一般的に授乳とは何か?…それは母親が我が子に自分の胸を吸わせて母乳を与える事…ところで身も蓋も無い話になるけど、実は母乳の正体は母親の体内の血液が変化した物。なので、母親の食生活で味や成分自体も変わる…まぁ、それは余談になるけど…とにかく、授乳って言うのは普通…先ずは母乳有りきなのだ…
…で、これをプレイとして行う夫婦やカップルは実は一定数居るとか…(AVにはそんなジャンル有りそうだけど…)それ自体は別に好きにすれば良いと思う…ただ、問題は何故かまだ母乳が出てなくても普通にプレイとしてやってるとか…正直、理解は出来無いけど…私たちが今からやろうとしてるのもそう言う事なんだよね…
と言うか、要するにコレって…寧ろ赤ちゃんプレイとかに近いのかも…
「……」
「っ…お、美味しいですか…?」
「…うん!おいしい!」
…いや、実際に母乳が出る訳も無いし…別に味なんてほとんどしないでしょ…一応さっきお風呂入ったばかりだしね…ところで、口から紡がれる言葉も何処か舌っ足らずでもうほとんど幼児退行してる様な刀奈見てて私が感じた事は…
(…んー…実は私が思ってる以上に、疲れてたりする…?)
彼女の癖に一つ…身内に定期的に面倒臭い絡みをして来ると言うのが有る…で、私が更識家に居た頃は大体主にやられるのは私と本音だったり…と言うのも、例えば簪は最初の内はあしらうだけだけど…終いに本気で怒る事も有るのであんまりされず…虚は基本相手にせずだけど、最悪は組み敷き…その後はガッチリ制圧に掛かる…要するに、毎回最後は暴漢にするのと同じ対応して来るのでこちらもそんなにされない…一夏はそもそも初めから躱す…刀奈が後ろから抱き着いたりとかしても、基本…涼しい顔で躱す。突発的なキスは、そちらを見もせずに普通に片手でガード……ただ、刀奈の場合…たまに嬉々として一夏の手をペロペロ舐めてる事も有ったけどね…
…ま、結局の所…必然的に被害に遭うのは基本、抵抗をほとんどしない私か本音になる訳で…何か話がズレた気がするけど要は…
その手の構って欲しい的な行動する人は単純に元々甘え気質だったり、あるいは精神的に色々限界に来てて…直接的にしろ間接的にしろ、人の温もりを欲してると言う二つのパターンが多いとか……刀奈の場合…多分ほとんど両方なんだよね…特に現在は、更識家当主と言う重圧がずっと肩に乗ってる様なもの…
加えて…ある程度の権力持つ人って、大体この手の少しアブノーマル的な趣味を持つ人が多いとか…ふぅ…まぁ、仕方無いんだろうね…人間本気で精神的に追い詰められて来ると…自分の年齢や立場、恥も外聞も何もかも…一度全て忘れて、とにかく子供みたいに甘えたい時が有るのは皆共通の感覚だろうし…刀奈は今まで手を抜ける瞬間もあまり無かったんだろうし…いざ甘えて良いと言われたら、取り繕う余裕も無くなって当然だと思う…私は一応精神的には刀奈より歳上だし、甘えられるのは別に構わない…まぁ、色々趣旨変わってる気はするけどね…私自身、今の刀奈の勢いに微妙に圧倒もされてるから…刀奈に"そう言う事"をしてる余裕は無く…ただ頭を撫でてあげるだけで精一杯だし…
「っ!…すっ、好きなだけ…吸って良いですからね…?」
既にさっきまでの攻めキャラは捨てている…刀奈のこの豹変ぶりを見るに、今求められてるのはこっちだろうし……ひうっ!?
「痛っ…!」
とは言え、刀奈の方は気付いてないみたいだけど…時折、結構強めに噛まれるんだよね…まぁ、今の刀奈に何か言うつもりは無いけど…さすがに、私もそろそろキツイのは確か…取り敢えず噛むのは何とかやめて欲しいんだけどなぁ……てか今更だけど、授乳プレイってこんなハードなの?どう考えても普通のカップルは別れそうだし、夫婦でも離婚案件だと思うけどなぁ…ま、とにかく…今は刀奈が落ち着くのを待つしかないか…と言うか、大して大きくもない上に実際に母乳が出る事も無い胸の何がそんなに良いんだか…まぁ、吸いたいと言ったのはあくまで刀奈で、実際満足そうだし私としては良いんだけどさ…
「ごめんなさい…」
「…気にしないでください。」
現在…ベッドから降りて床で綺麗な土下座する刀奈の姿が有ったり…
「顔を上げてください…私、言ったじゃないですか…何でもするって。」
「…でっ、でも…こんなに歯型が…それに、あちこち赤くなってるし…」
「まぁ、別に出血とかはしてませんし…大丈夫ですよ。」
「……」
「とにかく、もう良いですから…それで、次はどうします?」
「!…次ってまださせてくれるの?」
「?…今日はもう付き合うと言ったじゃないですか…そもそも、もうここも休憩から宿泊に切り替わってますしね…」
「…は?…え!?いつの間に…?」
「具体的に言うと、さっき刀奈さんが私の胸を吸っている間ですね…電話が有りまして。」
多くの場合ホテルは、モーニングコールを頼む関係上ベッドの近くに内線電話が有るそうな…で、一応特殊な扱いで有るここも例外では無く…当然、置いてある…ま、体勢的に出るのに多少苦労はしたけど…
「まもなく時間が過ぎるとの事で、纏めると延長か宿泊かと聞かれたので普通に宿泊を選びました…荷物を置いてる駅のロッカーは三日間使えますし、もうそろそろ時間も遅いですし…この近辺ウロウロしてると最悪補導も有り得ますしね…」
「それは、そうだけど…」
「なので、このまま明日の朝までは刀奈さんに付き合います…次は、何をしたいですか?」
「…ホントに、良いの?」
「ええ、もちろん。」
少なくとも、多少痛い思いしたくらいで先の言葉を撤回する気は私も無いかな…
「その…十秋ちゃんにコスプレして欲しいとかは…」
「良いですよ…で、何の格好したら良いですか?ここは定番モノであれば、大体揃ってるみたいですよ?」
「…定番って言われても、私も良く分からないんだけど…」
まぁ、この場合…僅かでもその辺に知識の有る私が可笑しいかな…ま、分かるのはそれ以外にも理由は有るけど。
「要するに、特定層のみに向けたアニメのキャラクターなどの一部の人しか分からない特殊な衣装以外…つまり、メイドや婦人警官にナースと言った…職業的ユニフォームや童話の主人公の様な衣装…例えば赤ずきんとかそっち方面ですね…それからチャイナドレスなんかも有る様で…ま、とにかく…比較的誰でも一度は何処かで見た事が有って…仕事はまだしも、普通…プライベートでは先ず着ないと言うか、着る意味がほぼ無い服って事です…当然、セーラー服などの学校制服なんかも有ります…デザインの細かい指定は出来ませんけどね…」
「やけに詳しいのね…」
「…刀奈さんの後ろの壁に、説明用のチラシらしき物が貼られてます…なので、ほぼカンニングですね。」
「え?…あ、ホントだ…」
と言うか、貼られてる位置的には…最初にこの部屋入った時に目に入っても良いと思うけど…まぁ、私も後で気付いたんだけどさ…
「先ずは、何を着て欲しいですか?」
「ちょっと待って!今考える…」
そう言ってチラシの前まで向かう刀奈……いや、別にそんなに悩まなくても…まぁ、良いけどさ…
「十秋ちゃん!」
「…決まりました?」
携帯で適当にネットを回っていたところで刀奈の声が聞こえて来たのでそちらに目を向ける…普通に十五分くらい悩んでたね…
「どれを着たら良いですか?」
「…"コレ"、着てくれる…?」
刀奈がチラシを指差す…そんな不安そうに聞かなくても良いんだけどね…
「…良いですよ、私からフロントに連絡しましょうか?」
「ううん…私が掛けるわ。」
「そうですか。」
そう言って受話器を掴む刀奈から顔を背けつつ…私は欠伸を噛み殺した…何か眠い…そろそろキツくは有るけど…もうちょっと、頑張らないとね…