親友の妹に転生しました   作:三和

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……で、一時間後…

 

「ん…ふわぁ…」

 

「……まだ眠いんだね…」

 

「本気で疲れてる時にお風呂入るとどうしてもね…ふわ…てか、ありがとう…正直に言うと、まさか私も寝るだけならまだしも…お湯の中に沈んでも起きれないとは思わなかったからさぁ…」

 

「いやまぁ、束さんも慌てたけど…何とか起きてくれて良かったよ…」

 

そう、さっさと身体洗って湯船浸かったまでは良かった……で、湯に浸かってる内に眠くなって…私はどうやらそのまま湯の中に倒れ込んだとか何とか…ま、家のお風呂なら狭いから…そうなっても湯船の縁に引っかかるんだろうけどね…今回は湯船が広い上、銭湯の様に見えても実際は私たち以外に浸かる人間は居らず…正直、私も身内しか居ないから気が緩んでたのかも知れない…本来の銭湯だと、どれだけ疲れてても今までにそこまで派手な寝落ちした事は無かったし…まぁ、私は熱い風呂は元々苦手だから千冬や一夏君と一緒に行くのがほとんどだし…何なら、湯にそう長く浸かる事も基本無いんだけど…

 

そして私は一人暮らしして以来…家の風呂なら普通に二、三時間は寝るのは良く有るし…普通に四時間程爆睡した事も何度か有る(誰も起こしてくれないからね…)…で、実は千冬と一夏君が泊まりに来た時に…最後にお湯に浸かった私がやらかして…千冬にぶん殴られて起こされた事が一度有る(かなり痛かったけど、文句は無い…まぁ、下手したら命に関わるしね…)

 

その後、少し朦朧としていた私は湯船から運び出され…千冬に介抱される事に(普通に救急車呼ぶ案件だろうけど、微妙に意識の有った私が嫌がったからね…)

 

ちなみに、回復してから結構な頻度で寝落ちしていると千冬に話したら割と本気で怒られた…とは言え、眠くなるんだから仕方無いと言ったら…しばらく織斑家で寝泊まりする羽目に…棚ぼたとは言え……あのまま、同棲を楽しむのも手だったかも知れないけど…正直、あの時は私が我慢出来そうに無かったから…一ヶ月程で私は自分の部屋に帰ったけどね…いや、だって千冬が一人で寝させてくれないから…すぐ横で寝られたら私は手を出さない自信無いし(その癖、千冬は私を抱き枕代わりにして来るからねぇ…)

 

ま、極端な話…別に一緒に住んだからって寝落ち自体は防げないしね…その前から正式に一緒に住まないかとは言われてたけど…あの家、プライベートな空間がちゃんと有るとは言い難いから私は毎回…はぐらかしてたり…ま、千冬が一人だと色々やらかす私の事を心配してくれてたのは分かってたんだけどね……また思考が関係無い方に飛んだ…微妙にまだ寝ぼけてるのか、いつも以上に思考が定まらないな…

 

「クロエもありがとう…」

 

「いえ、大事が無くて何よりです…」

 

……束に関してはまぁ、お礼で良いかと思う(千冬と同じく、私から謝罪されるの嫌がるから)ただ今回の場合…

 

「迷惑掛けてごめんね…?」

 

歳下、それも子供の手を煩わせたとなると…さすがに私も気にする…

 

「…気になさらないでください、■■様が無事で本当に良かったです…」

 

……良い子だなぁ、本当に…ふぅ…クロエは…湯の中に沈んで起きて来ない私を咄嗟に引き上げてくれてたりする…そこで漸く我に返った束も手伝い、私を湯船から出したとか…まぁ、正直…本当に朧気にしか覚えてない。

 

てか、目が見えず…加えて子供のクロエの手を煩わせたと言う事実が私としては結構重たい話だったり……ちなみに余談だけどクロエは実は、結構胸が有る方…もちろんそれで興奮したとかじゃなく…まぁ、何が言いたいかと言えば…引き上げられた時私の頭の後ろに有った彼女の胸が枕として優秀過ぎたと言う話…必死なクロエの声で一回覚醒仕掛けたのに、また眠りに落ちそうになったからね……ま、これはあくまで余談…と言うか、どれだけ眠くても私はまだやる事が有る…

 

「ホントに大丈夫…?」

 

「うん……あ。」

 

取り敢えず持って来ていた着替えの服を着つつ…携帯を手に取るとさっき送ったメールに返事。

 

「……さすが。」

 

「ん?どうかしたの?」

 

「束、さすがにこの生活状況は放っておけない…でも、改善しようにも私の手には余る……だから、助っ人頼んだの。」

 

「知らない奴はここに乗せたく無いんだけど…」

 

「大丈夫。束は元より、クロエも良く知ってる人だから…この後、私を例の部屋に転送した後は…その人を迎えに行ってくれる?」

 

「結局、誰なのさ?」

 

「ん。」

 

私は持っていた携帯の画面を見せる…

 

「……え?」

 

そこにはこう書かれている…

 

"分かったわ、私が束ちゃんに母親の何たるかを教え込んであげる。"

 

「…■ちゃん、もしかして…」

 

この場には居ない千冬も含めた、私たちの知人で…こんな内容の文面送って来る人なんて一人しか居ない…

 

「私の母さんにここの状況話したの…多分、滅茶苦茶張り切ってるだろうから…忘れずに、フランスまで迎えに行って。」

 

「行かないと駄目…?」

 

「行かなかった場合…多分、束の携帯に鬼電して来て…出たら出たで…電話口で号泣始めると思うけど「ちゃんと迎えに行くよ…」…賢明だね。」

 

正直、娘の私からしてもあの人…だいぶ面倒臭い所有るから…

 

「先に言っとくね?…多分あの人、私が帰った後も普通にここに居着くだろうから宜しく…」

 

「……どうにかならない?」

 

「嫌なら…束が早く母親として立派になるしか無いね。」

 

あの人、ハッキリ言って私より諦めが悪いからね…

 

「まぁ、あの人…身内贔屓は抜きにしても、間違い無く腕は確かだから…」

 

あの人の偉業、それは…あの千冬に炊飯器を使える様にした事…千冬は基本、勉強は出来るんだけど…何故か家電の使い方は全然覚えられないんだよね…その癖、分からないまま強引にやろうとするから大体悲惨な事になる…(携帯は使えるんだから調べれば……多分、調べても駄目な気がする…)

 

今では千冬は…一応自力で、米を炊く事が出来る…ただ、研ぐのは一夏君がやらないと…力の加減が下手な所為で米があちこちに飛び散ってしまう…(意味無いなぁ…)

 

正直、逆に言えばそれだけなんだけどね…とは言え、私の料理の先生では有るから……ま、束なら簡単な料理くらいは作れる様になるんじゃないかな(千冬の"アレ"はもう呪いか何かかと疑うレベルだけど…束に関しては単に、超が付く程不器用なだけな気がするから…)

 

「ま、頑張って。」

 

「他人事だと思って…」

 

「私も元はあの人の生徒なんだけど?」

 

「……ごめんなさい。」

 

……土下座する程?

 

「ハァ…束も知ってるでしょ?あの人は、基本優しいから…」

 

「だって…あの人、怒ってる時は笑顔で詰めて来るし…かと言って反論すると泣いちゃうし…」

 

「……」

 

あの人はとにかく良く泣く…とは言え、嘘泣きじゃないんだろうけど…本当とも思えない(こっちが反省の態度取り始めるとすぐに止まるから…多分、極端に切り替えが早いんだと思う)

 

「ふぅ…色々言ってるけど、結局嫌いじゃないんでしょ?」

 

「う…」

 

私は知っている…束が、自分とクロエ…そして、私の母と三人で携帯で撮った写真をわざわざプリントアウトして肌身離さず持ち歩いている事を…(私は実の娘だけど、正直…そこまではあの人を愛せない)

 

「ま、あの人が束やクロエ…そして千冬や一夏君の事を自分の子供の様に思ってるのは確かだから「いや、■ちゃんはそれで良いの?」…あの人の愛情って結構重いから…そっちである程度受け持ってくれた方が、私も助かるかなぁって…」

 

もちろん嫌いなわけじゃない…しかし、あの人はとにかく面倒臭いのだ…子供の頃はまだしも、大人になった今だと…正直、一週間と一緒に暮らせる気はしない(確実に私が発狂する…)

 

「…あ、今言ったのはあの人には内緒にしてね?」

 

「いや言えないよ…実の娘にそう思われてるなんて知ったら…あの人絶対面倒臭い事になるもん…」

 

正直、あの人と上手い事付き合って行けるのは…私たちの中だとクロエと一夏君…それに千冬くらいじゃないかと思う(子供二人はともかく…千冬とあの人、実は相性は良いみたいなんだよね…)

 

「ま、とにかく…あの人の相手は任せるから…」

 

「仕方無い、か…せめて、頑張って勉強するよ…」

 

クロエは地味にもう、料理を教えて貰う為にキッチンにスタンバってたり…さて、私も自分の仕事を済ませようかな…

 

「転送準備は出来てるんだよね?…じゃ、行ってくるね?…母さんを連れて来たら連絡して?向こうで待ってるから。」

 

「りょうか~い…」

 

束がここまでテンション低いのは余り見ない光景…ま、あの人の前では絶対にやらない様にして欲しいものだね…(何せ、あの人すぐ泣くからね…)

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