「びっくりしたわ。一夏君って本当に十秋ちゃんにそっくりなのね…」
「いっ、一夏…!これはその…!」
「ハハハ…何か元気そうで安心したよ、十秋姉…」
虚の膝の上で目を覚ました私が見たのは刀奈に連れられドイツから帰って来た弟の苦笑顔…どうしよう…一夏に見られた……
「貴方が一夏さんですか?私は布仏虚と言います、宜しく。」
「織斑一夏です。しばらくお世話になります。」
狼狽える私を後目に自己紹介を始める二人…えっ!?私放置!?
「もう!硬いわねぇ!私たちは家族になるんだからもう少し砕けた感じでも良いのよ?」
「アハハ…善処します。」
「それじゃあ家の中を案内するわね。」
「はい、お願いします…えと…布仏さん?「虚で良いですよ?」じゃあ…虚さん、十秋姉の事お願いしますね?」
「はい、任せて下さい。」
そうして私に背を向け刀奈と共に部屋を出ていく一夏……えっ!?会話終わり!?私このまま放置なの!?
「一夏…」
「そんな顔しなくても一夏さんもこれからこの家に住むんですし何時でも会えますよ?」
そういう話じゃなくて…もういいや。
私は虚さんの膝の上で不貞寝を始めた。
「驚きました。十秋姉のあんな姿、家では見たこと無かったですから…」
「話に聞く限り貴方たちのお姉さん、結構手のかかる人だったみたいだし、今までずっと甘えるタイミングが無かったんじゃないかな?…そうでなくても親御さんもいなかったんだし、三人じゃ色々大変だったでしょ?」
「まあそれなりに……」
「しばらくここを自分の家だと思って寛いでくれて良いから…って、言っても難しいかな?」
「そうですね、中々…何せ千冬姉は家事全般駄目だったので俺と十秋姉の二人でやってましたから…」
「取り敢えずこの家は広いけど手は足りてるわ。でもまあ、何かしたいなら別に良いわよ……十秋ちゃんは当分無理だけどねぇ…」
「十秋姉の事、宜しくお願いします…結構無茶するタイプなんで…」
「…一夏君、それは貴方にも言えるんじゃない?少し顔色が悪いわよ?疲れちゃった?」
「大丈夫ですよ、このくらい…」
「まぁ貴方が良いなら良いけど…無理はしないでね?」
「ええ、分かってます…でも、寧ろ十秋姉の事を気にしてくれると…」
「そうね…しばらく彼女からは目が離せないわ。大丈夫よ♪この家の皆はもうあの子の虜だから♪」
「……クシュン。」
「十秋さん大丈夫ですか?」
「大丈夫です、多分一夏が私の噂でも「風邪をひいたらいけません。毛布をかけますね」いや、あの…」
軽い昼寝の筈が何で本格的に眠る状況に…と言うか私の話を…あっ、瞼が重く…
「おやすみなさい、十秋さん。」
……結局私が起こされたのは夕食が出来てからでした…