しかも射撃武器は無し…まぁ、極めてるなら問題無いだろうけど…

 

「遅っ…」

 

相手選手が使ってるのは私と同じく槍…とは言え、我流で振ってた私より酷いってホントにどう言う事…?(まぁ、私の場合は我流でもどの武器もそれなりに行けるって話だけどね…)と言うか、もしかしてこの人も初めて槍持ったとかじゃない?

 

「全く試合になってないね…」

 

これならいっそ射撃に全振りして、その場で弾幕でも張った方がマシじゃないのかと思う程槍の扱いが酷い……まぁ、反射神経は高い方なのか何とか千冬の一撃を避けれてはい……いや、これは手加減されてるね…避けてると言うより、千冬の思うままに避けさせられてるって感じかなぁ…

 

「相手には多分分かるだろうから、かなり惨めな気分だろうね…」

 

と言うより、千冬の方がもう手を抜いてるとハッキリ分かる動きをしてる…例えば今相手がやった下からの切り上げ…あのスピードなら、もう躱した方が早いのに千冬はわざわざ雪片使って流してる…相手は確実に分かる筈だ、わざわざ自分に合わせてくれてるんだと…と言うか、千冬は何度か槍の斬撃範囲越して剣の間合いまで侵入してるからね(一撃で終わらせない為か、一瞬近付くだけですぐ離れてるけど)

 

「お?」

 

やがて槍の振りは更に酷く、と言うか…明らかに雑な攻撃が増えた様に思う……まぁ、千冬が何度も攻撃誘ってその度に千冬の指定した位置にただ振ってるだけになってるからね…千冬は基本的に流すか、最小限の動きで躱すしかしてないし…いくらIS側からの補助有っても相手は肉体的には疲れてるだろうし、精神的にも相当キてるだろうなぁ…と言うか、前回千冬は脳筋戦法しか取らなかったから、フェイント対策なんてしてる人居ないだろうね…そもそも、それは千冬本来の動き分からないと無理だろうし(私も昔から何度も試合してるから知ってるだけだけど)

 

……まぁ、とか色々考えちゃったけど…今本当に気になってるのは別の問題。

 

「…いや、どう見ても素人以下のレベルなのに…何で実況の人は全然気付かないかな…」

 

千冬の演技がいくら上手いにしてもコレは無い……いや、訂正してくれないかな…どう考えても千冬は全く苦戦してないでしょ…寧ろ、盛り上がってるお客さんもコレで満足なのかなぁ…

 

「あれ?」

 

控え室に置いてるバッグの中の携帯が振動してる…まぁ、今は比較的暇だし出よ……っ。

 

「兄さん…」

 

正直、あんまり出たくないかなぁ…こんな時に何の用なのか…まぁ、さすがにタイミング悪いのは分かるだろうし…それでもわざわざ連絡して来てるんだろうから何かちゃんとした用が有るのかも…う~ん……いや、止まらないね…しょうがない、出るか。

 

「…もしもし?兄さんどうしたの?」

 

ま、こんな時に下らない話だったらさすがに怒るよ、私も。

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