「十秋ちゃんって、本当に甘い物あまり食べないわね…」
「まぁ、別に嫌いな訳じゃないですけどね。」
ファミレス来て、取り敢えずパフェ頼んだ刀奈とは対照的に…私はコーヒーを頼んだ。
「甘い物って、どうにもお腹に溜まる感じがしなくって…」
「…あー…確か十秋ちゃん的には、女性が良く言う別腹感覚って…普通に違和感でしか無いんだっけ…?」
「ま、そもそもどちらかと言えば和菓子の方が好きですしね…私。」
まぁ正直、定番のケーキやパフェに関してはそれ程食べないのは…前世で食べ過ぎたからの気がしなくも無い。割と飽きて来るものなんだよね、甘い物ってさ…ま、たまになら食べるけど。飽きてはいても今の所嫌いではないから。アイスなら普通に食べるしね…
…とは言え、一応ファミレスにも和スイーツは有る…
「あんみつや、ぜんざい頼むのかしら…と、思ったんだけど…」
「取り敢えず、今は良いですかね…」
今は、仮に食べるならどら焼きでも食べたい…ペットボトルで良いから、緑茶でも付いて来たら尚良し…
「……買ってあげましょうか?」
「…いや、今日は良いです。」
「そう?」
特に太るのを気にした訳じゃないけど、それでも今はどうしても食べたいと言う程でも無い…寧ろ、素直にお腹に溜まる物が今は食べたい…
「…うん、この後買い物行って…夕飯も用意はするから…ここで頼むのはやめてね?」
「分かってますって。」
コーヒーを啜る…ちなみに、今回はブラックで飲んでる…私の場合別にこだわり無いから、基本的にその都度気分で砂糖やミルクを入れるか決めてる…
「そもそもこのお菓子有りますし「うん、当然だけど今日食べるのはダメね?」……」
「…そんな捨てられた子犬の様な目で見てもダメよ。」
う…割と楽しみにしてたのに…
「…私の作る夕飯より楽しみって感じね…ちょっと、ショックだわ…」
あ、刀奈が落ち込み始めた…
「…すみません、そんなつもりじゃ…でっ、でも…!こうして目の前に有るとやっぱり食べたくなると言いますか…!」
「ハァ…ま、十秋ちゃんの性格は良く分かってるけどね…やっぱり、複雑だわ…」
「ごめんなさい…その、どうしたら機嫌直してくれますか…?」
私がそう言うと、刀奈がニヤッと笑った…あれ?私、もしかしてハメられた…?
そのまま刀奈はグラスの中のアイスをスプーンで掬い、私の眼前に差し出して来る…
「あ~ん…」
……一瞬固まったけど、私はすぐに悟る…これは、私が食べるまで刀奈はこの体勢をずっと維持するだろうと。と言うか…
(視線を感じる…)
刀奈がスプーンを私に出して来た瞬間から、何故か店内のお客さんの視線が私たち二人に一斉に注がれたのが分かった(店員さんも混じってそうだけど)いや、何で?別に見てて面白いものじゃないでしょうに……ハァ…何にしても、食べないと終わらないかな…刀奈は引き下がらないだろうし…うう、何で結構人居る店内で…ハァ…しょうがない…
「…どう?美味しい?」
「…ええ、美味しいですよ?……そこで照れるくらいなら、初めからやらなければ良いのでは?」
「だって…その…十秋ちゃんは平気なの?」
「…いや、私だって恥ずかしいですって…」
最も、終わってから自分のしてしまった事にした気付き…顔をほとんど真っ赤にしている刀奈の姿見てたら多少は冷静にもなる…
「…と言うか、良く考えたら女子の友人同士ならたまに有るシチュエーションな気がしますけど…何でそんなに照れるんですか…?」
「……うから…」
「え?」
刀奈がボソボソと小声で言ったそれは、すぐ目の前に座ってる私にすらハッキリとは聞こえない声量…
「…その、意識しちゃうから…十秋ちゃんの事…」
「…そっ、そうですか…」
今の刀奈はハッキリ言ってとてつもなく可愛い…うん、やっぱり千冬以外だったら私は…彼女を選ぶと思う…
……最も、どうせ告白する気が無くても…私は、千冬しか選べないんだけどさ…相手が私じゃなきゃ、私は刀奈の恋の成就の為に何でも協力するんだけどね…ホント、どうして…貴女はよりによって私を選んじゃったのかな…