まぁ、そんなこんなで…漸く一夏が寮長室にやって来たのは放課後になってから…いや、もう二人の部屋で告白すれば良かったのでは?最もその場合、わざわざ私が立ち会うのも変な話では有るんだけど…
「一夏、私はお前が好きだ。お前は私の事をどう思っている?出来ればこの場で返事を聞かせて欲しい…」
……何とも箒らしい、真っ直ぐで漢前な告白。さて、一夏は何て答えるんだろうか…
「悪い…少し、考えさせてくれ。」
保留、ね…一夏にしては珍しい答え……う~ん…ここで答えを出さない理由は何だろう?もしかして、他に誰か好きな人居たりする…?
「ああ、じっくり考えてくれて構わない。」
と言うか、箒としてはこの答えでも良いのだろうか…二人は同室なのに。
「箒、しばらく部屋代わってあげようか?」
「……そう、だな…ただ、お前の一存で決めて良いのか?」
「一応刀奈さんには聞いてみるけど、多分断らないと思うよ。」
携帯を出す……そう言えば刀奈から連絡有るかと思ったけど…この時間になっても特に何の音沙汰も無いみたい…まさかとは思うけど、普通に私の今の事情知ってたりする?
…で、実際念の為メール送ってみたら普通に私がこの部屋で寝込んでいたのを刀奈は把握していて……何かもう何で知ってるのって、聞くのも怖い…もちろん、千冬が先に刀奈に連絡してた可能性も有る訳だけど。
気を取り直して、一夏と箒の置かれた状況は伏せた上で私と箒、部屋の一時交換について聞けば…刀奈は別に問題無いとの事…じゃあそのまま箒に伝えようと思っていた私に追加でメールが届く。
「"ただ…私は構わないけど、私に許可取るより先に織斑先生に言わないと駄目なんじゃない?"…か。まぁ、確かにね…」
千冬はここの寮長だからね…今だと、普通に職員室辺りで仕事してるかな…
「……ちなみに千冬姉は今職員会議出てるから、連絡しても返事出来無いと思うぞ?」
そう一夏から言われる……ん?
「多分それ、臨時のとかじゃなくて定例の方だよね?何で今日会議なの知ってるの?」
「……千冬姉…大して連絡事項も有る訳じゃないのに出ないといけないとか、色々ボヤいてたからな…」
「……」
いや、さすがに生徒にその辺言ったら駄目でしょ…
「取り敢えずメールは送っておくよ…私もさすがに体調も落ち着いて来たから、もうここに居ても仕方無いし…」
「と言うかお前、すぐ移動出来るのか?」
「元々私も一夏も…部屋に大して荷物置いてないからね…」
何せ荷物準備したの私たちじゃないから。
「……何かすまんな、私の為に…」
「私は別に良いんだけどね…」
今更一夏と二人きりになる事に対して特に思う所は無い。寧ろ刀奈と二人きりの方が疲れる事も時折有る…
「まぁ、代わるって言ってなんだけど…割と刀奈さんアレな人なんだけど…良いかな?」
「基本的にあの人の興味はお前や一夏に有ると思うが?」
それは、そうなんだろうけどね…
「いや、このタイミングで部屋代わる理由は結構しつこく聞いて来ると思うし…何ならその後普通にからかって来ると思う…」
「……からかうも何も、私は本気なんだから…その辺はつつかれてもそんなに気にならないと思うがな。」
「……箒が良いなら良いけどね。」
こういう時の刀奈は、本当にしつこい方だと思うけど…
「そんなにしつこいのか?」
「実際、恋バナ好きでは有ると思う…」
そこら辺は普通に歳相応と言うか、刀奈の女子高生らしい一面と言えるかも…そんな事を考えていたら箒が私の方に顔を寄せて来る…私の顔の横に来た所で口元に手を添えて小声で話し出した。
『お前的には歳下の扱いなんだろうが…今世では一応歳上なんだから頭の中で考える時も呼び捨てにしない方が良いんじゃないか?』
『やっぱりバレると思う?』
『少なくとも私は分かるな…一応向こうも気付いてて、スルーしてる可能性も有るとは思うが。』
『何か今更変えれないんだよねぇ…もう口に出す時とは分けちゃってて、かなり意識しないと難しいかも…』
『まぁ、あの人はそれで一々怒るタイプの人にも思えないがな…』
箒が私の方から離れる…
「取り敢えず、十秋姉はもう大丈夫なんだろ?」
一連のやり取りは見てた筈だけど一夏は聞かない事に決めた様…まぁ、前世の話は今の所一夏にもする気は無いからね…
『いや、だから今のお前ならバレるぞ?』
『うん、気を付ける…』
この後一夏と部屋で二人きり…何か結局バレそうな気もするなぁ…