親友の妹に転生しました   作:三和

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「こう、ですか…?」

 

「そうそう…ちゃんと出来てるよ。」

 

あれから大体五分くらい後…私の姿は今キッチンに有った。

 

 

 

 

 

「ありがとうございます…一夏様にも教わってはいるんですが…まだ細かい所は分からない部分も多くて…」

 

「…一夏君とは基本、映像を介してのやり取りになるんだっけ?まぁ、それだと厳しくもなるよねぇ…」

 

毎回こっちに来れれば良いけど、彼は彼で色々忙しいからね…

 

「幸い、今回は束が私の休みを二週間分取ってくれたから…良ければその間私が教えてあげようか?」

 

「…宜しいのですか?」

 

「え?」

 

「その、■■様は最近忙しかったと…」

 

「これくらい大丈夫だよ…で、どうかな?」

 

「それは、是非お願いしたいですが…あの…」

 

「ん?何?」

 

「どうして…そんなに私に優しくしてくれるのですか?」

 

優しくか…う~ん…私としては割と当たり前の事をしてるだけなんだけどなぁ…

 

「その…私に対して…」

 

……そこまででクロエが何となく何を言いたいのかピンと来た…さて、どう言うべきかな…まぁ、ハッキリ言った方が良いかな…

 

「クロエ…一旦火止めて。」

 

「……」

 

クロエがコンロの火を止めた。

 

「…さてと…あのね、私はさ…貴女に対して普通の人と生まれが違うからって…別に気持ち悪いとか、そんな風に思ったりした事は一度も無いよ。」

 

「え?」

 

「悩んでるんでしょう?」

 

「どうして…?」

 

ま、私が言うべきだよね。束は多分…何となく気付いてはいるんだろうけど、それを言語化して伝えられないんだろうし…

 

「貴女と質は違うけど、私も一時期…似た様な事で悩んだ事有るから…」

 

スーツの上着のポケットに手を突っ込み、携帯を取り出し…操作する……有った。

 

「ちょっとコレ、見てくれる?」

 

「…これは…」

 

「私の家族の写真…会った事は有るよね。…で、改めて見て…何か気付く事、無い?」

 

学生時代に皆で撮った写真…でも、もう高校生の時だし私も見た目はそんなに変わってないと思う…

 

「…その、貴女は…」

 

「私、皆とあんまり似てないでしょ?特に、髪の色なんて全然違うよね…」

 

決して日本人には見えない彫りの深い顔立ち…まぁ、それは海外の血が入ってる事を考えれば特に不思議な事じゃない…ただ…

 

「髪色まで違うなんて、中々聞かないでしょ?」

 

「……」

 

「最初はホント、結構悩んだよ…私は、本当にこの両親二人から生まれた子供なのかって…」

 

「…今は、どうなんですか…?」

 

ポケットからタバコの箱を出して、一本抜いて口に咥えようとして…我に返り、慌てて戻した…この場で吸うのは不味いよね…

 

「…ふぅ…さすが私の親と言うか何と言うか…私が悩んでるのはあっさりバレたよ…ホント、普段そう意識する瞬間なんてほとんど無いのにそう言う時だけあの人たちはちゃんと"親"の顔するんだよね…まぁ、結論から言うと…写真を見せられて知ったの…私の見た目はおばあちゃんから受け継いだ物だったんだって…もちろん、理由が分かったところで私のコンプレックスは消えなかったけど…だって、皆と見た目が違うのが私の悩みなんだから…それでも…母さんからこう言われたの…『どんなに見た目が違っても、貴女は間違い無く私たちの娘よ…』って。」

 

「……」

 

「DNA鑑定の結果を見たとかじゃないから、本当に私が二人の娘であると言うハッキリした証拠は無い…それでも、二人がそう言ってくれてる以上…私は、間違い無くあの二人の娘なんだって漠然と、そう思ったの…」

 

「……私は…」

 

「クロエ、貴女は確かに束と血の繋がりなんて無い…私と違ってそれはハッキリしてる…でも、それってそんなに重要な事?」

 

「え…?」

 

「見た目は似てないどころか、そもそも血の繋がりだって無い…それでも、束は貴女に何度も伝えてるんじゃない?"自分の娘"だって…」

 

「あ…」

 

「束がそう言っている以上、貴女が拒絶しない限りは間違い無く貴女は篠ノ之束の娘なの…そしてもし、私が貴女に対して過剰なまでに優しいと感じたなら…それがその理由にもなるんだよ。」

 

クロエに近付き、私のお腹辺りに有るクロエの頭に手を伸ばし…撫でる。

 

「■■様…」

 

「私にとって貴女は親友である束の娘だから…それが、私が貴女に色々してあげたくなる理由だよ。」

 

「私は…本当に束様の娘でいて良いんでしょうか…」

 

「良いも何も…結局はクロエ、貴女次第だよ?貴女には無償の愛を注ごうとする束に娘として甘えるか、拒絶すれば良いかの二択が今…用意されてる…貴女は、どうしたい?束は、どっちを選んでもきっと応えてくれるよ。」

 

「……」

 

「まだ難しいかな?でも、一度考えてみて…」

 

「はい、分かりました…」

 

私はクロエの頭から手を離し…!

 

「…クロエ?」

 

「……」

 

頭から手を離れた所で、明らかにクロエの表情が変わった…う~ん…そっか…

 

「束の方が良いと思うけど…」

 

「その、今は…」

 

「…ま、私で良ければ…」

 

「お願いします…」

 

そんなに深刻な顔しなくても…そう思いつつ、私は引っ込め掛けた手を再びクロエの頭に置く…ま、たったこれだけの事でそんなに嬉しそうな顔されたら…こっちも悪い気はしないけどね…

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