親友の妹に転生しました   作:三和

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「ん……ハァ…」

 

変な時間に睡眠取ったせいか、目が覚める…取り敢えず携帯を確認したら時間は午前二時…う~ん…この時間じゃ何かする訳にも行かないかぁ…刀奈も寝てるみたいだし……いや、寝てるよね?

 

「刀奈さん?」

 

「すぅ……すぅ……」

 

ベッドに横たわる刀奈にボソッと声を掛けてみたけど、特に寝たふりとかしてる感じは無い…ふぅ…ルームメイト、それもここに来る前から結構長く暮らしてて…ほとんど家族みたいに思ってる相手を警戒しないとならないなんて…

 

「う~ん…」

 

まぁ、そこら辺の懸念は一度置いておくとして…唸った所で別にやりたい事が見付かる訳でも無いし、かと言ってこのままだと寝れない…

 

「まぁ、ちょっとくらいなら良いか…気晴らし気晴らし…」

 

自分にそう言い聞かせつつ…寝巻き代わりに着てるシャツとハーフパンツからジャージに着替える…そのまま部屋を出てみた……左右に伸びる廊下を見渡すが、人の気配は無し…行きますか。

 

 

 

「うわ…普通に外に出れちゃったよ、ここの警備…もしかして結構ザルだったりする…?」

 

普通に何事も無くグラウンドまで出れた事に戦慄する…いやぁ…知りたくなかった発見だねぇ…

 

「そりゃあそうだろうな、外部の人間が侵入して来たならともかく…内部の奴が夜中に外に出たくらいで、警報は鳴らんからな。」

 

私の後ろから声が聞こえて来て身体がビクッと固まる…あー…思ったより見付かるの、早かったなぁ…仕方無く私は振り向いた…

 

「こっ、こんばんは…姉さん…」

 

「ああ、こんばんは……で、夜中に寮抜け出してお前は何やってるんだ?」

 

「いやその…眠れなくて…」

 

「……あー…私のせいか「ちっ、違」無理に否定しなくて良い、私も後で一夏から聞いて気にしてたからな……とは言え、寝れないのは仕方無いにしても…まさか抜け出すとは思わなかったぞ。」

 

「ごっ、ごめんなさい…」

 

「……本来ならそれなりに重い罰則を付けきゃならん所だがな…今回の場合、私にも責任が有る様だし不問にしてやる…ただ、このまま外に居るのを許す気は無いぞ。」

 

「あー…だよねぇ…」

 

「ハァ…ま、部屋に来い。」

 

「へ?」

 

「暇なんだろ?おしゃべりくらいなら付き合ってやる。」

 

 

 

二度目、と言うか二日目(じゃない、もう日付変わったから三日目になるのか)にまた寮監室にきた私……え~…嘘でしょ…?

 

「姉さん…何でもう部屋散らかってるの?」

 

「……何でだろうな。」

 

まぁ、さすがに一昨日程、酷くは無いけど…整頓下手なら二日経っただけでもこうなるか…ふぅ…仕方無い、か。

 

「うん、また片付けるから部屋の外に居て「いや…この程度なら退ければ」駄目だって…てか、このままの状態の部屋の床に座るの、私が嫌だよ…と言うか姉さん?この部屋…ゴキブリ居るの気付いてる…?」

 

「なっ、何…!居るのか…!?…っ!」

 

咄嗟に大声が出そうになったのか、慌てて自分の口を手で押える千冬…少しして手を下ろした。

 

「うん、居るよ…私も昨日、じゃなくて一昨日か…片付けてる最中に見てるし…と言うかゴキブリだけじゃないけどね…」

 

そう言えばここって、海のど真ん中にある人工島だよね…ゴキブリって、本当に海越えて来るんだなぁ…

 

「なっ…他に何が出たんだ「ワラジムシ」っ!っ!」

 

また口を手で押さえつつ悲鳴を堪える千冬……うん、怖がってるその姿も可愛い…いや、まぁ…千冬は私の知る限り本当に虫苦手だから…もちろん、可哀想だとも思うけどね。

 

「一応ワラジムシって益虫の側面も有るけど…人工島で、畑も無い…それも近代的な建物のここに居るのって可笑しいと思うよ?」

 

確かに時々家の中に侵入はして来るけど…多くの場合は基本、土の中に居る虫……あ、正確には虫じゃないんだっけ…確かエビやカニと同じ甲殻類だった様な…と言うか、ゴキブリは大抵貨物船の荷物の中とかに紛れて海を渡って来るのは良く聞く話だけど、ワラジムシって泳げたりする…?それとも、ゴキブリと同じ様に船に乗って来るの…?

 

「どっ、どうしたら…!」

 

まぁ、今はくだらない事考えてる場合じゃないか。

 

「う~ん…基本、害虫駆除専門の業者さん呼ぶのが早いけど…ここって外部の人…中々呼べないんだっけ?」

 

「あっ、ああ…残念ながらな…」

 

「なら、殺虫剤使うしかないね…ただ、ワラジムシに効く殺虫剤だとゴキブリには効かないけど。」

 

「なっ、何か手は…!」

 

世界最強の女性は虫が大の苦手、か…いや、まぁ…私からしたら可愛いと言う感想しか浮かばないんだけど…ファンの人たちが見たら幻滅しそうだなぁ…

 

「ゴキブリって、専用の殺虫剤使っても…軽く噴射しただけだと中々死なないんだよね…どころか、死んだ振りするし…」

 

ちなみに、私は前世と今世どちらでも騙された事が有る(フランスにも一応ゴキブリは居る…まぁ母さんが私以上に綺麗好きだし、家では滅多に見なかったけど)前世の時は殺虫剤噴射して、動きを止めた所で死骸を捨てようとして近付いたら…普通に飛んで逃げられて呆気に取られた事が有った…あの時は結局見つからなかったんだよね…

 

今世の時は…一番印象的なのだと、よりによって普通に私の顔に向かって跳んで来た事が有った…そう、羽広げて飛んだじゃなくて急に来るっと回転して腹を向けた状態からうつ伏せに戻り、文字通りに…私に向かって跳んで来た。あれは私もさすがに悲鳴あげたね…あの時は咄嗟に、一夏が丸めた新聞で叩き落としてくれたから何とかなったけど…最悪、本気でトラウマになってただろうね…

 

「ゴキブリに関しては生きてるのか死んだ振りなのかの判別も難しいんだよね…えっと、多分…姉さんには見分けられないよ…正直私も、あんまり確認したくないし…」

 

まぁ、確認しないと泣き見るのは私だから…基本的に嫌でも確認する様にしてるけどさ……お陰で逆襲された事も一度や二度じゃ無く…

 

「……ちなみに、どうやって見分けるんだ?」

 

「ゴキブリは死んでる時は手足を畳んで縮こまってる、生きてたら手足を広げてるの…たまに、良く見たら微かにピクピク動いてたりもするね…これが意外に、近付かないと見間違えるんだよねぇ…」

 

殺虫剤って普通、ある程度距離の有る所で使うしね…

 

「……確かに、わざわざ近寄って確認したくないな…」

 

「まぁ、こっちも業者さん呼ぶべきなんだけど…さっきも言った通り、呼べないしね…そもそも寮に業者呼んだら、理由も説明する事になるけど…」

 

「……いや、理事長に掛け合ってみる。」

 

「呼べるなら呼んだら良いと思うけど…本当に良いの?発生源は、確実に姉さんの部屋だってバレるよ?」

 

「背に腹は代えられん…大体、私のせいだけとは限らんだろう?」

 

「……」

 

一応女子寮なんだから、さすがにここまで部屋汚すのって申し訳無いけど千冬しか居ない気がするけど…そもそも唯一の男子の一夏ですらかなりの綺麗好きだし…まぁ、箒も居る部屋だしねぇ…と言うか、どうせすぐに散らかるからまた出て来る気はする…

 

「まぁ、姉さんがそれで良いなら良いんじゃない?とにかく、片付けるから部屋出てて。」

 

改めて確認も兼ねて言ってみたけど…やっぱりまだ苦手みたい…千冬がしばらく住んでたドイツってゴキブリ居ないんだっけ?気候的に生きにくいかな……アレ?でも、何か見た目が似てる虫が居るって聞いた気が……まぁ、今はどうでも良いか。

 

「すまん!頼む!」

 

千冬が物凄い勢いで部屋を出て行った…うん、あの怯え様…やっぱり可愛いな、千冬。

 

「さて、と…多分、出るよね…」

 

一昨日程じゃないけど結構散らかってる…と言うか、服を脱ぎ散らかさない様に言ったのに…寧ろ一昨日もそうだけど、この状況で一度も遭遇した事無いってのがそもそも不思議だよね…

 

「ハァ…やるかな。」

 

殺虫剤は無いけど…一応新聞は有るし、雑誌も有る…今日もこいつらで仕留めて行こうか。

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