「随分嬉しそうね…取ってあげる事は出来たけど、何か複雑だわ…」
「あはは…ホントすみません…」
それはプリクラを撮った後の事…二人でゲーセンを出ようとして、今まで見落としていた物に私は気付いた。
「……」
「どうしたの…あー…そう言う事。」
私が見てるのは先程と同じくUFOキャッチャー…ただ、問題は中の景品。
「…スナック菓子、それも大きいやつね…まぁ、十秋ちゃんは確かに欲しがりそうね…と言うか、食欲戻ったの…?一夏君の話だと、食事にはろくに手を付けなかったって聞いたけど…?」
「ええ…寧ろしばらく食べてなかったせいも有って、頗る空腹な程ですね…」
刀奈の作ってくれた寄せ鍋食べてから、まだそんなに時間経ってないんだけどね…まぁ、食欲はともかく…原因になってる悩みは現在丸投げしたままだけどね…
…てか、あんなの見ちゃったら…ちょっと我慢は厳しい…さすがに今は食べないけど、取ってはおこうかな…
「すみません…少し待ってて貰って良いですか?どうしてもアレ取っておきたく「私が取ろうか?」え?いや、良いですよ…私のワガママですし。」
「良いから、待ってて。」
……しばらく押し問答になったけど、結局私が折れた。その後刀奈は千円札一枚分以上消費して、景品用の大きなスナック菓子を取ってくれた……コレ、もしかして高く着いてるんじゃ…まぁ、野暮な事は言わない方が良いか…せっかく取ってくれたんだしね…
「うん…さっき私があげたお財布の話したけど…その時より喜んでる様に見えるのは気の所為かしら…?」
「どちらかと言うと、こうして貰えた事が嬉しいんですよ…なのでどっちが、と言う事は無いですって。」
「ホントに?」
「ええ。ありがとうございます、刀奈さん。」
「…それなら良いけど。」
刀奈はまだあまり納得言ってない様…いや、本当に…裏は何も無く私は普通に嬉しいだけなんだけどなぁ…
「そんなに疑うなら、お返しでもしますか?」
「私は貰い過ぎるくらい色々貰ってる気もするけどね…でもお返しって…どんな?」
…まぁ、この場で出来る事なんてそんなに無いけど…
「キスしましょうか?」
「…十秋ちゃん、惜しんだりしないのね…」
「ええ…と言うか、別に減る物じゃないでしょう?」
私からしたら、キスぐらいなら特に惜しむ様な事は無い…最も…
「とは言え、帰ってからでも良いですか?さすがに人前だと…」
「うん…私もして貰えたら嬉しいけど、今はやめておくわ…」
私もたかがキスとは思ってても、さすがに街中では出来無いかなぁ…
「…で、さすがにまだ時間有りますけど…まだ何処か行きます?」
午後も結構過ぎて、今はそろそろ夕方に差し掛かる時間…最も、さすがに高校生が帰るにはちょっと早いんじゃないかなぁ…
「…十秋ちゃんは行きたい所有る?」
「特に無いですねぇ…」
強いていうなら、食べ放題のお店なら行きたい…
「…うん、夕飯は作ってあげるし…今回は見送っても良い…?」
「すみません、つい…」
分かるんだったね…時折、その辺頭から抜けちゃうなぁ…
「あ、ならファミレスでも行って…お茶でもどうですか?」
「…ほとんど、ナンパの常套句ね…私は良いけど。」
「すみません…そう語彙が豊富な方じゃないもので…」
「あ、責めてる訳じゃないのよ?…じゃ、行きましょうか?」
「はい。」
ま、今日はこれで最後かなぁ…後は帰ってからになるか…と言うか、ファミレスは行かない予定だったんだけど思いの外やる事無くて行く羽目になっちゃったよ…