千冬と一緒に寮長室に来て早々…私はさっきまで悩んでいた事とか、諸々頭の中から消し飛ぶ事に…
「姉さん…私が最後に部屋を片付けたのはいつだっけ?」
「……一昨日だったな。」
「うん、そうだよね…私が勘違いしてるとかじゃないよね…じゃあもう一つ質問、良い?」
「……何だ?」
「……どうしてたった二日で、また部屋が散らかってるのかな…?」
「……何で、だろうな…私にももう分からん…」
部屋はまた足の踏み場が無くなってる…と言うか、この昨日私が縛ったゴミ、捨てれないの…?私も一夏に聞くのすっかり忘れてて結局曜日確認してないけど…通常と変わらないなら、もしかして今日辺り燃えるゴミの日だったんじゃ……まぁ、その辺は今は良い…取り敢えずこの部屋片付けるのが先だね…
千冬をまた部屋から追い出し…いや、と言うか…本当は居た方が良いのかも知れないけどね…千冬の場合、最低限ゴミの曜日は分かる程度で、実は分別の知識とかも怪しそうだし…ただ、千冬はこう言う時に居ると余計に仕事を増やすからそうも行かない……ま、結局私が一人でやるしか無いんだろね(実は今鏡見たくない…文句言ってるのはポーズで、きっと私の顔はだらしなく緩んでるだろうし…)
「ふぅ…良し。」
取り敢えず、ジャージの袖を捲る…さっさと片付けますか。
相変わらずテーブルを占拠する、大量のビールの空き缶と弁当の空き容器……ふぅ…何かもういっそ、私が毎日ご飯作りに来た方が良いのかも…てか、本当にドイツではどう言う生活してたの…?軍で仕事してたなら寮生活だと思うんだけど、まるで生活状況改善されてないの何で…?……と言うか、もしかして向こうの寮でも部屋散らかしてた?……当時は私の救出の協力した事を盾に、千冬を無理矢理教官にした事実だけ見てたから、あんまり良い印象無かったけど…向こうでもこれなら向こうの人も相当苦労したんじゃないかな……何かイメージ変わって来るね…言い方悪いけどこれじゃあ貧乏くじ引かされた様な物だし…
「ハァ……あ、また書類…って、あれ?」
床に落ちてる、何に使ったか分からない紙屑に紛れて出て来た書類…処分しようとしたが、書いて有るのは今より少し先の日付け…つまり、コレは確実に無くなったら困るやつ……いや、本当にもう少ししっかりして欲しい…
「クラス対抗戦、ね…」
本当は駄目なんだろうけど、ついつい読んでしまう……どっちみち私にはあまり関係無い内容だけど(ウチのクラスの代表は一夏だからね)
まぁコレは取り敢えず何処かに避けるしか無し、と……また書類…ん?何これ?途中編入……って、え…嘘…
「凰鈴音…鈴が、ここに来るの…?」
書類には凰鈴音と言う人物が編入して来る事について書かれている…写真とかは貼られて無いから、この書類に書かれてるのが…私の知る鈴本人とは限らない…同名の別人の可能性は有る…まぁ、もし来るのが鈴だったら素直に嬉しい…とは、今は言い切れないのが正直な所…一夏の言った話が気に掛かってるから…実際、今は普通に同名の別人の方が良いとさえ思う…
「鈴、私じゃないよね…?一夏、なんだよね…?」
……入って来るのが本当に"鈴"だったとしたら…当初入学しなかったのに、今になってわざわざ途中編入する目的なんて一夏か…認めたくないけど私しかない様な気がする…(一夏がIS動かして、ここに入学する事になった事はメディアで大々的に発表されたからね…一夏が入るなら、私もそうだと考える可能性は高い…)
「いや、まぁ…そうとも限らないのか…」
もちろん、セシリアの様に何らかの理由で後ろ盾を欲っしてと言う可能性も無きにしも非ず…まぁ、鈴が私を好きだと思う事自体が自惚れと言えばそう(そもそも、私はそんな展開望んで無いし…大体、まだ本人と確定もして無い)
「……まぁ、現状私にどうにか出来る話じゃないね。」
取り敢えずこの書類も見なかった事にして一旦避けておく…さて、さっさと終わらそう…
相変わらず掃除と並行して、ゴキブリやハエ、ワラジムシを処理する状況にうんざりする…
「ハァ…駄目だ…週末買い物行ったら、ゴキブリホイホイと殺虫剤買わないと…」
千冬の場合、自分で買わせても何かやらかしそうだし…てか、買い物行って…その後この部屋掃除して…うわ…初回から週末がそこそこハードなスケジュールになりそうで嫌だ……まぁ、安易にやると口にした私が悪いんだけど。
「千冬を荷物持ちにしたい…」
それぐらい要求してもバチは当たらないと思う……まぁ千冬は忙しいだろうし、無理だと思うけど。さて…
「ふぅ…こんな物かな。」
何とか昨日よりは早く終わった…今日もビール貰っちゃお。これぐらいのご褒美は有っても良いよね……てか、私また洗濯機回してるんだけど…もし、私が来なかったら…最終的に着る物無くなってたんじゃ…本当に、ドイツでどんな生活してたの千冬…?……まぁ、その辺はドイツ軍の人に聞かないと分からないね…
今世もさすがにビール一本程度ではほとんど酔わない私…でも、やっぱり少し大胆にはなる様で…
「はふぅ…落ち着く。」
万年床と化してる布団に寝っ転がって匂い嗅いでるとか、お酒入ってなきゃしようとも思えないよねぇ…と言うか、そろそろ待たせてる千冬呼ばないと怪しまれそう…でも、本人居たらアルコール入っててもこんな風に堪能なんてしてる余裕なんて無い…前世だとこんな事するチャンス…いや、勇気は無かった…夢が一つ叶った気がしないでも無い……いや、まぁ…本人にじゃれ付かれてる時の方が匂いは濃い筈だけど…その場合は私の方に匂い気にしてる余裕なんて無いし……んあ~…本当に、本音とは別のベクトルで癒されるぅ…と言うかこの嗅ぐ為に顔は擦り付けてるのって一種のマーキング?私がしてるのか、されてるのか……いや、酔ってると言うか私、思った以上に疲れてない…?明らかに思考が可笑しい……うー…ねかヤバい、そろそろやめないと本格的に欲情する…この後部屋に本人入れるし本当に不味い…この学園に来てから……まぁ、その…そう言う事を一切してないから…あう…っ…やっ、やるにしてもせめてトイレで…!だっ、だめ…!確実に臭いで千冬にバレる…!
『十秋、まだなのか…?』
「っ!?もっ、もう少しで終わるよ!?」
千冬の声が外から聞こえて思わず焦る…ふぅ…さっ、さすがにちょっと落ち着いた…と言うか、週末から私この部屋通うんだよね…?正直、我慢出来るか分からないかも……先にその…して、落ち着いてから部屋来ないと駄目かなぁ…最も、自分の部屋ですると同室の刀奈にバレるから厳しい所…ハァ…もどかしい…
「取り敢えず、もう少しだけ…」
……その気になれば、自然な流れで裸を見る事くらいは出来るのに、匂い嗅ぐだけって…ハァ…我ながら、本当にヘタレだよねぇ…でも、本人前にすると最悪…今でも気絶しかねないから仕方無い…