刀奈と二人でやって来たホテルの一室…中に入って最初に感じたのは…妙に薄暗い、だったり…
「照明点けても暗いですね…」
「ま、雰囲気を出す為…でしょうね…」
まぁ、肝心の照明の光が良く有る昼白色じゃないからねぇ…恐らくは電球色だろうか…
電球には大きく分けて三種類の色が有って……いや、今はどうでも良いか…とにかく、部屋の中は今…オレンジ系の光に照らされた状態と…と言っても、かなりオレンジ色が強く…とにかく薄暗い…まぁ、普通に過ごす分にはそんなに困らない…と言っても、雰囲気を出す為なのはその通りなんだろうね…ここまで薄暗いと、何か妙な気分になって来るし…さて…
「その…シャワーでも浴びる…?」
「っ…どうせなら、お風呂にしませんか…?一緒に入りましょう…?」
「そっ、そうね…」
私はだいぶ落ち着いて来た感は有るけど、刀奈はまだ緊張気味…と言うか寧ろ、入り口に居た時より増した様にも思える…まぁ、こうして部屋に来て…漸く実感して来たと言った所なのかな…
取り敢えずお風呂のお湯が溜まるまで、二人でソファに座って待つ事に……あ。
「食べ物注文出来るんですね「注文するの?」…いえ、さすがにその前にお湯溜まるでしょうし…今はやめておきます。」
……部屋の中に有った食事のメニュー表に、ついつい目を奪われてしまったのは出来れば許して欲しい所…だって、結構美味しそうだったから…
「…普通、性欲と食欲って…別物なんだけどね…」
「割と最近分かったんですけど、私的にはある程度同居するみたいなんですよね…」
「…つまり、十秋ちゃん的にはご飯を食べるのも私を食べるのも同じ…?」
「さすがに刀奈さんを食べ物と同一視はしてませんよ…まぁ、私的には…欲を満たすのはどっちも同じですけど…」
「…ホント、複雑だわ…」
「何か、すみません…」
「いえ、そうね…だったら良い方に考えましょう…私、これでも身体には自信有るしね…十秋ちゃん、私の事…美味しく食べて貰えるかしら?」
「……」
その言葉に、何て返事を返すのが正解なのかなぁ…と言うか…
「えっと…刀奈さん、受けなんですか?」
「…ううん…多分攻めね…」
同性同士でやるとなると、やはりどちらが攻めか受けと言うのは重要…でも無いのか、少なくとも女性同士だとね…
「…なら、食べて貰える…は、違うのでは?」
「比喩よ、比喩。と言うか聞くの忘れてたけど、十秋ちゃんはどっち?」
「私ですか?…私は、正直分からないですね…」
「分からない…?」
「私的にはどっちでも良いかなぁ、と…とは言え、攻め側だと何をすれば良いのか…みたいな心境になる可能性は有りますけど…」
「ああ、成程…」
「と言うか、刀奈さん?」
「何?」
「…聞こうとは思ってたんですけど、その…こう言う所、来るの初めてじゃないですよね…?」
「まぁ、何度かね…でも、一応処女よ。」
ラブホテル何度か来てるのに処女…?
「その…情報を手に入れる為に男女問わず、何度か一緒に入った事は有るんだけど…大抵は薬使って眠らせたりとかが主だから…実際にヤった事は未だに無くて…」
要は二人とも実質初めてだと…え、ちょっと待って…
「刀奈さん、普段から経験者の雰囲気出してませんでしたっけ?」
「……」
「あの…もしかして刀奈さん、ただの耳年増…?」
「っ!ええそうよ!耳年増よ!悪い!?」
「別にそんな怒らなくても…」
まぁ、まだ若いとは言え…仮にも年頃は迎えてる暗部の女当主が…未だ処女は不味いのかなぁ…
「聞いて良いのか分からないですけど…そう言うのって、刀奈さんは家でも習うのでは?」
「…ふぅ…そんなに気を使わなくても良いわ、昔はね…ウチでも実践してたみたいよ…今は、習うのは知識だけ…」
更識家みたいな所だと、本当に全部やらされるのではと思っていたんだけど…今は違うのか…
「…そろそろお湯溜まったんじゃないかしら?」
「あ、そうですね…」
…結局、何となくグダグダ感を感じつつもお風呂場に…う~ん…余計な事聞かなきゃ良かったかな…