親友の妹に転生しました   作:三和

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「いや、あのさ…束はまだ良いよ、うん…でもクロエの前でああ言うの、ホントやめて…」

 

だいぶ気持ちも落ち着いてから…二人してタオルで身体を拭き、そのタオルを身体に巻いて…束とクロエにちゃんと言付けしてから母さんを連れて廊下まで出て…そこで母さんに改めて苦言を呈す…いや、途中から二人が見てたの…私もすっかり忘れてたよ…普通に、クロエの教育上悪い…

 

「ごめんなさいね…つい…」

 

…少し笑いながら言う辺り、反省してないね…ハァ…ホントにこの人は…まぁ、いつもみたいに泣かれるよりマシだけど…ところで…

 

『あのさ…』

 

『ん?何?』

 

一応二人が居るお風呂場からは離れてるけど…念の為、小声で話し掛けると…ちゃんと小声で返して来る…この辺りの空気読む能力自体は兄さんも受け継いでるよね…ま、でも私の知る限りあの人の場合は…それでも本当に真面目にしないといけない時以外は…敢えて読まないってスタンスの人なんだけどね…実際、正直この人とは別の意味で疲れる事が多々有る…(それでも、この人よりはマシなんだけど…)

 

『…ああ言うの、もしかして…他の人にもやってた…?』

 

いや、手付きが何か…慣れてたんだよね…揉まれてるだけなのに…こう……あー…思い出さない方が良いね…ハァ…ま、正直に言えば…聞きたく無いって言う気持ちの方が大きい…それでも、このまま疑問として残るのも何か嫌。

 

『…そうねぇ…私は基本、家族も含めて親しい人には皆…ほぼ同じ対応をするわよ?』

 

これ以上聞かなくても良いかなぁ…とも、思ったんだけどね…

 

『つまり…母さんが日本に居た頃ウチに来てた人たちって…』

 

『フフフ…』

 

その笑いは何!?……ハァ…本当にこれ以上聞くのやめよ…かなりろくでもない話が出て来そう…まぁ、結局母さんの勝手だし…自分の裁量で上手くやってるからこその、この笑いなんだろうとも思うしね…ハァ…ま、結局今回改めて思ったのは…この人はやっぱり、良くも悪くも"凄い人"って事と…とにかく過去にはあんまり触れない方が良いって事(まぁ、この人…時々嬉々として、勝手に色々語るけど)

 

『ハァ…もう良い…とにかく、クロエと一夏君の前ではやめて…絶対に。』

 

『あら?二人が居ない時は良いの?』

 

その手付きやめて…ワキワキさせないで…大して大きくも無い私の胸をどんだけ揉みたいの…ホント勘弁して…とは言えだ…

 

『ハァ…良いよ、もう…好きにして…』

 

こう言う時…何故か嫌と言えないのが私…ま、正直胸を揉まれるだけなら大した被害じゃないとも思ってるけどね…実際、たまに朝の電車の中で遭う痴漢に関して私が基本…完全放置なのだって、面倒臭いって言うのもちろん有るけど…結局はそう言う理由…ま、大体は放っておくと途中で飽きてくれるしね。

 

『良いのね?…ウフフ…』

 

ホント、何でこんな事でそんなに嬉しそうにしてるんだか……あー…もう良い、分からない事は一々気にしないのが私だしね…それに、これでもこの人は…確かに尊敬出来る点も有る私の母親…母親が喜んでくれるなら、娘としては多少アレな程度の事なら受け入れるものでしょ……多分。

 

まぁ、真っ当な親子として正しい姿なのかは…ちょっと、私も分からないかなぁ…私の身近で他に親ってなると…千冬はそもそも、私が織斑家に行く様になった頃には両親の姿を見る事は無かったし…束の方はと言うと…まぁ、そうだね…母親の方はともかく…束の父親で、私と千冬の剣の師でもある柳韻さんは…総合的には人として尊敬出来る部分は多いけど…親としては、決して良い評価を下せない人では有ると思う…確かにあの頃の束の態度の方にも問題は有っただろうけど…それを差し引いても、柳韻さんの対応は良くなかった(あの人不器用過ぎるんだよね…)篠ノ之神社の神主にして、篠ノ之道場の師範でも有って…ま、何が言いたいかと言えば…あの人、基本は大体…仕事は家でしてる様なものだと言う事…で、その状態で仲が悪いってなると…そもそも家に寄り付かないんだよね…いよいよ険悪さがピークになった中、高校生の頃なんて…束は大体私の家で生活してる事も多かったり…(そう言えば、今思えばあの頃から…もう束は兄さんが好きだったのかもね)

 

ウチの家族は皆束の事情を知ってるし、ウチに来て…そのまま帰らずに数日居着いたりしても特に誰もうるさく言わなかった(母さんなんて、何ならずっと居ても構わないって言ってたくらいだし…)ま、私からも帰って欲しいとか…あの頃の束に言ったりはしてない…柳韻さんの言い分も大体聞いてるとは言え(何だかんだ…私や千冬にはある程度、本音を語ってくれてたんだよね…)当時…それぞれの話聞く限り、何処まで行っても平行線にしかならないのは私も分かってたし…尤も、千冬も束には何も言わないけど…私には結構な頻度で…『あいつ…迷惑掛けてないか?』…とか、良く聞いて来てたけど…元々、千冬と束の付き合いは私より長いし…千冬の気質的に自然と、保護者目線になってたんだろうけど…あれじゃあまるで…千冬が束の親みたいだったね…

 

もちろん、柳韻さんだって…そんな状況をどうにか出来無いかとは思ってはいたみたいだけどね…とは言え、当時まともに話し合いをする事すら…束が拒否してたので、正直本当にどうしようも無かった…一応ウチに居るという事は話してたから…柳韻さん、何度かウチに手土産持って、束を迎えには来てたけど…柳韻さんが来たって言うと束は大体…とにかく、ほぼ発狂と変わらないレベルで騒いだり暴れたり…それか、とにかく全力で何処かに逃げる…の、どちらかになるから柳韻さんには大抵、帰って貰うしか無く…寧ろ、避難所としてウチが機能してしまっているから余計に帰らないのかもと思わざるを得ず…ま、それでも…母さんは束を見捨てられないからね…いつも、大体優しく迎え入れてた…とは言え行儀とか、アレで駄目な所は駄目だって言う人でも有るから…母さんは。

 

実際…束も何故か、私と私の家族の言う事は多少文句も言うけど一応…従ってくれるから…先の千冬の心配はほぼ杞憂だったとも言える(自分の両親関連の話だけは…何が有っても、まともに聞いてくれなかったけど)

 

……あー…また脱線した…ま、正直…自分の親以外だと身近に居るのって割とアレな人ばかりになるんだよね…まぁ、私はこれでも他にも友人居るし…そっちの親とも当然、何度も顔を合わせた事は有るけど…結局それがまともな親と定義して良いのかは…実は私も分からなかったり…そもそも自分の親が割とアレなんだから…その辺に関して、やっぱり何とも言えなくなるよね……さてと。

 

「ふぅ…そろそろ戻ろうか。二人を待たせてるし、浸け置きももう良いでしょ…」

 

そもそも、本格的に掃除するのはあくまで明日からだし…今は、早くお風呂入るのが先決かな…ま、地味に汗掻いちゃったから…私がさっさと入りたいのが本音だけどね…

 

「そうね…ところで…」

 

「何「千冬ちゃんにはやっても良いのかしら?」…私じゃなくて、本人に聞きなよ。」

 

「貴女はそれで良いの?」

 

「…だから、それは千冬本人に聞いて。」

 

私に決める権利なんて、有る訳ないじゃん…まぁ、どっちみち聞いた所で千冬は嫌がると思うけどね(当然と言えば当然)とは言え、結局千冬が何を言ってもあの人はやりそうな気はするけどね…

 

……尤も、結局その後…例え、その場に千冬が居ても…毎回私ばかり母さんに襲われる様になったのは、また別の話…ま、私も千冬がやられてるのを見せられるよりはまだ…精神的にも楽なんだけどさ…

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