第二回モンドグロッソ当日
私は一夏と千冬の応援をするために会場入りしていた
……観客席の熱気が凄い。改めて前世で出られなかったのを残念に思う。……あの時もし出場出来てたら私は千冬に勝てただろうか?、それは解らない。でも千冬に想いは告げていたと思う。……結局ここに帰結してしまうのだ。せめて告げていればこんなに悩まなくて済んだと思う。試合の結果は気になるけどそれ以上に私は千冬の気持ちが知りたかった…
「…十秋姉?どうかしたのか?試合始まるぞ?」
「ごめん、席はあった?」
「…あそこが開いてたよ。出るのが遅れたから座れないかと思ったぜ」
「アハハ…ごめんなさい。」
私は乾いた笑いを溢すしかない。ホテルを出るのが遅れたのは私が寝坊したからである。お陰で朝食も食べてない。
「十秋姉が寝坊とか珍しいよなあ…千冬姉はしょっちゅうだけど。今朝も俺のモーニングコールで起きたみたいだしな」
「……」
今回は私は何も言えない。下手に姉さんの事を口に出せば私に返ってくるから。
「取り敢えずこれ買ってきたから行儀悪いけど見ながら食おうぜ。」
「……」
そう言って一夏が取り出した物を見て私は言葉が出なかった。一夏が取り出したのは棒つきのソーセージ。日本でも良くフランクフルトと呼ばれる食べ物である
「姉ちゃん?どうかしたか?」
「!…ううん、何でもない。ありがとう一夏」
私は一夏からそれを受け取る。
……この場合下世話な想像してしまう私が悪いのだと言い聞かせる。……小学生の時ならともかく何気に思春期に差し掛かった一夏を思えばついついそう言う邪推をしてしまうのは仕方無いとも言えるけど。
席に座り千冬の試合を見る…特に見栄えは無い。何故なら…
「……瞬殺だったな。」
「うん…さすがに相手選手が可哀想になるね…」
試合開始からまだ一分も経過していない。千冬の機体暮桜の固有能力零落白夜は今世でもしっかり猛威を奮っているようだ……一時とはいえあれと互角に戦えてた自分が改めて異常だったのだと感じる。……というかあれ前世の時より強いかな。全盛期の私でも瞬殺されそう……
放心状態の相手と握手をして試合場から出る千冬に送られる割れんばかりの声援と拍手。……さすが初代優勝者。凄い人気。
「……一夏、ちょっとトイレに行ってくるね。ついでに捨ててくるからそれ貸して?」
「ん?ああこれか、サンキュー」
……私は一夏からフランクフルトの入っていた袋を受け取り会場を出る。
「…あった」
ゴミ箱より先にトイレを見つけ入ろうとしたら……
「あう!」
首に強い痛みを感じてそのまま私は倒れ目を閉じた