割と寒めな事も有り…出来れば温かい飲み物が欲しいと思い、キッチンを探してみればインスタントコーヒーの瓶を発見…取り敢えず、先ずはお湯を沸かそうか。
「……」
実はミネラルウォーターのボトルはちゃんと有るんだけど…2L入りのペットボトルの封をこの為だけに開けるのもなぁ…一応、蛇口から水出るんだし…コレで……いや、今更だけどコレ…何処から水引いてるの…?良く考えたらここって、少し前まで私も行く事が多かった束のラボと違って…建物じゃなくて、あくまでロケットなんだよねぇ…ちなみに、最近束とクロエは専らこっちに居て、あっちはほとんど使ってないとか…あっちも一度片付けた記憶有るけど…今はどうなってるだろう…
ま、それは今は良いとして…この水って、使うにしてもこれから加熱するとは言え…そもそも飲んでいい水なんだろうか…着陸も出来るみたいだけど…普段地上に居ない事が多いこの場所の水の出処が分からない…一応昨日手を洗ったり、洗い物した時には特に異常は無かった筈だけど…ただ、実際飲める水なのかは私も確認してない…と言うか昨日の時点で気付こうよ、私…(ちなみに、昨日の食事中の飲み物は普通にミネラルウォーターだった)
「あー…面倒臭い。」
最近の仕事の状況が思い起こされる…ハァ…せっかくの休みなのに、朝から変に頭使いたくない…
「もうそのまま飲めば良いか…」
コーヒーって言うのは、一度にそう何杯も飲むものじゃない…残業が日付変わっても終わらないとかなら、私も大量に飲んだりするけど…最終的に頭痛くなったり、軽めだけど…吐き気がして来たり…何なら効かなくって意味が無くなったり…ま、要するに…一、二杯しか飲まなくて…中途半端に水が残ってとか、気にするんだったら…結局初めからそのまま飲んでしまえば……いや、2Lはさすがに皆が起きて来るまでに飲みきらないかな……いや、てか…忘れてたけど昨夜開けたの、まだ残ってた筈…えっと…
「…有った。」
冷蔵庫を開けたら入ってた、封の開いてた余裕でコーヒー二、三杯分くらいは有りそうな量の入ったミネラルウォーターのペットボトル…いやもう、わざわざお湯沸かしてまでコーヒー飲むのも面倒臭くなってるけどね…元々、自分一人で飲むなら…缶やペットボトル入りのコーヒー買って、それで済ます事の方が多いし。
「ハァ…」
溜め息が自然と出た…いっそこの粉、水でも溶けないだろうかと考える…ま、考えるまでも無く…無理だろうけどさ…ん?
「何か、いつにも増して…面倒臭がりだね、私…やっぱり疲れてるのかなぁ…」
まぁ、幸い…長い休みだし、しばらくすれば調子も戻るでしょ(面倒臭がり自体は直らないだろうけど)
「ん…」
ペットボトルの注ぎ口に直接口を付けて、水を飲む…一応封切ってないのをもう冷蔵庫に入れたし、このまま飲み切っても良いでしょ…そう言えば、母さんってもっと起きるの早いイメージ有ったけど…今日は遅いのかな…
「…あら?もう起きていたの?」
とか考えてたら、ちょうど起きて来たみたいで母さんが声を掛けて来る。
「おはよう、母さん…まぁ、割と普段からこんな感じ…」
元々私は朝に強い方じゃなかったけど…母さんに散々矯正された上、千冬と束…身近な二人が朝全然起きられない方だったから…自然と起きる様に…ふぅ…いやぁ…当時は割と大変だったなぁ…と言っても、学生時代の千冬はあくまで起きたくても中々起きられないだけだし、いつも私が起こさないといけないわけじゃないしね…学生時代の千冬は束と違ってそう頻繁に私の家に泊まりに来る訳じゃないし、もちろん逆も然りで…ま、とにかく…基本的に千冬を起こすのは一夏君の仕事になってたから。
問題は時々泊まるどころか、最早家族の一員として一緒にウチに住んでる様なものだった束…束の場合はそもそも、学校に行く為に朝起きる気自体が無いから…まぁ、束の頭脳だと普通の高校通ってもつまらないのは分からないでも無い…なら、初めからもっと頭の良い学校行けば良かったんじゃない?…と言う突っ込みは残念ながら無駄。だって束は…結局私たちと離れたくなくて、わざわざランク落として平均レベルの公立の高校に入学したから…んー…そう言えば今更だけど、千冬も多分もっと良い所狙えたよね…別に私に合わせなくても良かったのになぁ…まぁ、それでも…実際そうしてくれたのはもちろん嬉しいとも思うけど……ふぅ…ま、この辺の話は今は良いかな。
「…無理してない?」
「大丈夫、ちゃんと自分の限界の範囲内でやってるから。」
……まぁ、一応週休二日だからウチの会社。私の場合、結局休日出勤してる事も少なくないけど…そう言えば、最後に纏まった量の休み取ったのいつだっけ…改めて考えたら、ここ何年かは夏休みとかも取った覚えが無い様な…フランスの場合、日本で言うお盆は11月だし…正直、日本だとあんまり休み取るの歓迎されない時期でも有る…そもそもちゃんと8月にお盆休み取ったとしても両親が居るのはフランス…海外行って、行きは良くても…帰りに飛行機が欠航で帰れないとかなったらさすがに悲惨だし、何より面倒……何か、このまま考えてると吐き気して来そうだからやめよう…私的には大丈夫なんだし。
「…朝食の支度だよね?私、手伝うよ。」
「んー…今日は休んでて?クロエちゃんと束ちゃんに手伝わせるから。」
ま、その方が良いかぁ…あ、でも…
「束、起きて来れないんじゃないかな…私、起こして来た方が良い?」
「甘やかしたら駄目…って、言いたいけど…束ちゃんの場合、どうやっても直らなかったものね…まぁ、まだ良いわ…私も癖で早く起きちゃっただけだし…シャワー浴びて来るわね……■■ちゃんも来る?」
「…いや、私もう浴びちゃったからさ…母さんゆっくり浴びて来なよ。」
「…そう、分かったわ…じゃあ行ってくるわね。」
…この人、そう言っても動く様子が無い…ふぅ…ま、これは寧ろ…言わない私が悪いか。
「行ってらっしゃい。」
「ええ、行って来ます」
そこまでで漸くシャワーを浴びに……そっちは例のお風呂場なんだけど…ま、良いか…
「おはようございます、■■様…お早いですね…」
「おはよう、クロエ…クロエも朝早いんだね…私は、これでも普段通りなんだよ…顔でも洗いに来た?どうせなら、クロエもシャワー浴びて来なよ…母さん居るし。」
「ですが「母さんに色々聞きたい事は有るでしょ?…今の内に行きなよ…束は何だかんだ、母さんに懐いてるから起きて来たらベッタリになるかも知れないし…」…そう、ですね…分かりました…行って来ます。」
「うん、母さんはお風呂場の方だよ…行ってらっしゃい。」
「はい、行って来ます。」
クロエの背を見送りつつ…改めて束のポンコツっぷりを思う…まぁ、さすがに娘より起きるの遅いのは問題か…基本、外での仕事も無いのにね…いやまぁ…だからこそ起きる理由が無いと思ってるのかも知れないけど…
「その辺は、母さんとクロエに任せようか…」
昨夜も偉そうに言ったけど…少なくとも、私なんかより母さんの方が人生経験遥かに上だし…私の言葉よりは響くでしょ…取り敢えず二人が戻るまで、私は本読んで待ってようかな…