親友の妹に転生しました   作:三和

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さっきからほとんどボーッとしてるだけの時間が続いてる…さすがに私の妄想も途切れて来て、欠伸が出そうになったのを何とか噛み殺した…とは言え千冬の方は今も話題を探してるらしく、私の方を見ている様で見ていない…てか何も別に話すのにこだわる必要は無かったし…何なら言ってくれれば部屋からトランプぐらい持って来たんだけど…(そもそも持って来るまでも無く、千冬の手元にもあ……いや、無いかも…前世の時も織斑家でお酒飲んでる時にたまたまやろうと言う話が出ても…一夏君のを借りてた記憶が有る…)

 

……そろそろ夜が開けるね、いよいよこの部屋に居る理由も無いのか…ちびちび飲んでたお茶ももう空だし…

 

「えっとそれじゃあ、姉さん?そろそろ「十秋」ん?」

 

「金に困ってたりしないか?」

 

……三時間は粘ってて、結果絞り出したのがそれ?えー…

 

「困るも何も、私や一夏の生活費払ってくれてるの姉さんじゃない…まぁ、答え自体はノーだね…多分、一夏もそう思ってる。」

 

てか私も一夏も…中学時代はバイトでもするつもりだったのに、そこまでしなくても問題無い程には毎月口座に千冬からお金が振り込まれてた…何だかんだドイツ軍もちゃんとお給料は払っていたらしい…とは言え額が額だったから、私も一夏もこんなに貰って大丈夫なのかと当時千冬に何度も確認したのを覚えてる…まぁ、私も一夏もほとんど無趣味みたいな物だしね…それに遊びに行く時の面子はいつも私と一夏と弾君や弾君の妹の蘭ちゃんに数馬君…そして、鈴。(ちなみに、小学生時代は鈴の代わりに箒が居た)

 

…で、普通グループで遊びに行くと散財する筈が…このメンバーだとほとんどお金を使わないんだよね…

 

大体、ご飯食べるにしても先ず…弾君と鈴…二人の家はどちらも食堂…両店とも息子(娘)の友人の上、子供で有る私たちから絶対お金を取らない方針と来てる…

 

実際、買い食いしたり…下手なお店入るくらいなら二人のお店の方が遥かに美味しかったりするから毎回自然とどちらかを選ぶ事に…いやまぁ、私だと普通のお店だと出禁になりかねないしさ…どっちも私がどれだけ食べても笑って許してくれたし、特に小学生の頃から通ってた「五反田食堂」の店主にして、弾君の祖父の厳さんからは初めて行った日にその食べっぷりをめちゃくちゃ気に入られた……まぁ、その後すぐに小学生の身で…見た目もとにかく怖いあの人に私は噛み付くことになったんだけど…いや、だって…私を蘭ちゃんと同レベルに扱うのは構わないよ?要は"家族"と認識してくれてるって事だし、嬉しくも有る…でもその分、元々良くない弾君の扱いが目に見えて悪くなって行ったのは許せない…前世の時と同じ、おたまはまだしも…中華鍋投げるのは何が有ろうと私は許容出来無い(そもそも、小学生の時からそんな扱いだったのかと驚いた…)

 

ちなみに結果…さすがに前世の時とは違い、受け止められず…弾君を庇った私の額に中華鍋は直撃、普通に出血した…

 

頭部から流血した小学生から一見拙いながらも、それでも正論で諭されると言うのはさすがに皆堪えたらしく…少なくとも私が知る限りにおいて、弾君の扱いは確かに改善された(小学生の時に状況変えられて良かった…てか、あの後弾君の成績上がったんだよね…やっぱり頭部へのダメージが……なんて、実際は勉強に時間を使いやすくなったんだろうけどね…)

 

……まぁ、その後千冬が食堂まで怒鳴り込みに行ったのは別の話…千冬にも心配掛けたし、怪我の原因は向こうにも有ると言えば有るんだけど…それでも厳さんを始め、弾君や蘭ちゃん…それから二人の両親にも迷惑掛けちゃったなぁと思う…まぁ、それでも千冬と厳さんが和解出来たのは幸いか…とは言え、大事を取って私は数日入院させられたからあの時の事に関しては一夏と弾君、それに蘭ちゃんが間に入って何とかしたと言う事しか知らない…ちなみにその間の私は病室で普通に柳韻先生や箒に怒られてたり…まぁ、あの誘拐の後で散々実感した今世の私の妙な体質を思えば…過保護だったとも言えないのがねぇ…

 

……いや、てか完全に脱線してるね…瞬時に当時の事をここまで連想した私って、結構頭の回転速かったり?

 

大体何の話だっけ…そうそう、生活費についてね。

 

「ドイツに居た姉さんからの仕送りでも持て余してたのに、その後は更に額増えたからね…」

 

普通に額が倍くらいに跳ね上がったから、ドイツ軍の教官辞めて日本に帰って来たばかりなのに何の仕事に就けたのかと一夏と二人で首傾げてたよ…何かのサプライズのつもりだったのか、千冬も頑なに明かそうとしないし…まぁ、まさか私だけならまだしも…一夏まで学園に通う事になったんだから最早サプライズとどころか、逆ドッキリの様相に近い…そもそも、今世の私はISに触れる気が無かったから…下手したらサプライズも何も無いんだけどさ…(私が必ず学園に来ると思ってた?)

 

「何と言うか、お前らはほとんど贅沢をしようとしないな…昔から。」

 

「一夏は分からないけど…私は昔から特にこれと言って欲しい物って無いんだよね……まぁ、食べ物以外は。」

 

ここで節約の理由の大半が私たちの物欲が薄いからと言うより…当初千冬のバイト代だけだと、生活がギリギリだった事は言うべきじゃないよね…そもそも千冬一人で食べ盛りの子供二人を養うのが本来無理だったし…実際、私が食べる量をどれだけ抑えても本当にギリギリだった…

 

当時五反田食堂に救われていたのは確かだね…だから、ああして反抗した事自体には罪悪感も少し有る…まぁ、一番気にしてたのは厳さんの方らしく…私が来ると手が空く度に様子を見に来てたね…と言うか何度も頭を撫でられた記憶も有る…いや、幸い傷もほとんど残らなかったしそんなに気遣われる程痛くなかったんだけどなぁ…

 

「まぁ、小学生の頃はともかく…少なくとも今はお金に困ってたりはしないかな…それに、さっきもチラッと言ったけど元々私も一夏もあまり余計な物買う方じゃないし。」

 

一夏もたまになら漫画くらいは買うし、私も一夏から借りた事有るけど…私個人が読むのは大抵普通に小説で買わなくても図書館行けば借りれるから…何せ子供向けの漫画雑誌よりハードカバーの小説の方が高かったりするしね…ちなみに当然、テレビゲームとは無縁だった…(まぁ、前世では多少やってたから改めてやらなくて良いかと思ってたのも無くは無い)

 

「と言うか、一夏はともかく…お前、服に金掛けないのか?」

 

「んー…あんまり興味無いんだよねぇ…」

 

少なくとも自分で服を買うならついつい安さと機能性を先に求めてしまうのが私…更識家ではさすがに見かねたのか色々言われたけど、結局今も癖は抜けておらず私はオシャレに興味が全然無い…強いて言うなら"黒い"衣服が良いと言う事くらい…(ちなみに下着も基本的に黒)

 

「姉さんはオシャレもさせてあげれないって気にしてたみたいだけど…私は本当に興味が無いんだよねぇ…てか、ぶっちゃけ面倒臭い…」

 

いや、結局最低限の格好出来てれば良くない?まぁ、私の場合それも怪しいけどさ…基本、夏場ですら黒い服にズボンだし…まぁ、今世では大丈夫そうだけど私は皮膚が弱くて日焼けが最早火傷レベルの酷い焼け方してたから、そのせいで露出を減らしてたのも有る…

 

こうして新しい身体で生を受けても今更そこら辺の習慣、変える気になれないんだよねぇ…ま、黒は女を美しく見せるなんて言うし…良いんじゃないかと思う。

 

最も、他の人に勧める気にはなれないけどね…黒い帽子とか被ってるとどうにも顔が見えにくいし、何なら顔色も曇って見えるから。……私がいくら黒が好きでも、他の人には出来るだけ勧めたくない。

 

「まぁ、お前が良いなら良いが…」

 

「うん。私はコレで良いの……あー…ところで姉さん?そろそろ夜明けだけどもう外出ても良いかな?ついでだし、一緒にランニングでもしない?」

 

「あー…もうそんな時間か…"ジョギング"なら付き合っても良い。」

 

ちょうど良いタイミングだし、このまま千冬の話題の出し方の下手さとか…諸々の問題はこのまま埋めてしまおう。

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