親友の妹に転生しました   作:三和

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結局それからもグダグダと話し、千冬が部屋に来るのを漸く思い出した時には結構時間が経ってた…

 

「まぁ、この話をする予定だったから呼び出した…で、良いんじゃないかな?」

 

ちなみにあれから一時間程経ってるけど、結局箒の携帯にも…私の携帯にもメールの返信は無かった…定例の上、大した連絡事項も無いと言う話の割には結構時間が掛かってることを一応気にしてはいる…

 

「お前な…それだと呼び出した意味が…いや、良い…もう私からは何も言わん。」

 

「まぁ、俺は急いで十秋姉に告白させる気も無かったけどな…どうせ無理だろうし。」

 

「……そう言ってくれると助かるかな。」

 

いや、もう私の場合…決心する、しないの話じゃないから……てか、一夏の言い方はどうにも癪に障る…実際出来無い訳だから反論も引っ込めざるを得ないけど…そう考えながら私はメールの送信を確認して携帯をポケットにしまう…と言うか、改めて考えると夜中抜け出す時もこうして携帯持ち出してるのは何なんだろうね…仮に私がここ脱走しても無意識に持って来てた携帯のGPSとかで発見されそうでは有る…

 

「まぁ、千冬姉にはもうメール送ったんだし…取り敢えず部屋の移動始めちまうか?」

 

「と言うか、早めに一夏用に一人部屋用意してくれたらこうまで動かなくて済んだんだけどね…」

 

「考えてみれば、少々タイミングは悪かったか…」

 

「いや、だから私の為に告白して良いのって聞いたじゃん……言ったのは呼び出した後だけどさぁ…」

 

「十秋姉…それ言ったらおしまいだろ?」

 

「そうだけどさ…」

 

実際の所、一夏のした返事はあくまで保留で…結局一夏が箒を選ぶ可能性は高いからこの程度で済んでるけど…それでもこうやって蟠りが残るなら、もう少し時間を掛けても良かった気がしないでもな……あー…そう言えばそれじゃ駄目なのか…セシリアがアプローチ掛けて来てる訳だし…

 

「そうだ、私にはあまり時間が無かった…と言うか、いつかのお前のアドバイスに従った故とも言える…実際、こうして一夏は私を恋愛対象から外してた訳だしな…」

 

「まぁ、幼馴染みって関係性はどうしてもそう言う枠から外されるのが常だから…何せお互い良い所も悪い所もだいたい知ってるからね…」

 

特に、大抵は男子より女子の方が精神的な成熟をするのが早いのがとにかくネック…実際、箒とは寧ろ逆の例になるかも知れないけど…前世の私の女子の友人の中には小さい頃から一緒の男子が居て…初めは一緒になってふざけていたのに、途中からいつまでも子供っぽいパートナーを世話する様になって…最終的に高校も一緒で、二年の時に告白されたけど…あくまで弟の様な感覚にしかならなくて…結局彼の事を異性としては見れず振ってしまったと言う話を聞いた事が有る……まぁ、実際は高校の時点では彼もさすがに大人びていて、その後普通に彼は恋人も出来て…後から彼の魅力に気付いて彼女は枕を涙で濡らす事になる、と言う悲しいオチが付くと言うのが私の知ってる話…

 

『確かに私とは逆だな…』

 

何かもう、前世の話に関しては箒にはどうやってもバレる様になってるね…幸い、一夏はまだ分からないみたいだから良いけど…そう思いながら、私は箒の小声に返事を返す。

 

『まぁ、どちらかと言えば一夏の精神の成熟…早かったよね…小学校の教室で同年代の男子が騒いでる中、普通に溜め息を吐いて呆れる一夏の姿…どう見ても真面目な姿を演じてるとかじゃなかったし…』

 

恐らく、普通に五歳ぐらいは周りの子より先に行ってた様に見えた一夏…まぁ、モテるだろうね…

 

『その辺は普通にお前のせいの様な気がするがな?』

 

『私の?』

 

『仮にお前が私の姉だったら、私も大人しくなるのは早かっただろうさ…』

 

『……当時、散々私に突っかかって来た箒がそれ言っちゃう?』

 

『あの頃の私にとってはお前は恋敵の認識だからな…完全に身内だったら、私の対応も変わるさ…大体、姉さん程歳上ならまだしも…お前は歳は同じだからな…』

 

『いやあの、もしかして私…当時箒の中でかなり子供っぽい認識されてた?』

 

『正直、今も十分にガキだと感じるがな…大体無意識なんだろうが…前世が有るのを良い事に、人生経験豊富な振りして心の中でとは言え、毎回マウント取りに来てる奴がガキじゃなかったら何なんだ?と言うか、仕掛けたのは私からとは言え…同じく私に向かって来たお前がガキじゃないと言うのは無理が有るだろ…』

 

『自分のやった事棚に上げないで欲しいな?今自分で言った通り、あくまで先にケンカ売って来たのは箒でしょ?軽傷では有ったけど、あの時の一夏の怪我…しばらく残ったんだからね?』

 

『アレな…まぁ、確かにアレは私が悪いがな…』

 

剣道の竹刀は剣を模してこそいるものの…一応打突武器…要は打撃用武器のカテゴリーになる…結果竹刀で殴られる事になった一夏は普通に庇った腕に痣を作る…おまけにあの時は竹刀の繊維の飛び出し…いわゆるささくれが深めに刺さって大きくは無いけど外傷も付けられている…そこまで酷い怪我では無かったけど、アレはさすがに私もキレた…まぁ、その後もしばらく箒と確執が続いてしまったのは私も反省すべき所だとは思う…何せ当の一夏はほとんど気にしてなかったしね…

 

『なら、そうだな…傷物にした責任を取る、と言うのはどうだ?』

 

『……さすがにもう痣も残ってないし、それってもう女子の方から言う言葉でもないけどね…』

 

今となっては一夏も気にしてないだろうし、私にとっても半ば笑い話の様な物…一夏が箒を選ぶ事について私に反対は無い。……いやいやそうじゃなくて…

 

『いや違くて…だからさ、そこだけ切り取って私をガキ扱いにするってどうなの?アレは箒も同罪でしょ?』

 

『最終的にクラス内が地獄の様相になってたのに、全く気付いてなかったお前を大人とは認めたくないな…』

 

『……だから、それは私に言われてもね…』

 

いや、だって私がそんなにモテてたとか言われても本当に分からなかったし…と言うか、まさか前世の私の中高時代の状況が今世にもなって…それも小学校で再現されてるなんて思わないし…

 

『寧ろ、私の何処が良いのか…』

 

『八方美人とか言ってたがな…お前の場合、単に全員に良い顔してるって訳じゃなかったからな…と言うか、最早処世術になってた訳でも有るし…特に意識してやってた訳じゃ無かったんだろ?』

 

『それは、一応そうかなぁ…』

 

『お前の場合、どの相手に対しても対応自体はいつも正解以上を叩き出していたんだ…一人一人をちゃんと見ていた証左だな。』

 

『えっと…それが何か問題?』

 

対応が正解を超えてる、の方は分からないけど…一人一人をしっかり見るって言うのは人として当たり前の事じゃない?

 

『小学生…それも低学年なら、普通は自分の事だけで手一杯だ…その癖、子供には大き過ぎる悩みを抱えてるのも中には居る…お前の場合、大抵その悩みが傍から見たら下らない物で有ってもきちんと向き合い、且つ的確なアドバイスを寄越すからな…そんな対応、八方美人は元より小学生じゃ普通やらん…まぁ、ある意味それが良くなかったんだな…下手すれば親より自分の事を見ている相手に興味持たない方が可笑しい…』

 

『解決しなかった悩みの方が多いんだけど…』

 

『多くの場合、結局自分で答えを出すしか無い問題がほとんどだからそうなって当たり前だ…重要なのは、お前が一緒になって悩んだ上で言葉を渡している事だ。小学生でそこまで他人の事を考えてくれる奴は中々居ないんだよ。結局の所…お前は親からの愛情が足りないと思ってる奴や、自分自身の事をきちんと見てくれる友人が少ない奴…要は依存する対象を探してる奴を毎回無意識に落としに行ってたんだ。』

 

『……私は邪な気持ちなんて絶対に無かった…それだけは分かってくれないかな?』

 

『分かってるさ…最も、だからこそタチが悪いとも言えるがな…』

 

『何かもう、どう言う対応したら良いかも分からないんだけど…』

 

『変に変える方がそれこそ厄介な事になるだろうな…と言うか、お前は人に冷たくする事なんて出来まい。』

 

『何で?』

 

『普通にお前がお人好しだからだな。』

 

『……まぁ、例を出された上で改めて言われると…私も否定はしにくいけどさ…』

 

いやはや…まさか初めから私の対応が問題だったとは…私、面倒事は嫌いなんだけどなぁ…

 

『お前が面倒臭がるのは大抵…"自分"に関連する事がほとんどなのは気付いていたか?』

 

『……あー…確かにそうかも…』

 

半ば投げやりに返事する…あまり認めたくは無いけど、実際…他人の事を優先してる事は有るかも知れない…

 

『人にとにかく優しく、誠実…だが自分の事は雑で隙だらけ…こんな二面性持つ奴が狙われない方が不思議だろうな…何よりお前の場合、見た目も良いからな…磨く気は残念ながら無い訳だが…』

 

『えっと…皆が私を監禁しようとするのって…』

 

『自分の為に色々してくれた奴が、自身の事にはまるで無頓智…なら、自分が世話したいとか思ったりするだろ……まぁ、ほとんどペット扱いだろうが。』

 

『……小学生で、同級生を監禁して…衣食住世話したいってぶっ飛び過ぎじゃない?』

 

取り敢えず、ペットの部分には触れないことにする…いや、小学生のするプレイにしてはあまりにハード過ぎるよ…

 

『残念ながら、下の世話も入ってるだろうがな…ま、そうさせる何かもお前には有る…』

 

さすがに、それは本当に嫌なんだけど…と言うか後半の下りはそのまま流せない…

 

『……えっと…つまり、私の場合何故かそう言う人を初めから、それもこれまた無意識に誘ってる節が有るから…これから仮に対応変えても無駄って事?』

 

『恐らくは人数が減る事にはなるだろうが、好いてる奴自体は居なくならないだろうな…何より敵も作る可能性が有るから対応自体は今更変えない方が良い…と言うか、どうせ無理だろ?』

 

むー…否定出来無いか…

 

「二人で話が盛り上がってる所悪いんだけどさ…そろそろ行かないか?」

 

「あ、ごめん…」

 

そうだったね…早く部屋に戻って移動作業しちゃわないと…

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