親友の妹に転生しました   作:三和

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「あっ…っ…んっ…!」

「……」

ベタ付いていた手を用意していたタオルで軽く拭き取り、乱れた着衣を戻し…そこで漸く本来の目的を思い出し…毛布を掛けてやる。

取り敢えず頭を冷やそうと部屋を出て…ドアを後ろ手で閉めてから、私は大きく息を吐いた。

「本当に…お前は何処まで…」

中学に入り、性の知識を授業で学んで…そして…いつからか、私はこの衝動を抑え切れなくなり…眠っているアイツの身体に触れた…学校では男女間のそれですらそこまで具体的にはやらない…それでも、不意にアイツの口から漏れ出た、高く色を感じる声…それが聞けた瞬間に私の背筋がゾクっとして…頭の中で文字通り何かが弾けた…

それをまた味わいたくて、私は何度も何度も繰り返した…

「今なら、こんなタイミングを選ばなくても…自由にアイツに触れられるんだがな…」

それでも、今になってもやめる事が出来ていない…アイツが起きている時に時折私がやってしまう苛烈な責めで、痛みと快楽の両方から来ると思われる涙声はアイツには迷惑かも知れないが…私は嫌いでは無い…が、寝ているアイツを起こさない様に焦らし気味にやるのはアイツ自身も無意識に物足りなさを感じるのか…口から漏れるのは吐息混じりの何処か切なげで甘い声…そちらはそちらで良さが有った…

だから、今になってもやめられていない。

「当時感じていた罪悪感も、今では感じなくなったな…」

あの頃の時点で、この家に住む者で一番の年長と言えるのはまだガキでしか無い私しか居らず…他には小学校に入ったばかりの一夏しか居なかった…そんな歪な家庭に自分の娘を泊まらせると言うのは、普通の親では有り得ない事だ。

だが、それを娘のワガママと言う事にして…私を責める事無く快くアイツの両親は送り出してくれていた……その、信頼を私は裏切っていた…ましてや、アイツ自身の信頼すらも…が、付き合ったあの日冗談めかしてその事を言った時…少なくともアイツは、表面上私を責める事は無かった…いや、あるいは…

「いかんな、思考が纏まらん…」

あの頃はただ衝動に身を任せ、アイツの身体を貪る様にしつつ…その後に自分の身体を慰める…その一連の行動を行った後にやっと…拭い切れない罪悪感が襲って来る流れだった…アレは、俗に賢者タイムとか言うんだったか…

「っ…いかんな、まだ治まらん…」

熱を帯びた下腹部を押さえながら取り敢えず風呂場に向かう…一夏は今日は友人の家に泊まりに行っていて居ない…このまま、してしまっても大丈夫だろう…アイツが起きるかも知れないが、それも良い…そこから続きをするのも悪くは無い…と言うか、そもそもの話…

「既にしていた事を仄めかしているし、それに…僅かに警戒はしてしまうのか、時々起きて来て咎められる事も多くなった…されるのが分かっていて…どうしてお前は、毎回私の前でそんなに無防備に寝られるんだ…」

しかもアイツは、行為そのものを咎めて来た事はほとんど無い…それどころか、ちゃんと相手をしてあげたいからしたくなったのなら仮に寝る前にどれだけ疲れていた様に見えたとしても、気にせず自分の事を起こして欲しいとまで言う始末だ…加えて、されている最中に起きずに自然に目が覚めた日は…しっかり寝れた気がしないのか、明らかに怠そうなのに私を問い質す訳でも無く普通に接して来ようとする…違和感を感じていない訳では無い筈なのに…

「許されている…そう思ってしまうのは、私の自惚れかな…」

…いやまぁ、実際その通りなんだろうがな…アイツは心は元より、身体どころか命すら私に差し出して来た女だ…普段私から散々に責め立てられても、涙混じりの悲痛な声を上げ…優しくしてくれとは言うものの…口でそう言うだけでほとんど抵抗らしい抵抗はして来ない。自分の事を好きに壊してくれて良いとアイツはそう言っているも同然では有る…だから、今は罪悪感こそ薄いものの…いつか、本当に私がアイツを壊し切ってしまうのでは無いか…そう言う恐怖は常に有る…

あの日冗談めかしたアイツの告白に私が答えた時、私は冷静さを装うのに苦労した…いや、その後散々アイツの身体を貪った事を考えれば隠し切れてはいなかったな…そして、今考えてもゾッとする…私は、何故かアイツの首に手を掛けていた…アイツは目を見開き、反射的に私の手を掴んだものの…すぐに力を抜き、自分の両手を下ろして目を閉じた…そして、まるでそれで良いと言うかの様にアイツの口が弧を描き…微笑んだのが見えて……あの瞬間私が我に返らなければ、私はアイツを確実に殺していた…自分の中の暴力性…他の人間にはどれだけ怒ったとしても殺そうとまでした事は無いのに、アイツには何故か…怒りの感情すら抱かなくてもそれが出来てしまった…

「っ!…ハァ…」

そこまで考えた所でゾクッとした寒気を感じ、下腹部の熱が強くなったのが分かる…恐ろしいと言いながら、その恐怖ですら…私にとっては興奮材料にしかならない…私がアイツを殺すのが先か…以前も思った様に私が手を下してしまうより先に突然アイツが私の前から消えるのか…最早、これから先待つのはそのどちらかしないのだと思えて来る…

「殺したく、ない…」

矛盾している…それは分かっている…それでも、いつかは私も抑えられなくなる…せめて、アイツがもっと抵抗してくれれば私ももう少し冷静になれるのだろうが…どうしたものかな…


*147

「…■ちゃん、機嫌良いね…」

 

「フフ…まぁね♪」

 

今日は皆に例の衣装を着て貰える日…そりゃ浮かれもするよ…撮影会も兼ねてだから、スタジオの予約を取ったんだけど…いざとなったら思いの外母さんがごねた物だから、こんなに後の日付けになった…一回良いって言ったのに…まぁ、私の休暇中に間に合ったし…余韻に浸れる時間もまだ有るから良いけどね。

 

「…多分、喜んでられるのも今の内だと思うけどなぁ…」

 

「え?何で?」

 

苦笑を浮かべた束からそんな言葉が飛んで来る……いや、本当に何で?私にとって今日は良い日でしか無い筈なんだけど…

 

親友にして、普段ろくに外に出ないし…運動もしてないのにスタイル抜群、顔も良い上にそもそも童顔…間違い無く逸材の束。束の娘で顔は将来性も感じる美貌だけど…普通にまだまだ子供で、体型も良い感じに小柄気味で華奢…正直束以上にあの服が似合うだろうクロエ。私と兄さんと言う既に成人した子供が居るのに結構な頻度で中学生や高校生にすら間違えられる事も有る程の童顔で、何より美少女顔の母さん…この三人がゴスロリ服着て撮影会とか…私にとって得でしか無い筈なんだけど…ま、千冬がまだ来てないのが残念では有るけどさ…

 

「…まぁ、気付いてないなら良いけど…と言うか、良く有ったねぇ…ゴスロリ服の購入が出来て撮影会も出来るスタジオとか…」

 

確かにそれは私も驚いた…買ってからスタジオまで行くパターンかと思ってたけど…纏めて両方出来るなんて…何なら、撮影のみで服のレンタルが出来て無理に買う必要も無いとかねぇ…ま、実際そう言う店舗じゃなきゃ…母さんもっと本気で渋ってただろうし。うん、本当にラッキーだった…

 

「と言うか、■ちゃんそんなにお母さんの事好きだったの?いつも割と冷たく接してたと思うんだけど…」

 

あー…束からはそう見えてるのか…

 

「…いや、学生時代はそりゃ多少強めに反発した事もあったけど…それでも人並み程度だし…今の私の反応だって、大人になった娘と母親だったら何処でもこんな感じじゃないかな…別にそこまで冷たくした覚えは無いんだけど…」

 

と言いつつ…いやまぁ、半分嘘かも…何て思ってもいたり…あの人って色々過保護な所有るし、人の事言えないとは言え、あの人天然だから割とやらかすパターン有るし…多少雑に扱う事も無くは無いんだけどね…ただ…

 

「まぁ、そうだね…あの人とはそれなりに色々有ったけど…でも、それは私があの頃はまだ普通に子供だったから…反発して、確かに多少憎むまで行った事も無くは無いけど…何だかんだ、私はあの人を本気で嫌った事は無いよ。」

 

アレで尊敬出来る点もそれなりに有るし…何より、色々ワガママも言った私を決して見捨てる事無く、成人するまでずっと支えてくれて…今でも私の事を少々行き過ぎな所は有っても気に掛けてくれる母親をどうして嫌うと言うのか…この辺は実の両親と上手く行ってなかった束には理解出来無い所かも知れないけど…でも、ね…

 

「束は今でも母さんにそれなりに色々言われる事も多いし、そこら辺は苦手も知れないけど…でも、あの人の事…正直好きでしょ?」

 

実際、実の娘で有る私の目から見ても私以上に束と母さんはちゃんと母娘に見える…束は年齢不相応に幼い部分が有るし、そこに関しては少し歪に感じなくはないけど…それ自体は別に誰に迷惑を掛けてる訳でも無い。母さんだって、そんな束の事を全力で可愛がってる…千冬や一夏君みたいに、きっと自分の子供の一人だと…そう思ってる筈だ。

 

ま、実際…束は何だかんだ照れ臭いのか時々本気には見えない感じで、冗談めかして大好きって良く口にしてる…でもまぁ良い機会だし…母さんとクロエが着替えの為にこの場に居ない今、束の照れの無いちゃんとした本音をちょっと聞いてみたい…

 

「…まぁ、そりゃあね…昔から何やかんや注意される事は多いけど…ウチの親みたいに何でもかんでも否定したりしないしさ…好きだよ、何より人にあまり頼って来なかった私がさ…あの人の前だとつい、甘えん坊になっちゃうんだよね…あまり良くないかもって、思うんだけどさ…」

 

「ま、あの人相手じゃ仕方無いよ…どれだけ反発したって…最後は私もそうなっちゃうから…」

 

まぁ、何と言うか…あの人って結局…"お母さん"と言うか、良くも悪くも何か"ママ"ってイメージなんだよね…今まで実際にそう呼んだ記憶は私の中には無いけど…それでも気を抜くと最後には絆されて、自然と甘えたくなるんだよね…ま、あの人は一緒に居て色々不安になったり、頼りない所も有ったり…勝手に暴走してこっちが振り回されて疲れる事も有ったし、今もそうだけど…アレで締める所は締めるから毎回甘えさせてだけくれる訳じゃないんだけど…今でも私は、あの人に頭は上がらない。何だったら千冬だってそうだろうね…でも一夏君が居る手前、あまりそうならない様に出来るだけ距離を置こうとしてる様にも思うけど…

 

ま、そんな葛藤なんて無視して必要だと思ったら壁に突進して…破壊して一気に懐に飛び込んで来るのがウチの母親なんだけど…実際、千冬が昔から母さんに何度かそうされてるのは私も見て来てるし…ハァ…ホント、敵わない…千冬とはそれなりに長い付き合いだけど、一夏君以外だと私以上に千冬の事を理解してるのはやっぱり母さんじゃないかな…コレに関しては、私より前から千冬と一緒に居た束でも勝てないと思う。

 

「ハァ…本当に強いよね、ウチの母親…」

 

「それは束さんも同感…あの人に関しては有象無象扱い出来無いんだよね……まぁ、そこはベクトルは違うけどお父さんの方もそうなんだけどさ…」

 

まぁ、私の父親に関しては…多分束的にもそして私のイメージ的にも…一種の人を超えたバケモノだから…本人も何処かそう扱われる事を望んでる節が有るから、普段は敢えて意図的に存在を無視したり…偶に気にしても基本は"置物"扱いしてるけど…私がそうしてるのは、あの人が私にとって今も理解不能で…母さんと違って、本当の意味で苦手な存在だから…ま、それでもあの人からも時折親としての愛情は感じるし…何より父親としてやるべき事はちゃんとやって来てくれたから今の私は有るんだとも思ってる…だから苦手では有っても、嫌いでは無い…ま、でも…同じ理解不能では有っても実は話してみると分かりやすい所も有る兄さんと違って、積極的に交流したいとは始めから思わないけど…

 

何だろうね…漠然とした恐怖は有るんだよね…でも多分…普段置物に徹してるあの人が動く時って、よっぽどの事が起きた時だけだとも思ってる…まぁ、ほとんどの問題は規模に限らず大抵どうにか出来そうな能力は間違い無く有るだろうから、そんな超常存在が無条件で味方な状況は頼もしくは有るんだけどね…

 

「…■ちゃん?」

 

「…っ…何、呼んだ?」

 

「あー…お父さんの事考えてた?やめとこ?あの人の事は、束さんでも分からないからね…」

 

「…やっぱり束もそう思う?」

 

「悔しいけど認めるしかないよ、あの人…普通に私やちーちゃんの上位互換だもん…絶対敵に回したくは無いかなぁ…」

 

「まぁ、束は身内判定されてるし…早々敵にはならないだろうけどね…」

 

「…私がやらかさなければ、ね…■ちゃんの事も有るけど、あの人敵に回すくらいだったらさすがに…束さんでも多少大人しくしようとも思うよ…」

 

そこでふと、思った事が有った…

 

「…束?」

 

「ん?何?」

 

「…例の白騎士事件のミサイルなんだけどさ…もしかして、束がやってた可能性は有った?」

 

あの一件は束と千冬の活躍で被害が最小限になった…それが私の知る真実…でも昔の、出会った頃から学生時代までの…束が今より色々危うかったあの頃…あるいは、束の方があの事件を引き起こす側になってた可能性は有るんじゃないか…何故か、そう思えてならない…束の事は信じたいけど、どうしてもそんな気がしてしまうのだ…実際にはそうならなかったんだから、聞くべきでもないとは思う…思うんだけど…

 

「…フフ…鋭いね。」

 

「!…じゃあ、やっぱり…?」

 

「うん、あの時私も行き詰まってたしさ…考えたよ、私自身…でも、思い留まった…■ちゃんや■くん…それにお母さんにいっくん…皆が万が一巻き込まれて死んだらとか考えたら怖くなって…何より、それでも確実に生き残るだろうお父さんがどうするのかなとか考えたら…そりゃあ、出来無いよね…」

 

「……」

 

あの人はバケモノ…でも、分かる…あの人には間違い無く家族への情が有る…そして束の事も、多分家族だとは思ってる…でも、束がもしやらかしたら?……動いた、だろうね…そしたら多分…束の存在自体どうなるか、分かったもんじゃない…

 

「でまぁ、思い留まったんだけど…まさか、私以上に洒落にならない状況を計画して…しかも、実行に移す奴が居るなんて思いもしなかったなぁ…焦ったよ、本当に…色々な意味でさ…」

 

「まぁ、完全に実現してたらあの人束を疑った可能性が高いから、ね…」

 

冷静にさえなってくれれば、黒幕が束かどうかは恐らく判断が付けれたと思う……でも、もしそのまま突っ走ったら?

 

「私はもうあの時クーちゃんが居たし…死ぬ訳には行かなかったから…ちーちゃんには迷惑だっただろうけど、鬼電したよ…焦ってたから具体的には説明出来無かったけど…何よりちーちゃん、あの人のヤバさに気付いてなかったみたいだし…まぁ、無理なお願いはしたと思うよ?行ってくれて、助かったけど…」

 

「その割に、あの後状況を利用してたけどね…」

 

「チャンスでは有ったからね~…逃す手は無いでしょ……マッチポンプだと思われなくて良かったよ。」

 

本当にね。

 

「…あ、来たよ。」

 

「…わぁ…」

 

「いつも以上におめめキラキラしてるねぇ…」

 

「うん!…束も着てくれるよね…?」

 

「…そんなに不安そうにしなくたって着るよ。ここまで来たんだし…何より、■ちゃんの頼みだもんね。」

 

「…その割に、渋ってたけどね…」

 

「だって!恥ずかしいし……でも、■ちゃんから頼まれたなら…ね。」

 

「ん?何か言った?」

 

最後の方が聞こえなかった…

 

「…大丈夫、気にしないで。」

 

「そう?」

 

「……この気持ちは、まだ告げる訳には行かない…かな…ちーちゃんに、相談しようかな…」

 

「?…束?」

 

「何でも無いよ。それよりほら、■ちゃんは撮らなくて良いの?自分の携帯でも撮らないと勿体無いでしょ?」

 

「!…そうだった!」

 

私は携帯を操作しながら二人の方へ向かう…フフ…しばらくは楽しく過ごせそうだね♪

 

 

 

 

 

 

「…この後自分も巻き込まれるって知らないで…呑気だなぁ…」

 

ま、そう言う抜けてる所も可愛くて好きなんだけどね…さてと、束さんも撮影しよっと…この場にちーちゃん居ないのは残念だけど、仕方無いよね…ま、どうせ後から写真送っちゃうけどね。

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