「…ん…ふわぁ…もう朝か…「あっ、起きた?おはよう、十秋」へっ?」
目を覚ますと簪の顔が目の前……???えっ!?何で!?
「もしかして…覚えてない?昨夜お母さんに怒られた後…十秋、そのまま私の部屋で寝ちゃったんだよ?」
うん。それは何となく察したよ。…でも何で簪の顔が目の前に…!
「……ごめんなさい。」
「良いよ良いよ。別に寝れなかった訳じゃないし…」
どうも私は簪の膝を枕にしてしまったらしい…さすがに正座の体制で真面に眠れる訳ない…そう考えた私は動きのぎこちない身体を無理矢理動かして土下座していた。
「今朝十秋ちゃん、簪ちゃんの膝の上で目を覚ましたって?」
笑い混じりで朝の食卓で話題を持ち出す刀奈。…いや、本当に止めて…さすがに落ち込んでくる…
「私の膝も使います?」
虚!?
「え~!私の膝も堪能して欲しいなぁ!」
刀奈!?
「じゃあわた「あっ、本音は良いや」何で!?」
いや。本音は無理でしょ、どう考えても…って!違う違う!
「いやいや!?今朝はたまたまですからね!?今晩からは自分の部屋で自分のベットで「昨日十秋自力でベットから起き上がれなかったみたいだけど?」うぅ…」
「ほら、皆十秋を虐めないの。」
お母さん……あれ?私お母さん呼びが定着した…?
「今晩からは私たちの部屋で一緒に寝ましょう?」
ちょっと!?夫婦水入らずの部屋で何て恐れ多いですって!?
……いけない!このままでは私のこの家での立ち位置が弄られキャラで定着してしまう……!
一夏ぁ!早く日本に帰って来てぇ!?
「ん?」
「どうした一夏?」
「何か十秋姉が俺を呼んだような……?」
「……一夏、体調が悪いならもう少し滞在しても……」
「千冬姉は仕事があるんだから俺がいたら邪魔だろ?そもそも俺も学校あるし…」
「…そっ、そうか……そうだな…」
「…時間あったら電話してくれ。もちろん俺たちもするから。」
「ああ。」
「んじゃあ、俺行くわ。向こうに迎えに来てくれるのは更識さんで良いんだよな?」
「ああ。更識楯無という名前だ…くれぐれも失礼の無いようにな。」
「大丈夫だって。千冬姉の顔を潰すような真似はしないよ。…じゃあまたな、千冬姉…」
「ああ。身体に気を付けるんだぞ。」
「千冬姉もな。」
……今日は世間一般では休日である…私はそもそも療養しなきゃならないんだけど…
「十秋さん、遠慮しなくて良いんですよ?」
つまり学校が違っても休みである以上、刀奈たちは普通に自宅にいる訳で…
「え~っと…」
「遠慮しなくて良いんですよ?さあ、どうぞ?」
とまあ虚から自分の膝を枕に昼寝を勧められる状況も有り得……そんなわけ無いでしょう!?
「いやいや結構ですから!?私そんなに昼寝が必要な程子供じゃ無いですし!?」
「……そうですか……」
そんなにしょげられたら罪悪感が…うぅ…仕方無い。
「それじゃあお願い出来ます…?」
「!…はい!どうぞ?」
私は彼女の膝の上に頭を下ろした。