「そう言えば…結局クラス代表って誰になったの?」
「ん?十秋姉は風邪でダウンしてるし、取り敢えず俺とセシリアになったんだけど…まぁ…俺になったよ。」
「…あ、そうか。」
別にあの試合…セシリアの実力の証明が目的だっただけで、勝った人がどうとかそもそも無かったしね。
「俺が勝ったのは完全にまぐれだしなぁ…俺はセシリアの方が良いと思ってたんだけどセシリアが辞退したからな、俺が請け負ったんだ。」
「辞退、ね…」
「俺が勝ったのは結局セシリアの油断の方が大きいからなぁ…他のクラス代表と戦って実力が上がるのは別に悪い事では無いだろうしな。」
「ま、それはそうと…そろそろ出ないといけないな。」
「あ、そろそろ良い時間だね…それじゃあ箒、ありがとね。」
「ああ…代わりに、と言っては何だが…さっき言ったコーチの件、一応考えてみてくれないか?」
「は…?いや、え!?アレマジなの!?」
「もちろん大マジだ。更識先輩にばかり迷惑はかけられんからな…最も、お前に負担をかける事にはなるから断っても構わないが…」
「う~ん…分かった、考えてみるね。」
「ああ、頼む。」
…箒の場合、子供の頃からやってた訳だからそのまま素直に日本剣術を習った方が良いんだけど…確かに本格的に習うチャンスは無いからね…箒の言う通り剣道の教えだけだと厳しいのは確かだし…検討はしようかな…
そんな事を考えながら私は自分の部屋に戻った。
その後は一夏と軽く話して、一夏が出て行った後制服に着替える(授業の準備自体は昨夜終わってるから問題無い…ちなみに刀奈さんは先に出たんだとか)
部屋から出ると一夏と箒が廊下に立っていた。
「あれ?待っててくれたの?」
「さすがに用意自体は終わってるだろうしな、制服に着替えるだけで良いだろうから…少し待とうかと箒と話してたんだ。」
「…そっか。」
二人と廊下を歩く…あ、そうだ…
「今日ってISの実技授業有るんだっけ?」
「ん?ああ、そうだよ。…そういや十秋姉は今日が初めてになるか。」
「うん。」
「お前いきなり実戦だったものな。…主にセシリアの暴走のせいだが。」
「あはは…アレに関しては本人はもう反省してるみたいだし…そもそも私はそんなに怒ってないんだけどね…」
寧ろあの時は素人の筈の私に代表候補生といきなり戦え、と言う千冬の方にツッコミ入れたくなったからね…
「…お前も一夏も…日本生まれ日本育ちなのに別に日本にそれほど思い入れなさそうだな…」
「う~ん…別に私や一夏に限った話じゃない様な…?少なくとも普通の高校生程度なら、日本で生まれた事による恩恵感じる事なんてほとんど無いと思うよ?」
子供にまともな教育を中々受けさせられない世帯が沢山いる国もこの世界にはあったりする訳だけども…義務教育を当たり前の様に受けて普通に高校、大学と進む日本の子供は…それだけでも日本で生まれた事がどれだけ幸せかなんて多分、考えもしない人がほとんどだとは思う。
……それが悪い事だとは別に私は思わないけどね。前世の私だって、特に何も考えずに普通に大学まで出たし…今世は私たちを義務教育である小・中学校に通わせるのすら苦労する千冬を見て意識した面はあるけど…
「逆に聞くけど…箒はやっぱり愛国心あったりする?」
「ん?私か?…まぁ、長く続く神社の娘になんて生まれるとな…とは言え、この国の政府の連中は正直嫌いだがな。」
「そうなの?」
「姉さんが起こした行動にも必ずしも問題が無いとは言えないし、何らかのバッシングも受けかねない状況で私たち篠ノ之家に証人保護プログラムを適用してくれた恩を感じてないとは言わないが…金は送っても特別他に何をしてくれたとも言えないからな…時折様子を見に来る政府の人間は子供嫌いなのか知らないが…かなり高圧的だったしな…」
「そんなに酷かったの?」
「……一緒に暮らしてた頃は父に何度か怒鳴られた事もあったし、怖がった事もあった…だが、アレで子供ながらに理解したよ…父は厳しくもあったが、確かに私を案じてる響きはあったとな…」
「そう…」