「…良く考えたら、フロントまで直接取りに行くのは悪手だったわね…」
「ですよね…」
部屋に戻って来た刀奈が溜め息を吐く…まぁ、私の為に焦って行ったのであろう刀奈に対して…私から特に言える事は無い。
「…まぁ、仮に刀奈さんの年齢に気付いてもスルーしてくれると思いますけど…ほら、最悪ホテル側も責められますし…」
「ま、そうなんだけどね…」
実際、この手のホテルだと普段から色々起こってるのは確実…変に警察に目をつけられるくらいならそのくらいは見なかった事にした方が都合が良いだろう……まぁ、仮に私が本格的に体調崩してれば別だろうけど。
「それで、体調…少しは良くなった?」
「ええ…大丈夫です…」
取り敢えず上体を起こしたら、一瞬クラっとしたけど…すぐに安定して来た…うん、やっぱり逆上せただけみたい……多分。
「そう…でも念の為、体温は測ってくれる?」
「はい…」
わざわざ借りて来て貰ったし…何より、万が一の事考えたら一応測った方が良いかな…今世の私の場合、本当に何度も体調崩してるから多少体温高くても分からないかもしれないしね…ふぅ…少し憂鬱…ま、さっさと測っちゃいますか…
「36度5分ね…まぁ、一応平熱より少し高いくらいかしらね…」
「?…そうなんですか?」
「…日本人の平熱は大抵が37度前後…でも、私の知る限り十秋ちゃんは平熱が35度くらいだから…一応発熱と言えば発熱よ…」
まぁ、私の場合暑がりの癖に多少冷え性の気は有るから平熱低くても不思議は無いかも……まぁ、とは言え…自分で全然把握してないのもどうかとは思うけどね…前世では……駄目だ、思い出せない…
「…で、どうするの?」
「!…え?」
「その、体調が優れない様なら「大丈夫ですよ」…でも。」
「微熱ですから、大丈夫ですよ…」
と言うかここで帰ったりしたら、確実に刀奈の方に蟠りが残る…私としては今日で決着着けたいし、何より…
「その…正直、私の方ももう我慢出来無さそうなんで…」
「っ…そ、そう…」
アレな言い方になるけど、主にさっきのキスで私の方もスイッチが入った……実を言うとあれからずっと悶々としてる…実際、発熱もそのせいかと思うくらいには。
「じゃあ、本当に良いのね…?」
「良いって言ってるじゃないですか…刀奈さん。」
「何…!」
一応横になったままだった身体をもう一度起こし、私はまた刀奈にキスをする…っ…今度は分かる…確実に私の体温が上がった…人間の体温って、こうも簡単に上下するものなんだね…
「……ズルい…次は私からって思ってたのに…」
「…じゃ、次は刀奈さんからどうぞ…?」
私からしたら、今更キス程度で恥ずかしいのかとさえ思う…まぁ、ズレてるのは間違い無く私の方なのだろうとは自分でも思うけどね…
「……してくれないんですか?」
とは言え、私の方が受け入れ態勢入っても刀奈がしてくれない…いや、そこは気分壊れるし…早くして欲しいんだけど…
「だって…たかがキスとか思えないのよ!?そりゃ、私自身好きでもない相手とキスくらいした事有るけど…だからって目の前に居るのは大好きな相手なのよ!?」
溜め息を吐きそうになるのを何とか堪えた…いや、確かに想像はしてたけど…このタイミングでそんな話聞きたくなかったなぁ…テンパってたにしても、もう少し気の利いた事言えないのか…
「刀奈さん、一つ良いですか?」
「っ…何かしら?」
「私はともかく、簪は多分…相当独占欲強いと思うんですけど…」
とは言え、精神年齢的にはやっぱり私が歳上…直接言うのは何となくはばかれる…と言うか、このシチュエーションって…同性とかの前に下手したらギリギリ事案になる状況かも…いや、それでも…ここまで来ておあずけ食らってるのは確かなんだから、遠回しに文句言っても良いかと思う……まぁ、ここで簪の話するのは私もズルいとは思うけどね。
「…えっと…十秋ちゃんもしかして嫉妬…?」
まぁ、結構遠く言った筈なのに…こうもあっさり本音がバレる辺りが…私が刀奈に勝てないなと思わされる辺りだったりする…尤も、私の場合心の中はある程度読まれるから…余計にバレても仕方無いんだけど。
「そうですね…刀奈さんに恋愛感情向いてない筈なのに私は今、嫉妬しています…」
ま、バレたなら隠す理由も無いか…
「…寧ろ刀奈さん、貴女はそんな私を受け止めてくれるんですか?」
歳上を気取るなら、それくらいの包容力を見せて欲しい所…と言うか、最初に好きになったのが一夏で…私にも一夏にも出会わなかったら簪を選んでたって辺りから察するに多分…刀奈は歳下好きなんだろうから…これからの事考えると、どうせなら…もう少し歳上の威厳くらいは身に付けて欲しいもの。
「本当に…良いのよね…?」
「…まだ決心着かない様なら、この際私からリードしますけど…!」
そこまで言って漸く、刀奈の唇が私のソレに触れた…ふぅ、やっと…おっと。
「んん!?」
そのまま離れようとする刀奈の頭の後ろに手を置いて、力を入れる…もう三度目なのに、何もここで終わりにするって事も無いでしょ…と言うか、本来なら私の力程度なら簡単に振り解ける癖にろくな抵抗しない辺り…刀奈はどちらかと言うと受け気質だよね…やっぱり私から始めないと駄目みたい…息が苦しいせいなのか、身体からどんどん力が抜けて行く刀奈の口を何とか開けて舌を差し込む……っ!正直私もキツい…!でも何とか、もうちょっと……う!もう無理!
「「ぷはっ!」」
刀奈の口内をとにかく散々舐め回し、舌を絡め…酸欠で気絶するかしないか、その限界で私は刀奈から離れる…何とか平常を保とうとするけどやっぱり無理…酸素を求めて自然と荒い呼吸をしてしまう…
「ハァ…ハァ…十秋ちゃん…」
「ハァ…ハァ…これからは試合中…キスをしてみましょうか…それなら、私も刀奈さんに勝てそうですし…」
湯だった頭の中をクリアにする為、喘ぎながらも何とか咄嗟に浮かんだそれだけ口にする……いや、何言ってんの私…そんな事出来無いから…
「ハァ…十秋ちゃ…!」
相変わらず動く気配の無い刀奈を、体勢を入れ替える様にしてベッドの上に押し倒す…うん、やっぱり私からしないと駄目そう…経験は無いけど、今なら…何とか出来そう…
「ハァ…ハァ…全然抵抗しないんですね…本当にこのまま私から始めて良いんですか…?」
この状況でそんな事を言ったのは、取り敢えず私の理性が勝ったから…本当に女子高生としての私の精神のままだったらもう予告無しに始めてると思う…実際、今の刀奈に欲情してるのは間違い無いから。
「っ…や…」
「や?」
嫌って事?…まぁ、仮に刀奈が嫌なら間を置くか…もうやめるのかどっちかを選べるくらいには、一応まだ私の理性は生きてる…
「や……優しくして?」
「っ!」
あ、今…なけなしの理性が完全に死んだね…だって、今の刀奈…可愛過ぎるから…
「……」
「んむっ!?」
私はまた、刀奈の唇に私のソレを押し付けた…相変わらず抵抗の無い刀奈の口を開けて舌を押し込む…フフッ…今度はもう少し長く出来そうかな……さて、この後はどうしよっか…?