「ん~…?何?」
今水の音が響いてる上、千冬から位置も遠かったが…幸い、千冬が何を言ったのかはちゃんと聞こえた…さすがに独り言じゃなくて、私への質問の流れだと思うので千冬に背を向けたまま返事をする。
「…いや、悪い…終わってからで良いぞ?」
「大丈夫…もうすぐ終わりだから…聞きたい事が有るなら、取り敢えず言うだけ言ってみてよ。」
私は手を止めずに答える…ちなみに今は洗い物をしてたり…さて、後はこのコップと皿で終わり、っと。
「…お前の父方の祖父母の話は聞いた事が有るが、良く考えたら…母方の方は聞いた事無いなと思ってな…」
「…んー…?…あ、そう言えば言ってなかったっけ…ちょっと待ってね…」
一応事情は以前母さんから聞いてるけど…普段は母さんも話題に上げない様にしてるし…そもそも千冬の立場的にも聞きにくいのか…聞かれたら、母さんも千冬と束には普通に話しそう…と言うか、母さんも別に隠してるわけでもないんだよね…本当に全くの赤の他人でも無い限り、多分聞かれれば話しそうでは有る…何なら、母さんの友人は男女問わず…皆知ってるんだろうし…とか考えてる内に泡を流しきったので、水切りカゴの方に皿とコップを置いて…最後に手を洗ってから、水を止めて用意していたタオルで手を拭く。
「ふぅ…で、要は…母さんの両親の話だっけ?」
千冬の座っていたソファまで来て隣に腰を下ろす…
「…聞いたのは私だが、本当に話して大丈夫なのか…?」
「…ま、多分大丈夫じゃないかな…」
さっきも思ったけど…母さんの場合、自分から言わないってだけで本当に隠してはいないんだよね…
「一応どうしても気になるなら、私から聞いたって言って…後で真偽を確認しても構わないよ。」
何なら私も聞いたの結構前だし…今だと状況変わってるかも知れないからね。
「まぁ、でも…そうだね…強いて言うなら今の所、一夏君にはあんまり話さない方が良いかな…」
「…本当に聞いて大丈夫なんだろうな?」
「…いや、千冬の立場だと何処かのタイミングで事故的に聞いちゃう可能性ゼロじゃないし…何なら、母さんも聞かれたら普通に答えるとは思うけど…実質無関係と言っても良い、私でもあんまり気分の良い話じゃないからさ…」
「…無関係?母親の両親だって、お前にとっては祖父母に当たるだろ?」
「いやぁ…本当にあんまり関係無いんだよねぇ…だって、ほぼ会った事無いから。」
「…そうなのか?」
「結構前に私の聞いた話だと…実質、今もほとんど絶縁状態との事だからねぇ…」
「…理由、聞いても良いか…?」
あー…何か、色々察しちゃった感じ…?
「母さんが結婚相手に選んだのは、要は外国人でしょ?だから、その所為で当時揉めに揉めたらしくてさ…一時期は、マジの絶縁されたらしくてさ…」
「…■▲さん、大丈夫だったのか?」
「いやぁ…こっから凄いんだけどねぇ…そもそもが先に絶縁宣言したの、母さんの方らしくてさ…」
「そうなのか?」
「元々千冬も知ってる通り色々奔放な人だからねぇ…その後は自分の両親に連絡しないまま、勝手に婚姻届出して父さんと結婚式も挙げちゃったんだとか…しかも、日本国内で。」
「…それはまた、確かに凄いな…」
「フランス国内なら分かるけどね…普通に両親を挑発してるも同然だからね…実際、こっそり母さんたちの動向を調べてた両親には普通にバレたらしくて、どう言う手段を使ったのかは聞くの忘れたけど…向こうから連絡して来たんだとか…」
「…それで、どうなったんだ…?」
「その時ってもう兄さんが生まれてたそうでさ、孫も居るって言うのも当然向こうは知ってて…一度帰って来いって言われたんだとか…で、母さんは断った。」
「…居場所はバレてたんじゃないのか?」
「もちろん、バレてたよ。でも、父さんと一緒に兄さんも連れて三人で逃げ回ってたんだとか…引っ越し代も毎回馬鹿にならなかったってボヤいてたよ…でまぁ、それを散々繰り返して…その内私も生まれて…そこで父さんからも何度も説得されて…漸く、久しぶりに実家に戻る事にしたんだとか…」
「…帰ったなら、何で今も絶縁状態なんだ…?」
「うん、まぁ…その時は結局父さんと、既に6歳の兄さんと生まれて一年…まだ1歳で何も知らない私を連れて実家に戻ったそうなんだけど……結局、父さんが私と兄さんだけ連れて即座にとんぼ返り…」
「…何故だ?」
「それがさ…先ず、二人は娘と和解は一応したかったらしいし、孫を見たがってたのも事実で…そこに気に入らないけど、外国人とは言え義理の息子が来るのも一応、頑張って受け入れ様としてはいたんだって…」
「…二人は、相当外国人が嫌いだったんだな…」
「理由は聞いてないけどそうみたいだね…で、いざ皆がやって来てすぐに…二人がその場に戻したとか…」
「…戻したって、要はゲロか?」
「そう。二人は、多分父さんまでは我慢出来た…でも、会うのを楽しみにしていた孫がどう見ても日本人の見た目では無いと…そう認識した瞬間にその場で吐いたんだとか…普通外国人と結ばれて出来た子供なんだから、純日本人の見た目なわけないと思うんだけどさ…ま、とにかく…すぐに状況察した父さんが、両親を母さんに任せて私たちを連れて帰ったんだとか…母さん残して行くのは心配だったらしいけど…まぁ、母さんも心配の気持ちが一瞬消えるくらい…私たちに恐怖と憎しみの入り交じった顔向けてたそうだから、私たちが下手にその場に残る方が色々危険って判断したらしくて…で、母さんとしてはもう完全な関係修復は不可能だと感じてはいたけど…一応、和解って形にしてあげたんだって…その後は、定期的に母さんだけ時々時間作って…両親に会ってるんだとか…」
「…ふぅ…成程…まぁ、それならどうしようも無いな…っと、悪かったな…」
「んー…そう言われても、私自身は当時の事は全く覚えてないし…後で聞いたら兄さんはある程度覚えてるらしいけど、特に気にも留めてないって言ってたし、父さんに至ってはいつもの笑顔のまま『全く覚えてないなぁ…』とか言い張るし…まぁ、兄さんは嘘は吐いてないだろうけど…父さんの場合、本音かは分からないなぁ…ま、とにかく…私も別に気にもしてないんだよねぇ…と言うか、そもそもこっちを嫌ってるわけなんだから…わざわざ気にするの時間の無駄としか思わないしさ…」
「それもそうか…ふぅ…そうなると、後はあの変態しか居ない事になるか…」
まぁ、血の繋がった親類で私ともまともに付き合いが有るってなると現状そうなる…ま、けどさ…
「いや…あんまり人の祖父を変態呼ばわりしないで欲しいんだけど…」
「それはまぁ、確かにそうだが…事実だろ?」
「…ま、そうなんだけど…」
女の子の孫が風呂に入ったら、毎回覗きに来る祖父って言うのはまぁ…世間一般からしたら、確かにそうなるよね…
「でもまぁ、あまりに聞こえが悪いし…千冬のヤキモチって所で抑えてくれないかな…」
「まぁ、確かに…妬いてるがな…ちなみに、今は祖父はどうしてるんだ?」
「いやぁ…結構歳の筈なんだけど、何か聞いたら思った以上に"元気"なんだよねぇ…あの人。案外、まだまだ長生きするかも…最近も、私がいつ来るんだとか父さんに電話で聞いてるとか…」
「…ちゃんと私と一夏を連れて行けよ?」
「あー…うん、それは分かったよ。」
実際に手を出して来るわけじゃないし、実質無害なんだけどなぁ…
「…あんまり聞きたくないんだが…」
「何?」
「…本当に、祖父とは何も無いんだろうな…?」
「っ…えっ、と…」
「!…おい、何だその反応は?まさか「あ、いや…本当に何も無いよ…?」…無い奴の反応じゃないぞ、それは…正直に話せ。」
「えっと…言わないと駄目かな…?」
「言わないなら…今すぐ束に連絡して、お前の祖父の家に襲撃に行くが?」
「それはやめて欲しいなって「何で庇う?」…ふぅ…いや、あんなんでも一応…私にとってはたった一人の祖父だからさ…何より、私の裸を見たがる理由も理由だし「よし、殺そう!」待って!?本当にちょっと待って!?」
「止めるな!」
「…ふぅ…心当たり話したら、やめてくれる…?」
「内容に寄るぞ。」
「…ハァ…確約してくれないなら言わないし、何なら…兄さんと父さんに電話するよ?」
千冬も、あの二人には勝てないだろうからね…あ。
「…束?どうせ見てるんだよね?勝手に動かないでね?仮に千冬と二人で行っても、あの二人敵に回して生き残る自信は無いよね…?」
カメラの位置は分からないけど、盗聴器か集音マイクはこの部屋に有るんだろうから取り敢えずそのまま言う…とにかく、恋人と親友が私の家族と殺し合うって事態はさすがに避けたい…
「…お前、そこまでして庇うのか?」
「私は中立…でも、どっちにしろやめては欲しいよ?」
「何故…そこまで…」
「ハァ…そもそもさ、元気って言ったってそれなりの歳なのは事実だし…何れ放っておいても死ぬ人をわざわざ殺して、千冬と束が刑務所入りとか…私は嫌だよ…しかも、寄りにも寄って私の身内を殺してとかさ…」
「…ハァ…分かった、何もしないと約束する…その心当たりとやらに付いて話せ。」
ふぅ…危なかった…と言うか私も、一々思い出さなきゃ良いのに…ついてない。
「…じゃ、私も話すよ?…小学生の頃…まだ千冬や束と会う前の話なんだけど…一度だけ、身体拭いてる時に後ろから抱き着かれてあちこち触られた事が有ってさ…」
「…おい、小児趣味は無いんじゃなかったのか?」
「…言ってなかったっけ?あの人とお祖母様が会ったのは幼少期…二人は幼馴染ってやつだったんだってさ。」
「成程……じゃない。その当時からそう言うのが有るのは、さすがにほぼ有り得ないだろ。」
まぁ、確かに…仮にあの人にその頃からそう言う気が既に有ったならさすがに二人はくっ付いてな……ん?
「…と言うか、仮にお前の祖母が幼少期の頃からそう言うのを気にしないタイプだったとしてもだ…さすがに、お前に手を出そうとするのは違うだろ?」
「いやまぁ、うん…そうだね…」
まぁ、それはそう…でも、正直お祖母様の事に関してはそう言う可能性は有ったのかも…
「何だ、その反応は?」
「いやぁ…仮に祖母も私と性格似てたなら、その頃からそう言うの有っても本当に全く気にしてなかったのかもって…ちょっと思ってさ…」
実はくっ付くべくして、くっ付いたのかも…
「…ま、それは確認取れないし…今は良いだろ。で、どうなったんだ?」
今はもう怒ってると言うより、私を心配してる表情…いや、まぁ…怖くなかったのかとか聞きたいなら…それは杞憂なんだよね…
「あの時点でお尻にこう、硬い物が当たっててさ…すぐに察して「やっぱり殺しに」…千冬、そこでやめないと本当に二人に連絡するよ?と言うか、私も止めるよ?」
そりゃもう、命懸けで。
「…行くなら、お前を殺さないといけない感じか?」
「あの人がどうなろうと、私も今更そんなに気にしないけどさ…千冬と束が殺すって言うのは駄目…本当に、この場で止まってくれないかな?そもそも約束したよね?それをやめないなら、私は話さないって…約束破る気?」
「…ハァ…分かったよ…で、それから?」
今の千冬の目付きを見るに、この後私が性的に襲われるのはほぼ確定…かな。まぁ、それで諦めてくれるなら良いんだけど…
「…ハァ…ま、さっきも言った通り…あの時点で、私自身は既にそう言う知識有ってさ…」
「…相当ませてたんだな…」
ま、それ言われたら何も言えない…そう言えば仮に知識ゼロだったんなら、あるいは千冬に性的な興味は持てなかったかも知れない…ま、それはそうと…その件に関しては必ずしも、単に私が早熟だったとかでも無かったりする…
「…いや、あの頃私をいじめてた中に当然男子も何人か居たんだけど…所謂エロ本持って来た事が有ってさ…男子は良く分からないまま興奮してて、女子も良く分からないけど恥ずかしい…みたいな感じだったんだけどね…まぁ、確かに普通は理解出来無いよね…使われてる漢字も難しかったし…」
「…内容理解されてたら、そう言う意味で襲われる可能性は有ったと?」
「ま、多分…で、これ以上は脱線するから結論だけ話すけど…私の場合、趣味が当時から読書でさ…私の歳だと難しいだろう本も、習った事無い漢字出て来たら辞書を引いて読む癖が普通に有って…要は、その本の内容を完全にチラ見では有ったし…きちんと理解したって程でもないけど…読んでそのまま知識として頭に入れるが、その時の私は出来ちゃったと…」
「…だから、ソレが当てられた時点で…祖父が何をしたいのか、分かってしまったと?」
「…まぁ、はい…」
いやまぁ、あの時って怖かったと言うわけでも無く…最低限、知識は有りましたって言うのは…何か説明するの恥ずかしいよね…当時からエロガキだったとか言われても、反論出来無いし…
「ふぅ…ま、だから…あの人に言ったんだよ…子供出来ちゃったら困るでしょって…そしたら、一瞬硬直してから離れてくれてさ…まぁ、それ以降は…あからさまに手を出される事は無かったから…」
まぁ、実際に襲われても初潮前だったから…多分出来無かったとは思うけど…
「…あー…萎えたのか…」
「でも無い、かな…それからもずっと…私の裸見る度にアレが反応してたから…少なくとも、完全な小児趣味では無いみたいだね…」
「それは学生時代だけじゃなくてか?」
「…生憎、私が大人になってからも変わらなかったねぇ…」
「それは、本当に害が無いと言えるのか…?」
「いや、無いでしょ。私は結局、本当にそれからは何もされてないし。」
その後、仮にオカズにされてましたとか分かったとしても…私からしたら『だから?』って感じ…実際に手を出して来ないならそれは別に勝手にしてくれ、としか。
「気持ち悪いとか「無いねぇ…いや、向こうが気を付けてくれてても父さんや兄さんのを事故で見てしまうとかはやっぱり数回は有ったし…私からしたら、変化無しか…反応してるかのどっちかって言う感想しか無いし」…そう言えばお前、本当に一夏に裸見られても全く気にしなかったな…」
「それはだって…別にわざとじゃないなら、特に怒ったりとかする必要も無いじゃない?…何なら、一夏君は私にとって普通に家族みたいなものだし。」
と言うか、仮にわざとそうされたとしても…一夏君の場合…手を出されないなら、やっぱり気にならないかなぁ…そう言う歳頃なんだなぁ、としか。ま、例えば下着盗むとかまで行ったらさすがに叱る必要は有るのかなぁ…面倒臭いけど…と、要は本当にそう言う程度。
てか、仮に襲われたとしてもわざわざ怒るの面倒では有るよねぇ…そう言うの下手に抑制するの後でトラウマになるとかも聞くし…まぁ、その時は千冬呼んで多少話し合いはするかもね…
「…色々な意味で、こうして付き合ったのがお前で良かったのかどうだか…悩む問題だな…色々不安になって来たよ…」
「…って、言われてもね…私の中で、いくら性別違うからって仮にも恋人の弟で…私にとっても可愛い弟分って認識の彼を嫌うとか、天地がひっくり返っても有り得ない…って、感じなんだよね…例えば束も、仮にそう言う事故起きても彼を怒るとか嫌うとか…先ず無いんじゃないかな…本当に私たちに近い身内で、彼に事故で下着姿や裸見られて怒るのって…結局箒くらいじゃないかな…」
何なら、仮に彼女がそこで怒ったとしても彼女が一夏君を嫌う姿がまるで想像付かない…最後に会ってから結構経つとは言え、彼女は一夏君にベタ惚れだったからね…ま、今現在は会ってないわけだから…断言は出来無いけど。
後他でそう言う存在の女子って言うと、鈴や蘭ちゃんくらいかな…あの二人、果たして怒るのだろうか…怒るどころか悲鳴上げて、その場から逃げる以上の展開が思い浮かばないなぁ…まぁ、他の男子相手なら怒りそうだけど…あの二人も一夏君が好きだったからね…とは言え、今現在ハッキリ気持ち確認出来てるのは実は蘭ちゃんだけだけど。……あ。
「脱線してたね…ま、とにかく…今は大丈夫だよ。」
「…お前…もしかして、面倒だからまた起きる可能性考えてないとか言わないよな…?」
「……」
ま、それは正直…大いに有る。赤の他人ならまだしも…"身内"だからねぇ…あんまり下手な対応、こっちも出来無いと言うか…まぁ…
「さすがに今は襲われたら抵抗するから大丈夫…だと思うよ?」
「…お前、例えば痴漢されても抵抗してないんじゃないか?」
「……」
まぁ、それも…実は普通に有る。結局の所、赤の他人相手でも面倒では有るんだよねぇ…と言うか、痴漢に関してはすぐ飽きるでしょこんな面白味の無い身体…と言う感じで放置してるパターンが多かったりする。
「都合が悪くなったからって一々黙るな。」
「いやぁ…だって面倒だし…」
「あのな…お前は私の恋人じゃないのか…?」
「…ま、それはそうなんだけどね…」
別に私は、誰にどうされようと構わない…と言うわけでもない…もちろん、別に浮気願望も無い。千冬に対して、それを考える程の不満も無い…まぁ、全く不満が無いかって言われるとアレだけど…私には、その気はこれから先も無い。ただそれでも言えるのは…
「何度も言うけど…正直に言えば面倒臭いんだよね、千冬や束みたいな…ハッキリ私の中で身内と定義してる人以外から情欲向けられたとしても、一々まともに相手するのがさ…」
わざわざ抵抗するのも手間だしね…もう、最低限一線さえ越えないなら別に好きにしてくれとしか…男女に限らず…性欲って、抑えられない人はどうしたって抑えられないモノって言うのが私の認識だし…実際、あんまり出来て無い人が私の横に居るわけだしね…まぁ、束の言葉を借りるなら…"有象無象"と千冬を、私も一緒くたにしたくはないんだけどさ…ふぅ…とは言え、これをそのまま言うわけには行かない…何なら私も別に、千冬と束…他には有っても一夏君の様な…きちんと"身内"と定義出来てる人以外でそう言う存在が欲しいとは思わないしさ…と言うか、仮に有っても後は一夏君だけでお願いしたいかな…私の身体がもたないし…う~ん…どうしても千冬が私を信用出来無いなら…
「じゃあさ、私を完全に千冬の物にしちゃってよ。」
「…どう言う意味だ?」
「私を監禁しても良いって事…千冬なら、良いよ?」
俗世から隔離されたら、もう私が千冬や一夏君に出来る事は無くなる…でも、千冬が裏切られるのが怖いって言うなら…それも仕方無いかな。
「…ハァ…出来るわけないだろ。」
「遠慮は要らないよ?」
「そうじゃない…全く、どうしてそうまでお前は私に合わせようとする…?」
「どうしても何も…私は千冬に全部あげちゃったからねぇ…ま、身体だけは…現状束と共有になってるけど。」
「ハァ…しない。それをしてしまったら…私が見ていたいお前では無くなる…私が嫌がってても、お前はそれを望むのか?…それでもと言うなら仕方無いがな…安心しろ、仮にそうなっても…最後まで面倒は見る。」
ここで私に委ねるのか…ふぅ…ま、良いけど。
「千冬が望まないなら、私からはしてと言わないよ「と言うか、私が欲しいは基本的に言わないよな…お前」…んー…結局今の所言う暇が無いんだよ、その前に千冬が私を求めるから…」
まぁ、何なら…私自身全く何もさせて貰えなかった以前と違って…最近は私も千冬に触れる事はちゃんと出来てるから、改めて言う必要も無いかなって。
「…なぁ?」
「何?」
「今、お前に触れたくなったと言ったら?」
取り敢えず時計を見る…普通に今は午前中でまだ朝方…一夏君は学校だし、十分に時間は有る…ま、明るい時間から盛ってるのはどうかとも思うけど。
「…もちろん良いよ…脱ぐ?」
若干の戸惑いが有ったりはする…いや千冬の場合、あまり私に了解取らずにいきなり覆い被さって来たり…何なら押し倒して来るから。
「…いや、取り敢えずそのままで良い。」
「ん?良いの?」
「今は、お前を抱き締めていたいだけだ「しないの?」…したいのか?」
「じゃなくて…千冬は本当はどうなのかって聞いたの。一夏君はまだ帰って来ないし、遠慮はしなくて良いよ?」
「…今は本当に良い。抱き締めていたい……やりたくなったら脱がす。」
「…成程、了解。じゃあ前から?後ろから?」
「…なら、後ろからが良い。」
「…千冬はそのパターンが好きだねぇ…あ、立つ?それとも、千冬の上に座る?」
今はソファに座ってるからねぇ…
「…私の足の上に座ってくれ。」
「はいはい…重かったらごめんね?」
「それは絶対無いから大丈夫だ。」
いや、私は羽毛じゃないんだから全く重くないは嘘でしょ…ま、良いけどさ。私は立ち上がり、千冬の足にあまり衝撃を掛けない様にゆっくり時間を掛けて腰を下ろした……何かコレ、トイレに居る気分になって落ち着かないなぁ…っ!
「…んっ…いや、あのさ…こう言う時って普通、私のお腹の辺りに手を置くもんじゃないの?」
「何処に手を置くかは決めてなかっただろう?」
まぁ、そうだけどさ…まさかいきなり人の胸に手を置いて軽くとは言え揉み始めるとか、思わないじゃない…ま、良いけどさ…んっ…
「…っ…あのさ、私の方がスイッチ入っちゃいそうなんだけど…」
「…安心しろ、私も長くもたんだろうからな。」
「今は、お前を抱き締めていたいだけだ…とか言ったのは、何処のどなただったっけ?」
「さぁな…そんな奴居たか?」
「…まだ、発せられてから分じゃなくて…秒しか経ってないと思うんだけど…」
もう記憶にないわけ?
「んっ…」
正直、素直に感じてしまう…でも、込められてる力があまりにも弱いから…何か物足りなく感じる…まぁ、千冬が本気になったら痛いで済まなくて引きちぎられるレベルだろうから、それに比べたらマシなのかな…
「…と言うか、せっかく家事してたのにエプロンとか付けないんだな、お前。」
「んんっ…いや、洗い物する時は使わないし…」
料理中は着けてるじゃん…まぁ、料理中は頼むから手を出さないで欲しいって言っては有るけど…危ないしね…
「んっ…ふっ……まぁ、今は上はシャツだけでブラも着けてないんだから…それで我慢してよ。」
「…次は裸エプロンのお前としてみたい…」
「んんっ……オッサン趣味だねぇ…料理中は絶対手を出さない、てかそもそも料理の最中は私だけでなく千冬も危なくなるからしない…普段料理の時に付けてるのをそのまま使うのは次に料理する時に衛生的に心配だから、これから先プレイ用を別に買うまで待つ…これ約束出来るなら、してあげても良いよ。」
「どうしてもか?」
「っ…絶対駄目。料理中に邪魔されて加熱した油が千冬に掛かったとかなったら、私が自分を許せなくなるから。」
百歩譲って、手を出す気が無いと言うなら…料理中…もちろん、一夏君が居ない時ならその格好でも良い…私一人が油跳ねとかで多少火傷するくらいで済むなら、それは別に構わないし…でも、千冬は手を出して来そうだからやらない。
「…じゃあ、擬似的にならどうだ?」
「んっ…!…料理はせずに、裸エプロンでキッチンにただ立ってろって事?それなら良いけど…でも、プレイ用を買うまでは待ってよね?」
「ああ、もちろんだ。」
擬似的って…AVでも見た?何か有りそうなシチュエーションだよねぇ…
「んっ!ふっ!んんっ!…千冬…その、そろそろ…」
「して欲しいならねだってみ「いや、じゃなくてさ」…ん?」
「っ…したいのは結局千冬でしょ?正直力強くなって来てるし…そろそろシャツが破けそうだから、そんなにしたくなったなら早く脱がして欲しいって…言ってるの。」
所詮安物だし、特別気に入ってるって程でも無いけど…脱がせば済む場面で破かれて処分って言うのは…さすがにもったいない…ましてや、一夏君がたまたま体調崩して早めに帰って来たとかなった時…咄嗟に着る物が近くにないと色々不味い…
「そっ、そうか…すまん…脱がして良いか?」
微妙に気不味そうな声が聞こえる…要は自覚が無かったのか…
「…んっ…ふっ…いつもそんなの聞かないじゃない…良いよ?好きにして…」
「…その前に、キスを「はいはい」…まぁ、お前は躊躇しないか…」
キスを要求された瞬間に手の力が緩んだのですぐに身体ごと前を向いて千冬に口付ける…いや、今更私がキスを躊躇するとか有るわけない…ましてや、貴女相手にそれは無いよ。それはそうと…
「…うん、やっぱり私は千冬の綺麗な顔が見れる方が良いかな。」
「…毎回そう言うのを、どうして躊躇無く言えるんだお前は…」
「どうしてって…最愛の人を褒めて何が悪いの?ちなみに、今は可愛いよ…千冬。」
赤くなり、何処か戸惑いの雰囲気の有るその顔は今度は違って見える…滅多に表情変わらない様で…ふとした時に変わるこう言うタイミング有るのが、私が千冬の好きな部分の一つ…千冬の表情は本当に、本人が思っている以上に良く変化する…そして、私は知っている…実は今のタイミングが結構変化する時なんだと…
「ほら千冬…目逸らさないで…あのさ、一つ確認するんだけど…」
「…何だ?」
「…千冬が私を後ろから抱き締めようとするのは…確かにその体勢が好きって言うのは有るだろうけど、本当はさ…見詰め合ったら、照れちゃうからだよね?」
人と話す時に時折視線を逸らす、は…実は日本人に良く有るパターンだけど、千冬もその例に漏れない…ちなみに私にその特性が薄いのは、海外の血が入ってるって言うのも有るのかな…そして千冬の場合、ただ慣習的に逸らすって言うのとはまた違う。
「千冬の場合さ…私が目を合わせようとすると結構な頻度で逸らすよね?最初は日本人特有のそれなのかと思った…でも、他に理由有るよね?」
「っ…」
今視界に入ってる千冬のそれは、明らかに違う…顔は赤いし…何度も視線を彷徨わせる…あまりにも、頻度が多い。
「正面から目を合わせようとしても中々そうしてくれないよね…私、それはちょっと寂しいんだけど?」
私の視線から逃れようとするかの様に、小刻みに動く顔を手で掴んで固定する……そんなに力は入れてないつもりだけど、痛くないかな?大丈夫だよね?
「ほら?私の顔はここだよ?…そんなに直視したくないくらい、嫌な顔なの?」
「っ!そんなわけないだろ!」
キッと睨みつける様に視線が定まる…少し恐怖を覚えるくらい強い瞳が私を見据えて離さない…恐怖も有るけど…ちょっとドキドキして来た…あー…私、本当にこの人が好きなんだなぁ…
「お前の顔が綺麗で!愛おしくて!こんなに美しい顔が恋人の顔なのかと思ったらだな…恥ずかしくて直視出来無いんだよ!分かれこのバカ!」
「…あ、うん…何か、ごめん…」
いや、私の顔を好きでいてくれていて…それであまり見詰められないのかも、とか…自惚れてるみたいだし…薄々そう思っていてもさすがに確信は無かった…そもそも私のこの容姿はコンプレックスでしかなくて…だから、からかうかの様に…冗談めかして聞いてみるしか出来無くて…だから、そしたら軽い調子で返してくれるかなって…それで…ううっ…
「あの…今、顔から火が出るかもってくらい熱いんだけど…どうしてくれるのかな?」
「知るかバカ!気付いてるぞ?お前また自分の容姿を卑下してただろ?何度も言っただろう?私はお前の顔も身体も性格も、何もかも全部好きだとな…そもそも、どう言い繕ったって誰でも皆最初は顔に惚れるんだ…お前が私についてどう思ってたか知らんがな…生憎、私だってそうなんだよ…お前からしたら、嫌な話なのかも知れんがな…もっと言えば、お前の顔は私のドストライクだ…おい、お前が逸らすな…人を散々煽ったんだから、もっと良く見せろ!」
いや、そう言われましても…色々、心の準備がさ…顔を真っ赤にして理不尽に怒ってる千冬もやっぱり綺麗で可愛くて…ううっ…あんな事言われたら意識しちゃって、直視出来無いじゃない…
「…いやあの…そんなにこの顔が欲しいなら、切り取って持ってく?」
ここまで来ても冗談で通そうとしてしまう私…まぁ、本当に欲しいって言うならあげるけども…
「ふざけるなバカ!お前の顔にその美しい声が付いてだな、そこにその身体も付いて来るから良いんだろうが!と言うか、もう全部見せろ!」
「…あの…全部って…脱げと?」
「それ以外有るか!そもそも身体も私の好みど真ん中なんだ!そりゃ、執着もするさ!痛がってるお前には悪いがな!それとだな!苦痛で悶えるお前の声も私は好きなんだよ!全部揃って、お前なんだ!」
煽ったのは私だけど…今自分で何言ってるのか、分かってるんだろうかこの人は…いやまぁ…そりゃもちろん、嬉しいんだけど…さすがに恥ずかしいし、何かもう色々複雑…と言うかこれ全部、束も見てる筈なんだよね…今どんな顔してるんだろうか…
「早くしろ!私が脱がすぞ!」
「!…ちょ!?待って待って!?破けるって!?自分で脱ぐからちょっと待って!?」
で、結局…恥ずかしさの中、ついゆっくり服を脱いで行く私を怒鳴りながらガン見…やっと全部脱げてからは色々ポーズ取らされて…写真も撮られて数時間…それ以上何もしないまま、本格的に一夏君が帰って来る時間が近付いて来た所で漸く千冬が我に返った…
「……すまん…」
「いや、うん…良いよ…私こそ、何かゴメン…」
一応、恥ずかしいだけで…決して嫌では無かったんだけどさ…う~ん…ま、取り敢えず…今にも自殺でもしそうな雰囲気醸し出してる千冬を宥めるのが先かな…
「ほら、そんなに落ち込まないで…少なくとも私、あんなに情熱的に求められて嬉しかったんだよ?」
一応、少し不安では有ったのだ…千冬は、自分からは私に対してどう思ってるのか言ってくれないから…確かに事ある毎に私の身体を求めるって言うその行動からある程度は伝わっては来てた…でも、私も別にそこまで察しが良いってわけじゃないし…千冬の心が読めるってわけでもないし…でも、今日千冬が言ってくれた事は…私の不安を纏めて、吹き飛ばしてくれた。
「ほらこっち向いて…うん、やっぱり千冬は綺麗で…可愛いよね…私の大好きな顔だよ。」
「っ…他は、どうなんだ?」
「んー?そりゃもう性格は元より、良く通るその声も…何なら、その大きなおっぱいとか含めて身体も大好き。」
「…お前な…そこで下ネタに逃げるのか…?」
「逃げるって…私、学生時代から千冬の胸を良く見てたんだけど…何なら、一回…時間の許す限り心行くまで、揉んでみたいとか思ってたし…」
「…ふぅ…急にぶっちゃけだしたな……何で最初からそれを言わない?」
「え?私、最近は割と触ってるよね?千冬のおっぱい。」
もう何か、あんな事の後じゃね…今更隠すとかないよねぇ…
「…アレを心行くまで揉めてるって言うのかお前は…」
「……」
まぁ、うん…満足するまで触った事は、実は今日まで一度も無い…と言うか、満足とかしないだろうけど。
「…いや、駄目だよ…それでOKされたら私…朝から晩までと言うか…下手したら、次の日の朝も普通に触ってそうだし…」
「…ふぅ…束に話を付けて、一夏を何日か預けるから…それまで待て。」
私の方を見ないまま、そんな事を言う千冬……ん?
「…いや、何日かって「不安なら、お前の母親にも予定空けて来てもらうか」…多分、今もまだ束の所に居着いてる気がするけど……じゃなくて、何…どう言う事?」
「どう言う事も何も…お前がしたい事をさせてやろうとだな…ちなみに日付けを多めに見積もろとしてるのは…私もまだ、時間を掛けてお前にしたい事が有るからだ。」
「…え?…いや、良いの…?」
「良いも何も…普段私からしてばかりで…しかもそれなりに負担も掛けてるしな…なら、たまにはお前の好きにさせてやろうとだな…」
「…え?いや、良いよ良いよ…そんなの千冬が辛いだけで「やかましい。そもそも前に言っただろう?私もお前にして欲しいんだ」…え~…」
「何で願いが叶うのに渋るんだお前は…まぁ良い…今更拒否権など与えん。」
「理不尽…自分勝手。」
「お前に言われたくない。」
いやまぁ…そりゃ…嬉しいけどさ…うん、やっぱり私…面倒臭い女だね…
「あのさ…そんな事言われたら、私いっぱい揉むし…何なら吸うし…下手したら噛むかもよ?」
「普段お前の言ってる言葉を返すぞ?そんなに私の胸が好きか?」
「…好きだよ。好きに決まってるじゃない…」
好きな人のおっぱいで…しかもデカい…こんなの、揉みたいし…吸いたいし…したい事はそれなりに色々有る…もちろん、おっぱい以外にも色々。
「ふぅ…ま、その程度なら好きにしろ…忘れたか?私の身体はもう、お前に委ねたんだぞ?」
まぁ、確かに…私はもう命以外、私は"織斑千冬"と言う存在の大部分を受け取っている…命だけは拒否出来たけど…他は、出来無かった…千冬を縛っていたくはなかったけど…それでも、拒否出来無いし…返す気にもなれなかった…だって、本当に欲しかったから…
「本当に良いんだね?」
「さっきからそう言ってる…まぁ、今日は無理だがな…一夏がそろそろ帰って来るだろうし…何より、一日じゃ終わらないとか言ってるしな。」
多分、無理…だって…ずっと我慢してたから…
「…じゃ、その日を楽しみに待つ事にするよ。」
「ああ…お互いに、な。」
正直、そんな事出来たら…私はそのまま昇天するんじゃないかとも思うけど…ま、それも有り…かな。
「…ま、思った以上に日は残ってない様だが…どうするんだ?」
「そうだねぇ…」
千冬がここに来たのが、本当にギリギリのタイミングだからね…もちろん、それに付いて千冬を責める気は無いけども。
何処か出掛けるにしても確実に残りの日程だと慌ただしくなるし、何より後が辛い…
「まぁ、無理しないでここに居たら良いんじゃない?」
「…良いのか?」
「寧ろこんな慌ただしいタイミングで来させちゃって、こっちがごめん…だよ。元々、今回の私のワガママはアレを着せるのがメインだったし…残りの日程はゆっくりしてくれて良いよ…何なら後は、千冬がこうして一緒に居てくれるだけで私は満足だし。」
「…相変わらず、欲が無いな…お前は。」
いや、欲深いからあんなの皆に着せようとしたんだけどね…まさか、油断して結局私も着せられるとは思わなかったけど…もっと早く準備出来てれば、そのまま通せたと思うんだけどなぁ…ま、今更言っても仕方無い…か。もう終わったんだし…
「あら…なら、二人で買い物でも行って来たら?」
「え?いや、特に急いで買う物は「……」…え?」
私がそう言うと、母さんは元より束に一夏君…何ならクロエまでもがジト目を向けて来た……え?え?本当に急に何!?…とか思ってたけど途中で気付く…ああ、コレはアレか…せっかくのチャンスなんだから、とっとと二人で出掛けて来いと…基本、私も千冬もどちらかと言えばインドア派だし…すぐに浮かばなかったよ…
……いや、あの…うん、何かさ…ふぅ…皆、私が察し悪いせいで気使わせてホントにごめんね!?…ハァ…何もそんなに睨み付ける様にこっちを見なくても良いじゃない…いやまぁ…私が自分でせっかくのチャンスをフイにしない様、善意でそうしてるのは分かるんだけど…結構視線の圧が強い様に感じるし…何も、そんなに焦って私を追い出そうとしなくても…うん、分かってる…皆の言いたい事は分かってるんだけど…さすがに、ちょっとショック…
「…そっ、そうだね…千冬、やっぱり買い物付き合って貰って良い…?」
「ん?ああ、構わないぞ。」
そして普段は私より遥かに場の雰囲気と言うか、空気を読める我が最愛の人は状況に気付いておらず…ハァ…ま、千冬には向けられてないから気付かないのも無理は無いんだけどさ…
「ほら、私が転送するから…んー…取り敢えず、レゾナンスで良い?」
まぁ、正直…急なタイミングだったから、特に何も浮かばないし…何処でも良いかな…
「うん、お願い…」
「はいは~い…じゃ、行ってらっしゃい。」
「…ふぅ…やっと行ってくれたね…ハァ…せっかく今回の為に■ちゃんの為に立ててた予定…ほとんどパーになっちゃったし…せっかくのチャンスなんだから、こっちに気使わないで早く行けば良いのにさ…」
「まぁ、パーにしたのはどうせ前日まで忙しかった癖に、結局休もうとせず…必要以上に貴女とクロエちゃんの世話を焼こうとしたあの子の勝手なんだから、束ちゃんはそこまで気にしなくて良いのよ?」
「…って言っても、私がもう少ししっかりしてれば■ちゃんに気使わせないで済んだのに……ふぅ…ま、過ぎた事を行っても仕方無いね…せめて残りの日程だけでも、楽しんで貰わないとね。」
「あの…皆様の雰囲気に飲まれて、思わず合わせてしまいましたが…本当に良かったんでしょうか…あんな、追い出す様な真似をして…」
「大丈夫だよ、クロエ…何だかんださ…■■さんは俺たちと居てもそりゃ、楽しいんだろうけど…千冬姉と二人で居られるのが一番楽しいんだろうからさ…」
「そう、なんでしょうか…」
「クロエちゃんにはまだ難しいかも知れないわね…そうね、例えば…クロエちゃんにとっての束ちゃんみたいな存在が■■ちゃんにとっては千冬ちゃんなの…お母さんでは無いけどね、要は同じぐらい大事な人って事。」
「!…そうなんですか…?」
「ええ。だから大丈夫…帰りはきっと上機嫌で帰って来るから…」
ま、それ以上だと束さんは思うけどね…きっと■ちゃんはちーちゃんに…何を捧げても惜しくないって感じだろうし……ハァ…こっちの気持ちも知らずにさ…あーあ…■ちゃんが恋しいなぁ…早く戻って来ないかなぁ…
「…あの、やっぱりアレ…束さんも多分そうですよね…?」
「一夏君は本当に鋭いわね…ええ、束ちゃんも…恐らくそうね…ホント、あの子は罪作りね…何ならまだ居そうで…時々、色々怖くなるわ…」
「大丈夫でしょうか…」
「…そうね…きっと大丈夫よ。あの三人なら、そう悪い事にはならないと思うわ。」
「…それなら良いんですけどね…」