親友の妹に転生しました   作:三和

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「なぁ?」

「何?」

「今回のお前と束の話は結局、時系列的には私たちが付き合っている世界の過去の話って事で良いんだよな…?」

「…ああ、なるほどね…確かにそろそろちゃんとその辺整理した方が良い頃合かもね…うん、一応そうだよ。」

「…一応?」

「まぁ、私と千冬が子供の頃から一緒に居て…しかも付き合えたって言う事自体があくまでIFの話だからね…要するに、今回の話って実際番外の番外、みたいな話だし……まぁ、束が私を好きなのは設定としては本当に有るんだけど。」

「…つまり、今回の話も実際に有ったかもしれないし…無かったかも知れないと?」

「そもそも私たちが普通に恋愛関係に至っている事自体が、既に有り得ない話だからねぇ…結果、何とでも言えると言うか…いやまぁ、千冬自身のスタンスとしては聞きたくなるのも分かるよ?私と束の距離感、結構バグってるしね…本命が千冬って言っても、信じられなくなるだろうし…」

「…まぁ、気になるのはそうだな…とは言え、束相手ならそこまで深く考えてはいないがな。」

「え?」

「所有権を主張する片割れがあいつなら全く問題は無い。私が欲しくなった時は、結局は手の届くところにお前はいつも居る筈だからな。」

「えー…私って二人の共有物?」

「他の奴に渡す気は無い…その辺は、あいつも同じだろうさ……嫌なのか?」

「…ふぅ…だったらそう言ってるよ…まぁ、千冬が傍に居ない時はいつの間にか視界の中に束が現れてくっ付かれるみたいなパターンも多いから…私の負担がゼロとは言わないけど。」

「…部屋に鍵掛けてても、夜ふと目を覚ましたら…普通にあいつがお前に引っ付いて寝てるなんて事も良く有るんだったか?」

「…学生時代…と言うか、子供の頃から寝床は別にしても普通に私の布団に入って来てるなんてザラだったし…そもそも、束に鍵なんて意味無いし…まぁ、もう慣れちゃったかな。」

「そうか…」

「…ま、普段から色々生活状況"見られてる"んだろうけど…特に見られて困る様な事してな…いやまぁ、千冬が一緒に居る時はともかく…一人で"そう言う事"してる時も多分見られてるんだろうけど…正直、今更感が強いしね…」

「……私なら知ってて放置する気にはなれ…あー…そう言えば、私の盗撮映像を束がお前に渡してるんだったな…」

「…まぁ、ね…ある意味でずっと束の一人勝ちかな…だって、束は千冬の事も好きなんだろうしね…」

「…見るのがお前と束だけだからまだ良いか…」

「私も外部に回す気は更々無いしね…ん、そろそろ始めて良い?」

「ああ。」


*145

食事が終わり、正座させられて母さんからお説教されている束を後目に私はクロエと一緒に部屋に向かう。

 

「あの…本当に宜しいんでしょうか?」

 

「ん?…あー…良いの良いの、ああなると長いからね…」

 

「でも「それに、束もそこまで嫌がってないしね」え?」

 

「束はアレでも母さんの事が大好きだからね…」

 

それこそ、実の娘の私が母さんに向けるソレより遥かに強いだろう…まぁそもそも、私自身がその辺理解しきれてないんだから当然とも言えるけど。ただ、血の繋がった自分の実の両親より…私や、私の家族に向けてる感情が重めなのは私も昔から束を見て来たから分かる…実際、箒が居なかったら束は本気でウチの子になってたかも知れない…束からしたら、篠ノ之家は何処までも他人の集まりでしかなかっただろう…

 

「苦手意識も有るだろうけど…あくまで悪い事は悪いって言うだけで、自分の考えを頭ごなしに否定しない私の家族は束の救いにはなってるみたいだからね…」

 

実際ISの事さえ無かったら、私と私の家族…それに千冬…私たちが間に入る事で和解の道も有ったのかもと思わなくも無い…もちろん、束の夢を否定したい訳では無いし…束と箒が自分の家に帰る事が出来無くなったのは仕方の無い事だとも分かってるんだけどね…ま、今更言っても意味が無いのも確かなんだけど…

 

「とにかく…あの二人はアレで上手く行ってるから、放っといて良いの。」

 

怒られてる内が華なんて言葉も有る…ま、そうは言っても母さんは何が有ろうと束の家族をやめる事は無いだろうから…母さんが生きてる内は何も心配は要らないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

取り敢えずクロエの部屋まで一緒に来て中に入ったけど…まぁ、現状の私から彼女にしてあげられる事ってあんまり無いんだよねぇ…後々ならまだしも、今はまだ…どちらかと言えば母さんが適任かなぁ…私が帰った後も母さんはここに住み着くんだろうし、何とかはなるだろうけど。

 

「あの、合ってますか?」

 

「……うん、問題無し…ちゃんと合ってるよ。」

 

とは言え、来といて何もせず座ってるのも何なのでこうして勉強教えてる訳だけど…予想通り彼女は頭が良い…飲み込みは早いし、特別手は掛からない感じかな…

 

「…そうやって努力するのは、やっぱり束の為?」

 

「はい、私は…束様の手助けがしたいので。」

 

世間一般的には健全とは言い難い親子関係かも知れない…それでも、そうやって健気に頑張る姿を否定したくは無い…でも、捻くれてる私にはそれは娘の行動と言うより…まるで、"そうであろうとしている"様にも見えてもしまう…

 

「…そっか、役に立てたら良いね。」

 

「はい。」

 

尤も、そんな彼女に語れる言葉を今私は持ってない…異質だと分かっていても、結局…私には何も出来無い。

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