「フフッ…全部食べたわね…うん、顔色もだいぶ良くなった…休学するって言うのも寝耳に水だったし、いざ会って事情聞きに行ったら…何聞いても上の空だし、その癖…休学する事だけは反応して、絶対やめないの一点張り…仕方無いから護衛も兼ねてついて行くって話も聞いてないみたいだし…顔色も悪い…どう見ても睡眠は元より、食事もほとんど食べてない……うん。少しだけど元気になったみたいで、本当に安心したわ…」
「ごめんなさい、ご迷惑を「ンンッ!そう言うのは無し無し!他に言う事は?」ありがとうございます、刀奈さん…」
「はい!どういたしまして!」
この笑顔…自分だって普段色々忙しくて辛い筈なのに、こうして満面の笑みを浮かべられる…うん、千冬が居なかったら…私は彼女に惚れていただろうね…あ、そうだ…これは言わないと…
「ただ…一つ謝罪させて貰っても?」
「ん?何?」
「その、約束していた週末の買い物行けな「んー…十秋ちゃん、今動ける?」…え?」
「今から、私と買い物に行くのはどうかしら?」
「え、でも「織斑先生から聞いたかも知れないけど…IS学園には外部の業者さんも結構出入りしてるの…で、その中には宅配業者も存在する」…もしかして…」
「今から買い物行って、買った物は全部業者さんに任せて…二人で遊んじゃおうと思うんだけど…どうかしら?」
笑顔のまま首を傾げる刀奈を見ながら思う…やっぱり、彼女には敵わないと…私について行くのを決めたのは刀奈自身の意思では有るものの…迷惑では有る筈なのだ…せめて事情だって聞きたい筈…でも、何も聞かずにこんな提案をしてくれる…彼女には、これから先も私は頭が上がらないんだろうな、と。
「良いですね…あ、でも予算「織斑先生から貰ってるわ」…ちゃっかりしてますね…」
ホント、私は彼女の様には絶対なれないなと思う…
「…で、どうして私の腕に抱き着いて来るんですかね…?」
二人で数歩歩いた所で刀奈が私の腕を抱え込む…
「…私、ずっとアプローチ掛けてたつもりなんだけど…本当に気付かなかった?」
……刀奈はやっぱり本気だったんだね…う~ん…困ったな…
「…そうですね、分かってはいました…その…」
「ふぅ…うん、分かってるわ。」
「え?」
「十秋ちゃん、好きな人居るんでしょ?…そして、それは私じゃない。」
「!…何、で…」
「そりゃまぁ、十秋ちゃんはやっぱり分かりやすいからね…ま、それでも…ハッキリ誰かまでは分からない。でも、私や十秋ちゃんにとっても…かなり身近な人なのかな、とは…予想してる…」
……こうなると、もう黙ってる訳には行かないか…
「刀奈さん…私が好きなのは「待った!」…え?」
「そんなに急がないで…今日だけはその、普通にデートだと思わせて欲しいの…」
「今日だけ、ですか?」
「ええ…後で辛い想いをするのは当然私な訳だし、何より…十秋ちゃん優しいから…伝えるのが後になる方が心苦しくなるのは分かってる…でも、今日だけはどうか…」
……私の好きな人が誰なのか、さっさとこの場で言って…刀奈に諦めさせるのが最適解なんだと…散々鈍感と言われた私でも、それは分かる…ここで刀奈の申し出を受ける方が…刀奈は辛い想いするだろう…と言うか、私が誰を好きなのか言ってない以上…変に希望を持たせてしまう事にもなるだろう……でも。
「…分かりました。今日は、このまま恋人同士として二人で遊びに行きましょう。」
「!…ありがとう、十秋ちゃん…」
例え、クズだと罵られ様と私には…この申し出を断る事なんて出来無い。その代わり、受け入れる事は出来無くても…刀奈の想いは今日、私が出来るだけ受け止める…早く私なんて酷い女を忘れて、もっと素敵な人と出会える様に……刀奈ならこれから先、きっと素晴らしい出会いが待ってる筈なんだから…ふぅ…ま、そもそも…全てを話したら、先ずは刀奈の方から私は罵られるかも知れない…
だって私の抱えてる想いは前世から抱えてるもので…今世で初めて出会った刀奈には最初から勝ち目が無いんだから…その癖、私自身は本気で千冬に告白する気も無い。にも関わらず諦めろなんて言われて、納得出来る訳も無い…
……ホント、相当酷い奴だよね…私は…