親友の妹に転生しました   作:三和

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何とか復習と予習を済ませ、ベッドに入ったものの…

 

「ん~…寝れない…」

 

仕方無く、身体を起こす…最近はほとんど思い出す事の無かった前世の学生時代の事が頭を過ぎる……う…体調が…改めて考えてみると、私の場合…あっちでの学生時代の思い出って割とろくでもない内容が多いんだよね…と言うか、正に今の状況そっくりだから…まぁ、今は静寐一人が積極的なだけだし…内容はあからさまでも、口頭での誘いだけだからまだマシな方…実際、小学生で私の監禁を目論むのはさすがに驚いたけど…普通に前世の学生時代(いや、さすがに高校からの話だけど)は…もう少し過激な事に巻き込まれた事も有るから…

 

当時は助言したり、慰めてくれる様な友人は居ても…千冬の様に何が有っても助けてくれそうな程頼もしい存在は居なかったから……と言うか、今思えば…当時頼っていた友人の中にも私とそうなりたい人居たっぽいのが何とも…幸い、皆は手を出しては来なかったし、今になって気付いてもショックは少な目(てか、相手が同性でも想われる事自体に別に嫌悪感は無いけど…無理矢理は勘弁して欲しい…)

 

「ハァ…」

 

実際、あの頃の事は私の中では少しトラウマ気味…社会人になってからは私の身辺もだいぶ落ち着いたけど、ちょうど今みたいにストレスのせいか寝れなくなったり…普通に吐いた事も有った…改めて千冬に会えたのが、私にとってどれ程幸運だったのかと思う…千冬に会えた後は不思議と当時の記憶に悩まされる事も少なくなったし…最も、結局その辺は私も千冬には言わなかったし…普段は私の中でも無かった事にしてた(と言うか思い込んでたね…それでもトラウマ自体は消えてないから、急に記憶が蘇って体調崩す事も稀に有った…)

 

ちなみに、兄さんと束には話した(と言うか、二人にも話す気は無かったけどトラウマ持ってるのが先にバレた…兄さんは一度連絡取って話をして以来、何度も実家に帰って来て私と良く顔を合わせる様になったし…束は油断してたらいつの間にか普通に私の部屋に居たりするから…まぁ、嫌でも二人に体調崩してる私の姿を見られる事に…)

 

「う…」

 

昔の事はともかく…今、私はいっそ吐けたら楽なくらい気分は悪い…とは言え、前世の頃散々吐いてた私は途中から体質が可笑しくなったのか…吐き気が出ても中々自然に吐く事が出来無くなった……何故か今世でもそうらしく、今も吐き気は有ってもそのまま吐けそうな気はしない…とは言え、そのままで居るのもキツい。

 

「しょうがない、か…」

 

今世でこうなるのは実は久々…多分、千冬と一緒に暮らしてたから何だかんだ安定はしてたんだろうね…その分、好きな人と毎日の様に顔を合わせる上、じゃれ付かれるのはまた辛い物が有るけど…そんな事を考えつつ、私はベッドから出てトイレに向かう…その際、チラッとベッドの上で眠っている刀奈の方に顔を向ける…… 起きない事を祈りたい…と言うか、吐いた時の臭いって案外残ったりするんだよねぇ…かと言ってあからさまに掃除したらさすがに刀奈は起きそうだし……ハァ…ま、文句言っても仕方無いか。

 

 

 

 

「っ…キツい…」

 

現在、トイレにて悪戦苦闘中…と言うか、やった事無い人には分からないだろうけど…喉奥にいくら指突っ込んでえづいても普通は吐けないもんなんだよねぇ…元々、人間の身体の通常機能にそれが無いからなんだろうけど…基本的に、自然に吐く事が出来るのは余程食べ過ぎた時や…アルコール入れたりして胃などに異常が起きてる時とか…所謂、"普通じゃない"時…ましてや私は前世と後世…どちらでも人より多く食べても食べ過ぎでは無いらしく吐き戻さないし、吐き過ぎて可笑しくなったのが何故か今世でも続いている為に吐けない…(いや、吐けないのが正常だから当たり前なんだけど)

 

「っ…うぇ…っ…ふっ…」

 

あー…普通に涙出て来た…と言うか、こんな状況でも冷静に自分にツッコミ入れてる私って何なのか…今は、吐く事に集中したいのに…

 

 

 

「ハァ…」

 

トイレのドアを後ろ手に閉めながら溜め息を吐く…幸い、刀奈は起きて来なかった様…さっさと顔を洗って歯を磨いてしまおう…バレると要らない心配を掛ける……ホント、楽しかった事や普通の出来事は忘れるのに嫌な記憶って無くならないよねぇ…何で今世になってまで悩まされないといけないのか…全く。

 

 

 

吐いたお陰か、体調は少しマシになったけどやっぱり寝れない…取り敢えず携帯を手に取り、時間を確認したけど普通にまだ夜中…さすがにこの時間に電話やらメールやら出来る相手は居ない…と言うか、刀奈が起きる…時間を潰す方法が無い…

 

「……」

 

結果、また私は部屋を抜け出す事を考える……また千冬に会えるかな、なんて…期待してないとは言えない…そもそも今回は普通に怒られるよねぇ…あ。

 

「外に出なきゃ良いんじゃない?」

 

……まぁ、そんな訳は無い…普通に、部屋から出るだけで問題だろう…でも、どうしても寝れない…私はベッドから出てジャージに着替え、部屋のドアを開ける……千冬は…居ないよね…?

 

「……」

 

私は静かに部屋のドアを閉める…さて、何処に行こうかな…元々、何も考えてないんだよねぇ…てか、外に出ないなら寮内をウロウロするしか無くなる…

 

「……注意されて数日も経たずに、また部屋を抜け出すとはな…」

 

ちょうど一歩目を踏み出した辺りで、後ろから声を掛けられてビクッと身体が硬直する…嘘、さっきまで確かに誰も居なかったし、ここから寮長室まで結構離れてるのに……う…振り向くの怖い…せっかく会えても恐怖心が先に出る…でもこのままって訳にも行かないか…仕方無く、私は振り向いた…

 

「こっ、こんばんは姉さん…」

 

「……同じセリフか。もう少し、エッジの効いた返しは出来無いのか?」

 

無茶振りじゃない…

 

「えっと…じゃあ、この場で何か考えるから…私が部屋から出て来た所からやり直すよ…それで、ウケ取れたら許してくれたりする…?」

 

「構わないが、反省文は書かせるぞ?」

 

「……それ、許してくれないって事じゃない…」

 

「寧ろ、何故許して貰えると思った?二度目だぞ?先日は私のせいも有った様だから見逃したが…ん?」

 

「なっ、何…?」

 

急に千冬が黙り、私の顔を黙って見詰めて来る…

 

「……泣いていたのか?」

 

「え…なっ、何で…?」

 

「……目が充血し、目蓋も腫れている…涙の後は無いから、顔は洗ったんだろうがな。」

 

しまった…洗ったのは良いけど目蓋冷やすの忘れてた…まぁ、多少冷やしたくらいじゃ中々腫れが引かないし…何なら充血は誤魔化せないんだけど…

 

「ハァ…また部屋に来るか?」

 

「……お邪魔します。」

 

……まぁ、タイミング的に断れないよね…最も、泣いてた理由は話せないんだけど…どうしたものか…

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