親友の妹に転生しました   作:三和

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ホテルに入るのを決めたとは言え、私には一抹の不安が有った…

 

…いや、刀奈とこれから致す事による緊張とかは…さすがにゼロでは無いけどそこまで感じてない…ハッキリこの場では口にしてないけど…その、刀奈なら良いから……まぁ、冷静に考えたら…刀奈からは私が凄く投げやりになってる様に見えるんだろうけどね…

 

私の一番の懸念事項はやっぱり…一体いくら取られるのか、である…ま、現状お金は有るんだけど…やっぱり気にはしちゃうよねぇ…そして…もう一つ…

 

「確か…この手のホテルって、同性同士で来るとチェックインを断られるとか何処かで聞いた気がするんですけど…大丈夫ですかね…?」

 

「…十秋ちゃん、知ってて私を誘ったんじゃないの?」

 

「いや知りませんよ、今までこんな所利用した事なんて有りませんし…それに、シたいのは私じゃなくて…刀奈さんの方でしょう?」

 

「それは、そうなんだけどね…」

 

こうして歯切れの悪い刀奈の姿を見てると…少し急ぎ過ぎたと言うか、悪い事したかなぁ…とは、さすがにちょっと思う…

 

…でも、私としてはあまり長びかせたい問題でも無いしね…

 

「…良いわ、私に任せて。」

 

「へっ?」

 

今まで、何処か逡巡している雰囲気の有った刀奈の表情が変わった…何と言うか、腹が決まったと言うか…あるいは吹っ切れたとかそんな感じがする…そして、私は刀奈に手を引かれるまま通りを進んで行く…

 

 

 

 

 

やがて、刀奈の足が止まった。

 

「…ここよ。」

 

「…ここ、他のホテルと何か違うんですか?」

 

刀奈の示したそこは…見た感じ、別に他のホテルと何も変わらない様に見える…

 

「…一応言っておくと、十秋ちゃんの気にしてる点については今は何処行ってもそんなに変わらないわよ?」

 

「そうなんですか?」

 

「今は、基本的に受付で対面して部屋を宛てがわれる訳じゃないから…大体は入り口入ってすぐのパネル…そうね、セキリュテイの利いてるマンションのアレ思い浮かべたら早いかしらね…そこで空室表示の有る中から利用したい部屋を選ぶの…そしたらキーが出て来るわ。」

 

「成程…」

 

どうも私の常識は少し古い模様…何かジェネレーションギャップを感じる…いやまぁ、これから先絶対使わない知識なんだろうけどね…若干のショックを受けてると更に刀奈が続ける…

 

「後、十秋ちゃんの事だから宿泊費用気にしてると思うけど…ハッキリ言えばまぁ、するだけなら…下手にビジネスホテル選ぶより安いわね…」

 

「そんなに安いんですか?」

 

「……本当は駄目なんだけど、今は…その気になれば中学生のお小遣いレベルでも一応利用可能ね…」

 

「……」

 

それはまぁ、確かに安い……いや、聞き逃しそうになったけど駄目?

 

「えっと…中学生駄目なのは分かりますけど…私たちは良いんですか…?」

 

「…今更の質問ね…ホント、提案して来たの十秋ちゃんの方なのに…その、本当は18歳未満は基本的に利用出来無いのよ…ただ、よっぽど童顔とかでも無い限り…入店断られる事は滅多に無いわね…大抵は身分証明書も無しで通過可能よ…」

 

……うん、普通に私たちがアウトなのは分かった…と言うか、良く考えたら当たり前の話では有るけどね…

 

「だからまぁ…堂々と入らないと怪しまれて終わりね…」

 

…つまり、さっきまでの刀奈の状態だと確実に入れないと。

 

「…じゃ、最後に改めて確認するけど…本当に良いのね?…嫌なら、良いのよ?私に気を使わなくても…」

 

……今の貴女に、私を気遣う余裕あるんですか?…その言葉を私は何とか飲み込んだ…刀奈には頭に思い浮かべた時点でバレるんだろうな、とは思うけど…さすがにこの場でそれを聞くのは失礼だろう…

 

「いえ、大丈夫ですよ…その、私…刀奈さんなら良いですから。」

 

それは…私の今、正直な気持ち…と言うか、今まで悩んでたのが嘘なくらい…私は今、刀奈とそうなる事に抵抗が無い…刀奈を選ぶ事が出来無くても、それは…紛れも無い私の本心。

 

「……そこまで想ってくれてるのに、私を選んでくれないの…?」

 

「ごめんなさい、刀奈さん…それでも、やっぱり私には…」

 

もう私は…千冬に気持ちを告げる事は出来無い…最も、箒にあの指摘されるまでワンチャン言えるかもと、ちょっと考えてはいた…でも、自覚しちゃったから…私は、千冬に告白してしまったら、きっと…もう…

 

「…そう。単に私が可哀想だから…仕方無くとかじゃないの…?」

 

「…そう言う気持ちが全く無いとは言えません…でも、私もちゃんと考えました…刀奈さんなら良いです…と言うか多分…私も…」

 

「え?」

 

「その…これから先恋人として付き合って行く事は出来無くても、その…刀奈さんとシたいんだと、思います…」

 

改めて考えて分かった…きっと…だからこそ、私はこうする事を望んだ…刀奈に対して全くそう言う気持ちが無かったのなら…初めからこんな事言わなかったと思う。

 

「…もう一つだけ、聞いても良いかしら?…その、それは私だけ?」

 

「ええ…そうですね… 」

 

千冬以外でシたいのは…刀奈だけ…二人には申し訳無いけど、簪や虚とは…多分出来無いと思う…もちろん、静寐とも…

 

「…喜んで良いのかしらね…何か、複雑だわ…」

 

「本当に「もう謝罪は良いわ…何か、惨めにもなって来るから…」刀奈さん…」

 

「さ、もう入りましょう…」

 

「はい、行きましょうか。」

 

再び刀奈に手を引かれ、入り口へ…さてと、せめて…刀奈が吹っ切れるくらい、幸せな思い出を作ってあげられる様…頑張らないとね…

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