親友の妹に転生しました   作:三和

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私が我に返ると、既に彼女はそこには居なかった…念の為また探ってみるけどもう気配も感じない…

 

「本当に幻覚だったの…?」

 

自問自答を始めて、そこからの記憶があんまり無い…ハッキリしてるのは、さっきのが仮に凄くリアルな白昼夢だったとしても…私が彼女と言葉を交わした事実は無くならないと言う事…

 

「何にしても…もう現れないで欲しい…」

 

違和感を覚えたのも確かだけど、それでもアレはやっぱり夢か幻覚だったと思いたい。だって…私は彼女の存在を認める事は出来無いから…

 

「ふぅ……」

 

何故か、私は今…酷く喉が乾いている…取り敢えずキッチンに向かう事にした。

 

 

 

 

蛇口を捻り、出て来た水をコップで受ける…

 

「っ…んぐっ…」

 

口の中が思いの外乾燥していて、非常に飲みにくい…それでも何とか飲み干し、蛇口を閉めた。

 

「……」

 

正直に言うと、全然足りない…でも、この状態で追加で飲むのも厳しそうだね…ハァ…取り敢えず戻ろうか。

 

 

 

 

戻って、ちょうどソファに腰掛けた所で玄関の方からドアを開ける音と足音が聞こえて来る…どうやら刀奈が帰って来たらしい…やがて部屋のドアも開く…

 

「ただいま!」

 

部屋に入って早々…満面の笑みと共に私にそう声を掛けて来る刀奈…私はその姿に圧倒されて言葉を発する事が出来ず、そのまま体感で一分程経過しただろうか…取り敢えず溜め息を吐いてから私は言葉を返した。

 

「……おかえりなさい。」

 

「随分間が有ったわねぇ…と言うか、溜め息は酷くない?」

 

「ごめんなさい…」

 

「別に怒ってる訳じゃないんだけど……ねぇ?」

 

「何ですか…?」

 

「……何か有ったの?」

 

「何かとは…?」

 

「ここに戻って来る前から十秋ちゃんはずっと落ち込んだままだったけど…何か、更に沈んだ感じだったから…」

 

「……別に、何も…」

 

答えるのに時間が掛かってしまった…これじゃあ何か有ったと言ってる様なもの…

 

「そう…じゃあ、取り敢えずご飯の用意するから…」

 

それでも聞いて欲しくないのを察してくれたのか、刀奈はそれ以上何も言わなかった。

 

「あの…」

 

「何?」

 

「手伝いましょうか…?」

 

「大丈夫よ、座って待ってて…」

 

何もせず、ただ座ってるのも落ち着かないからそう言ってみたけど…却下された。まぁ、今の私だと普通に何かやらかしそうだしね…

 

「分かりました、じゃあ待ってます…」

 

「ええ…とびきり美味しい物、作ってあげるから。」

 

そう言い、刀奈がキッチンに向かう…そんなに私、分かりやすいのかな…?今更の話だけど。

 

「ハァ…」

 

つい、また溜め息が漏れる…今世ではこう言うパターンが多いから慣れたつもりでは有ったけど、私は元々…あまり気を使われるのは苦手な方…とは言え、今世ではすぐに顔に出る様だし…心の中もある程度だだ漏れみたいだから仕方無いと言えば無い。

 

「せめて、もう少し隠せたら良いんだけどね…」

 

刀奈に聞かれない様、そう小声で呟く…私の場合心で留めてもどうせバレちゃうし、それならこうして独り言として先に口に出してしまえば良いと最近になって漸く気付いた…最も、昔から独り言は割と多い方だし、それでも私は色々溜め込んじゃう方…鬱々してても仕方無いのは分かってるんだけどね…

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