とまぁ…そんなこんなで更識家での日々はあっという間に過ぎて行った。…身体が治ってからも皆が甘やかすからすっかり体力が落ちちゃったよ…体の動かしたについてなら前世の知識もあるし、小柄な身長も何とか同年代の平均より少し下位まで急激に伸びたからスタミナも無くなったとはいえ、それでも逆に多少マシに動ける様にはなったけど…
「織斑一夏です、趣味は料理です。宜しく。」
控え目だけど模範的な自己紹介をして一夏が座る。直後に周りの女子が騒ぐ気配を感じたので耳を塞ぐ…まあこの場でただ一人の男子だし、身内贔屓無しで見てもやっぱりカッコイイもんね…って、あっ…次私だ。……どうしよう、何も考えてなかった…
「十秋姉、普段通り普段通り。」
私の不安が分かるのだろう。微笑を浮かべながら小声でアドバイスしてくれる一夏…それが難しいんだって。本当に何かの呪いだろうか?改めて今世の私はやけにポンコツっぷりが目立つ気がする……
「織斑十秋です。そこにいる織斑一夏の双子の姉です……以上です。」
このクラスの女子陣が一部を除いてずっこけた。…ノリが良いんだね…嘗ての幼馴染みの篠ノ之箒の呆れ顔や一夏の苦笑から目を逸らし現実逃避をする。
「アイタッ!」
突如頭に感じた痛みに叫びながら頭を押さえた。
「全く…お前は自己紹介位まともに出来んのか?」
「すみません、ね…織斑先生。」
私の後ろには笑顔の千冬が立っている。ビックリした事もあり、思わず姉さんと言いそうになった…そんな千冬の手には出席簿。…どうもあれで叩かれたみたい。…えっと…何時まで私を見てるの千冬?…あっ、あの~…?
「千冬姉、仕事仕事。」
私がいたたまれなくなっていると一夏が小声で千冬に言う。それではっとした千冬は咳払いをすると教壇に向かう。
教壇に立った千冬が自己紹介を始めた…
「さて、諸君!私が担任の織斑千冬だ!君たち新人を一年で使い物にするのが仕事だ!良いか?私の言う事ははいかYESで答えろ!」
一夏が目元を手で覆い溜息を吐く。千冬…それじゃあ軍隊だよ…本当に教師なんて務まるのかなぁ?
と、思っていると一夏がジェスチャーで耳を塞げと促す……何で?そう思っていると一気に黄色い悲鳴が轟いた。うるさ!?
……どうもこうやって高圧的にやられても千冬がやると好評な様…てか誰!?抱いてって言ったの!?
「全く…どうして毎回私のクラスにはこういう連中ばかり集まるのだ…?」
うん。十中八九千冬のせいだと思うよ…ほら、一夏も頷いて……ってやっぱりバレてるんだね、私…
……さて、ここはIS学園。一年一組の教室。何で私はここにいるんだろう?千冬がここの教師になったのは聞いたけど、今世はISに関わるつもりは無かったんだけどなぁ…
……まあ元はと言えば一夏と一緒に学費の安い私立藍越学園に行くために受験会場に向かったら何故かIS学園の試験場に向かってしまい、男性の一夏がISを動かしてしまい、一緒にいた私も普通にISを起動してしまったからなし崩し的にここに来る事になったってだけなんだけど…今思えば何か怪しいね…束辺りが仕組んでたりして…まさかね。
「自己紹介は終わってないが時間が無い。後は各自、休み時間の内にやっておいてくれ。ではホームルームを終える。」
そうして最初から教室にいた山田真耶先生と教室を出ていく……いやだからチラチラ私に視線向けないで!?出るならさっさと出て!?ほら、皆気付いてるから!?何事かと思ってこっち見てるから!?
私は悪い事をした訳でも無いのにまたいたたまれなくなってしまった…