客室には一応休憩の扱いで入った…まぁ、このまま普通に宿泊したら何しに外出て来たのかも分からないけどね(ある意味メインの目的はもう済んでるし、何なら宿泊扱いで外出して後で戻る手も有るんだけどさ…)
…とは言え、ホテルと言うと私も身構える訳で…
「…そんなに緊張しなくても、ここでは何もしないわよ。」
「そう、ですか…」
「…残念そうね?」
「!…そんな事は…」
「…と言うか、私は十秋ちゃんに手を出して良いのかしら?」
「!…えっと、大丈夫ですよ…?」
まぁ、あくまで今日中なら好きにしてくれて良い…私も、それくらい覚悟してあの申し出を受けたからね…
「……ま、どっちみち…さっきも言った通り、ここでは何もしないわ。」
それを聞いて、少しホッとしてると言うより…何となくモヤモヤする私…まぁ、刀奈の事はそもそも嫌いでは無いから…ただ、それだけ…少なくとも、私にとって彼女は恋愛対象じゃないから…
「えっと…シャワー「行きましょうか」え…良いの…?」
一応諸々覚悟してる私と違い、一緒にシャワーに入ろうと声を掛けて来た刀奈に了承の返事を返したのに…何故か刀奈がその場で固まったので、こっちが彼女の手を引いて中に入る事になったのはご愛嬌、と……いや、こっちは分かりやすくOKの雰囲気出してるし…ハッキリ良いとも言ったのに…何で今更そこで躊躇が有るのか…学園に居た時も頻繁に誘って来た癖に…てか、ここではって…じゃあ、いつ手を出すのかと正直聞きたい…
…ま、とは言えそんな感じだから…バスルームでは特に何も無く…う~ん…寧ろ無きゃ無いでこっちは不安なんだけど…もしかして、最終的にこっちからリードしないと駄目とか?一応、私も初めてなんだけど…この際、向こうに僅かの未練も残したくない…勝手だとは思うけどね…てか、何でよりによって私なのか…他に良い人いっぱい居ると思うんだけど。
…てか、刀奈だけじゃないしね…彼女には悪いけど、私は早くこの一件を終わらせたいとも思ってたりする…
逆に言えば、刀奈が私をすっぱり諦められるなら…今日は何でもするつもり…とは言え、刀奈の方が明らかに気後れしてる節が有るんだよねぇ…今日だけでも恋人でいたいって言ったのはそっちでしょうに…
シャワーを浴び、着替えは持ってないから当然タオルを身体に巻いてるだけの姿なのに…少なくとも、どう考えても今話す様な事じゃないと言える話を振って来るだけで私に全く何もして来ない刀奈に溜め息を吐きたくなりつつ(てか、部屋に洗濯機無かったら意味無かった気するんだけど…そこら辺知っててこのホテル選んだのかなぁ…)取り敢えず洗濯機が止まるのを待つ事に…
「映画でも見る「さすがにその前には服乾くんじゃ?」そっ、そうね…」
しまいに話題が無くなったのか、そんな事を言い始める刀奈…今無意識に喉元まで込み上げて来た溜め息を何とか飲み込んだ所…(いや、本当に何もしないの?服乾くまでとは言え、出来る事はゼロじゃないでしょ…)
「「……」」
二人して沈黙した時間がどれくらい続いただろう…下手に顔を動かすと刀奈と目が合ってしまい、彼女が気まずそうに逸らすと言うやり取りが三回程続いた所で私は部屋の時計を見るのはやめた(いや、腕時計や携帯も有るけど…時間気にしてたらそれはそれで向こうに気遣わせそうだし…)
で、今…洗濯が終了した事を知らせるピーっと言う電子音が鳴った…
「…早く服着て、出ましょうか。」
「……そうね…」
刀奈からはかなり間が有った…そんな凹むくらいなら手を出してくれば良かったのに…やっぱり私から言わないと駄目なの…?…ま、夜には帰る事になるだろうし…家でも何も言わないままなら、私から言わないと駄目かぁ…ハァ…憂鬱だね…
結局、服着てる間も何も無く…まぁ、私の身体に魅力を感じないからやっぱり無しにしたいとかなら楽なんだけど…それも無いよねぇ…更識家でも一応刀奈と一緒にお風呂入った事有るから私の裸は見慣れてる筈だし……ハァ…ホント、どうしたものかなぁ…