買い物を一通り終え昼食も終えた私は少し遊んで行こうと誘われレゾナンス内のゲーセンへ……いや…私片手使えないんだけど?
ちなみに更識母やお手伝いさんたちは一足先に帰って行った。残ってるのは私たちの乗って来た車の運転手だけ。……運転手さんもそうだけどそもそもお手伝いさんや更識母は本当に私の買い物の為だけに来たみたい…やっぱり後でお礼言わなきゃ。
「…十秋ちゃん、上手いのね…本当にゲーセン初めて?」
「ええ、そうですけど?」
家に余分に使えるお金はあまり無い。一夏には付き合いがあるから最低限のお小遣いの範囲内で行ってるみたいだけど私はゲーセンに行った事は無い……今世では。
「まぁ…こういうのはコツが分かると何とか。ここが良心的な配置なせいもありますけど。」
……UFOキャッチャーは前世で散々やった。今更片手だからってこの配置の甘さなら早々ミスしない…ちなみに前世で私の取ったぬいぐるみの大半は千冬にプレゼントしていた……ああ見えて可愛い物が大好きなのだ……あの笑顔を思い浮かべると私も蕩けそうになる…
「十秋ちゃん?どうかした?」
「!…いえ、何でもないです。」
「…疲れちゃった?そろそろ帰る?」
「…そうですね、そろそろ…」
はっきり言って着せ替え人形にされるのは堪えた……本当にごめん、千冬…
「そっか。ちょっと待っててね。今まだ簪ちゃんと本音が対戦してるから。」
刀奈の見ている方に私も目をやると格闘ゲームに興じている二人が…久しぶりにやりたいけど私は片手使えないしなぁ…
ちなみに二人の対戦は意外と良い勝負だったが簪が最後に勝利を決めた。
「十秋、着いたよ?」
「…んっ。あれ?私寝ちゃった…?」
「うん、ぐっすりだったよ。」
「あー…ごめんね…今起きるから。」
「ゆっくりで良いよ。」
車から降りようとするが片手が使えないと意外と面倒臭い事に気付く。……う~ん…
「大丈夫?手伝う?」
「…うん…ありがとう、簪。」
「どういたしまして。ほら、ゆっくり降りよう?」
簪の介助で車から降りる……うぅ。本当に情けない…
「そんな顔しないで。片手が使えないならしょうがないよ。」
簪の優しさが身に染みる……私歳上なんだけどなぁ……
「……うん。」
そのまま簪に手を引かれ私に宛てがわれた部屋に向かう。
「着いたよ、十秋。」
「…うん…ありがとう…」
「良いって。…私の部屋は隣だから何かあったら何時でも呼んでくれていいから…」
「…うん。」
私は部屋に入った。