「はい、何ですか?」
部屋で机に向かい、今日の授業でやった内容の復習をしてた私に…部屋を訪れていた刀奈が声を掛けて来たのでそちらに顔を向ける…と言うかいくら育ち盛りとは言っても、この時間にポテチ…それも、床に寝っ転がって食べるのはさすがにどうかと思う…
「…えっと…太りますよ?」
「あ、ひっどーい!と言うか、十秋ちゃんなんて普段私より食べる方の癖に「まぁ、不思議と私…太る気配ないですし…と言うか、"お母さん"見に来たら怒られると思いますけど」…黙ってて。お願い…」
「…ハァ…ま、良いですけど…」
別に今に始まった事じゃないし…と言うか、ポテチ食べてた事に関しては…仮にここで刀奈が隠し切り、私も何も言わなかったとしても…どうせ後でバレるだろうしね…まぁ、この手の刀奈の"悪癖"に関しては…本当は私からちゃんとお母さんに報告して、きっちり叱って貰って…刀奈にはきちんと反省して貰うべきなのかも知れないけど…
正直に言えば、一夏の前では背伸びして歳上のお姉さん振ってる(まぁ、一夏には無理してるの大体見抜かれてるけど)刀奈が、同性の気安さと言うのか…私の前では時々こう言うだらけきった姿を見せてくれるのは、それはそれで私も悪い気はしない。
なので、ついつい甘い対応しちゃうんだよね…と言うか、実年齢的には私と刀奈はほとんど一歳程度しか違わないし…もっと言えば、精神年齢的には私は刀奈より歳上のつもりだし…何より、彼女はまだ中学生で普通に子供…加えて、普段から生家のここですら立場上…彼女が色々気を張ってる事は私も分かってるつもりだから…まぁ、基本私しか居ないこの部屋でぐらいは多少気を抜いててもバチは当たらない様にも思う…
…と、今はどうでも良い話だったね…
「…で、何か用ですか?」
「…うん…その、ね…」
私がそう言ってすぐに、何故か身体を起こしてそのまま正座に入る刀奈…そんなに改まってしないといけない話…?ふむ…
「ちょっと待っててくださいね?」
取り敢えず私は…一応の礼儀と言うか、刀奈が真面目な話をしようとしてるのは分かったので…机の上のノートや教科書、筆記用具を片付けてから座っていた椅子から下りて…刀奈の前で正座する…
「!…そんなに焦って片付けなくても、別にそのまま聞いてくれて良かったのよ?」
「だって大事な話なんですよね?」
「…それは、そうなんだけど…」
「それで、何でしょうか…ちゃんと聞きますよ。」
私がそう言うとその場で深呼吸を始める刀奈…そこまで心の準備要るって一体どんな話…?まぁ、別に待つけどさ…
「…その…私、実は…好きな人が出来て…」
まさかの恋バナだった…
「そうなんですか…それで、何故それを私に…?」
こう言う話って一般的に、と言うか…私たちと同年代の女子なら多分…普通に盛り上がる話なんだろう…ただ、前世で一応大人になるまで生きた私としては…恋愛って綺麗なだけじゃないのは良く知ってるし…何より、ここで下手に色々言うと今の刀奈には良くないのも分かっている…何せ、これだけ溜めを作ってから言ってるしね…それに、ここに居る"更識"刀奈と言う少女の場合…単純に普通の恋愛を楽しめない立場で有ったりもする…
彼女が本気で"恋愛"をすると言う事は…それは、あくまでも結婚を前提に…と言う枕詞が付く事を意味する…
不公平だとは思うけど、彼女は普通の学生の様に気楽な恋愛は出来無いのだ…ましてや、普段は"家の事情"と言う事で学校自体休んで"暗部"の仕事をこなしていたりもする…下手すれば、デートの時間だってほとんど取れないだろう…だからこそ、両親に言う前に先に誰かに相談がしたいと言うのは分かる…問題は、何故"暗部"とは無関係な立場の私なのかと言う事だ…
「その、先ずは聞いてくれる…?」
「それ自体は構いませんけど…」
まぁ、それでもただ単純に最初の相談相手として私を選んだと言う事で有れば、まともな恋愛経験こそ無いけど…私も、多少のアドバイスくらいは出来るだろうか…
「えっと…実は、私が好きになったのは…同性の子なの…」
「そうなんですか?」
一応、今は多様性の時代を迎えつつ有る…そうでなくても、彼女が真剣にその人を好きになったと言う話なら…私は特にそれで偏見を持つとかは有り得ない……と言うか、私も同性で…実の姉の織斑千冬が好きなんだから、そこに何かを言えるわけもないけど…
「…その、軽蔑とか…してない?」
「しませんよ。血の繋がりこそ無いですけど…私にとって貴女は、家族みたいなものですから…"家族"が本気で好きになった人がどんな人で有ろうと…私は、それを否定なんて絶対しません。」
「そう…」
「それで…"同性の子"との事ですけど…その言い方から察するに、その人は歳下ですか?」
私自身は特に偏見とかは無い…ただ、いくら彼女が中学生とは言えあまり歳が下だと…彼女の立場云々以前に、別の意味で色々不味い話にはなって来る…と言うか、彼女よりまともに下ってなるとまだ小学生だから…さすがにちょっと、シャレにならない…まぁ、向こうが刀奈の気持ちをしっかり理解した上で、きっぱり振るか…あるいは正式に受け入れると言う事がきちんと出来るくらい、しっかりした子なら良いんだけど…
そして、仮に向こうに受け入れられたら受け入れられたで…これから先が本当に色々大変になる…刀奈自身も一応まだ子供だし、向こうの親がすぐに目くじら立てるとも限らないけど…そうでなくても、彼女の立場的にも普通に不味いのだ……まぁ、とは言えまだどうなるかは分からないし…その辺は置いておいて先ずは相手の事を一応ちゃんと聞いておく事にする。
…そうしないと、こっちもろくにアドバイスなんて出来無いしね…
「…うん、十秋ちゃんの気にしてる事は大体伝わって来た…その辺は、一応大丈夫。ほぼ一つ下くらいだから…誕生日の違いも有って、多少のズレは有るけど…」
まぁ、それなら…って、刀奈の一つ下って言ったら大体13と数ヶ月くらいって事になるから…結局一年前は普通にランドセル世代なんだけど…
「…それは、仕方無いでしょ…大体私だって、二年前は結局その歳になるんだし…」
まぁ、それは確かに…そう考えれば、そこまで不味い差でも無いか…
「それでその…その人は、その人はね…」
「はい…」
「実は「すみません…刀奈さん、ちょっと待って貰えますか」と…何、どうしたの?」
「その、廊下から足音が…多分お母さんが近付いて来てるんだと…そろそろ夕飯の時間ですしね…」
「あらら…じゃ、またの機会に「取り敢えず、そのポテチの袋は口を縛って一旦ベッドの下にでも」…そっ、そうね…」
そして夕飯が終わった後に、刀奈が勝手にポテチを持ち出していた事を私も一緒になってお母さんに怒られる事に…まぁ、それは余談なんだけど。
その後刀奈と二人きりになる事は何度も有ったけど…結局彼女は何故かそれ以来、その話に付いて語る事は無く…私と一夏は更識家を出る事に…
……今思えば…あの時点で、彼女はもう私が好きだったのだろう…当時チャンスは何度も有ったのに、何故彼女は私に気持ちを告げなかったのか…まぁ、本当は理由は何となく察してるんだけど。
多分その後に彼女は気付いてしまったのだろう…私にも好きな人が居て、そしてそれが誰かは分からなくても…決して、自分では無い事を。
それでも気持ちは私に告げなくても、元々スキンシップの多い方だった彼女のソレがある時から…明らかに回数が増えて…内容も段々過激になって行った様に思う…今思えばアレは、彼女なりに私を振り向かせようと頑張っていたのだと思う…さすがに私も薄々察しなくも無かったけど…それでも、今回ハッキリ言われるまでは半分冗談なのかと思ってた…
まさか、あそこまで刀奈が本気だったなんて…本当に私は彼女に酷い事をしてたと思う…
もちろん、今更気付いたからってそこを謝っても仕方無いとも思う…寧ろ、結局私の気持ちは彼女に向く事は無いんだから…余計に彼女を傷付ける事になってしまうだろう…
本当に、私は彼女にどうしてあげたら良いんだろうね…つい焦って、諦めて貰うって言う話に強引に持って行ったけど…それは良く良く考えたら…本気でアプローチをして来てた彼女にあまりに失礼な行為だった事に今更気付く…
ホント、何処までクズなんだろうね…私。
「ん…」
「あ、十秋ちゃん…目が覚めた?」
「刀奈さん…?」
起き抜けに見えた刀奈の顔を見つつ…そして、後ろの壁を見て不思議に思う…ここ、何処だっけ?織斑家じゃないし…更識の家でもな…いや、混乱してるっぽいね…えっと……あ、そっか…
「刀奈さん…」
「何?」
「刀奈さんはあの日…本当は私に気持ちを告げるつもりだったんですね…」
今の状況をきちんと察したのと同時…私は、先程の夢を朧気ながらに思い出した…うん、本当に私って最悪…そもそもあの頃の時点で、私の方から話を振って…彼女の気持ちをきちんと聞き出すべきだったのだ…そこで私の抱く想いも話していればあるいは、彼女はここまで拗らせずに済んだかも知れない…
「!…覚えてたの?」
「すみません…思い出したのはさっきです…夢で見まして…本当にごめんなさい、刀奈さん…」
「…何で…貴女が謝るの…?」
「あの時私が、貴女の気持ちを聞いてあげてれば「それは違うわよ」…え?」
「勘違いしないで。恐らくだけど…あの頃貴女が私の気持ちを聞いて、そして…貴女が自分の秘めた想いを話してくれたとしても…私は納得出来無かったと思う…貴女の想いを聞いたとして…それでも私は…きっと、諦めないと言った筈…だって、あの時の貴女は多分…自分が本当は前世から織斑千冬が好きだったと言う事を私に言わないだろうからね…」
「あ…」
確かに…そこまでは私も話さなかったと思う…
「そうなってたら間違い無く私は…貴女のソレを尊重すると口では良いながら、心の中で一時の気の迷いだと決め付けて…きっと昨日以上の暴走をしていた筈…しばらくは貴女を何とかして振り向かせようとしてアプローチを続けつつ、それでも靡いてくれない貴女に痺れを切らして…最後は、貴女を襲う所まで言った筈よ…そして貴女はきっと、私からそうされても抵抗はほとんどしなかったんじゃないかしら?」
「……」
私は口を噤む…でも、思ってしまってた…確かに私は、刀奈からそうされたなら…多分、そのまま受け入れただろうと…だって私に彼女を傷付けるなんて事、出来っこないんだから…
「…今回こう言う結果になって良かったんだと、私は思う…だって貴女が、私を受け止めるって言ってくれたから…私が、一方的に襲ってしまったわけではないから…もしそうなってたら私は、罪悪感に押し潰されてどうなってたか分からない…貴女に自分勝手な気持ちを押し付けて…レイプして、やったのは私なのに…卑怯にも逃げる道を選択していたと思う…だから、きっとこれで良かったのよ…」
「刀奈さん…」
「そして私も、これで本当に貴女を諦める事が出来る…」
「っ…良いんですか?」
「ええ…やっぱり貴女は、織斑先生にちゃんと気持ちを告げるべきだと…私は思う…だって、前世から今世まで何十年もあの人の事が好きだったんでしょ?例えフラれるとしても…それで十秋ちゃんが傷付いたとしても、やっぱり決着は着けるべきだと思う…だって、そうしないと…貴女はもう前には進めないんだと思う…それが今、ハッキリと分かったから…私は、貴女の事を諦める…」
刀奈の目から雫が流れ始める…改めて、私の仕出かした事の重さを思い知る…こんなに、こんなに一途で優しい女の子を私は拒絶したのか…その気も無いのに、半端にその気持ちを受け入れて…身体まで重ねて…その上で諦めさせるなんて…あまりにも、残酷過ぎる…それでも、もう私には彼女に何かを言ってあげる資格は無いのだ…ここまで酷い仕打ちをしてしまった私には……でも…それでも私は…
「貴女がこれ以上、私からの言葉を聞きたくないのは分かります…でもこれだけ言わせてください…私の事をいくら恨んで、憎んでくれても構いません…罵ってくれても良いです…だけど、刀奈さん…貴女の気持ちは私には受け入れる事は確かに出来無かった…どうしても、私の心の中から千冬が消えなかった…それでも、貴女の気持ちは嬉しかったよ…刀奈。こんな…最低な私を好きになってくれて、本当にありがとう…貴女が私なんかより、素敵な相手を見付けてくれる事を私は願ってる…求めてくれるなら、いくらでも手だって貸す…何だってする…だから刀奈…こんな昔の未練を引きずって、貴女を慰める事も出来無いクズな私の事なんて早く忘れて「出来無いわよ!」刀奈…」
「貴女は最低でもクズでも無い!どうして、こんな時まで貴女はこんなに優しいの!?」
「私は、優しくなんて「優しいわよ!私は!貴女の事を恨んだりなんて出来無い!ましてや、憎むなんて…罵るなんて事も出来無い!」刀奈、さん…」
「貴女が好きなの!愛してるの!届かないのは分かってる!もう諦めるって私は言った!拒絶してよ!どうして貴女は…こんな私にそんな言葉を掛けられるの!?」
どうして…か。それはね…
「だって私は、本当に貴女の気持ちそのものは嬉しかったから…そして、その気持ちを受け入れる事は出来無くても…私は貴女の事を"家族"だって、そう思ってるから…だから私は、貴女を拒絶する事は出来無いの…ごめんね、優柔不断で…」
「謝らないで!貴女は何も悪くない!悪いのは、貴女に自分勝手な気持ちを押し付けてここまでさせてしまった私なの!家族で有る貴女をそうやって苦しめてるのは私なんだから!」
「ううん…駄目。それは譲れない…悪いのは私…貴女の気持ちに薄々気付いていたのに冗談だって、気の迷いだって…そう決め付けた私だから…私みたいな人間を本気で好きになってくれる人なんて居ないって…そう思ってた、最低な私…貴女は誰にも、何も責められる謂れは無い…全部、私が招いた事…そして私と貴女がこうなったのも、そうするって決めたのは私だから…貴女が気にする事なんて、何も無いの。」
「…本当に貴女は、どうして…そうなの…どうしてそんなに、優しいの…」
「私は…優しくなんか、無い…本当に私が優しかったなら、貴女とこうなる事を選ばずに断ってた筈だから…」
「…ハァ…ホント、貴女には敵わないわ…だって、分かるんだもの…貴女が言ってるそれは…全部その場凌ぎの言葉じゃなくて…本気で言ってる…私との事を全部自分の責任として、背負おうとしてる…」
「だってどう考えても悪いのは私でしょ?背負うよ、そりゃ…例え、どれだけ重くてもね…」
「…ごめん、やっぱり私…無理みたい…」
「…え?」
「貴女を諦めるなんて出来無いって事…だって、こんな辛い道を平気な顔で歩もうとする人を放っておけるわけないもの…大体、貴女自分で気付いてる?私はもう諦めるって言ったのに…自分で、心の中から織斑先生が消えないってそう言った癖に…ここまで一言も、織斑先生に気持ちを告げるって…そう言ってないのよ?」
そうだね、確かに私は言ってない…だって…
「…だから、言ったでしょ?私はもう、気持ちを告げるのは諦めたって…」
「これからもずっと…それを抱えて、生きて行くつもりなの?」
「そのつもりです「そうする事がどれだけ辛くて、苦しい事か分かってるの?」…私は十年以上、そうだったんです…今更、後悔しても仕方有りませんから…」
「どうあっても、その想いは告げないつもり?」
「ええ…それがどんなに、辛くても。」
「…じゃあ、やっぱり私は諦める必要無いじゃない…」
「え?」
「結局貴女は気持ちを告げる気は無いんでしょ?だったら、私にもチャンスはまだ有るって事でしょ?」
「でも、私の心には今も千冬が「だとしても、貴女がそれを告げる気が無いと言うなら…私は貴女を諦めない」…それは約束が…」
「貴女は…私を傷付けたくないんでしょ?なら、貴女が織斑先生に気持ちを告げる決心が着くまでは…せめてそれまでは、このまま私の物でいてよ…私を本気にさせた責任、取ってよ…」
ハァ…ホント、敵わないのは私の方だよ…貴女は、本当に強い…
「分かった…じゃあ、私からも条件。」
「何?」
「これから先、仮にもし…貴女が私以外に好きな人が出来たなら…ちゃんと私を捨てて、きっちり私との関係を清算する事…一切の容赦も無く、ね…それをちゃんと約束してくれるなら、貴女の物になる…」
「…ねぇ?それって、貴女が仮に私に本気になっていたとしても?」
まぁ、実際…確かにその可能性は有る…私が千冬を好きじゃなかったなら…間違い無く彼女を選んでたと、自分でもそう思ったし…
「それでもだよ、一切の情も無く…私を切り捨てる事…そして、私がこの世に居る時点でもうアウトの段階なら…どんな手を使っても、確実に消し去る事をこの場で誓って欲しいの。」
「それは「本気なんでしょ?なら、出来無いとは言わせない」…もしもの時は、貴女を殺せって事?」
「うん。私の命、貴女に預けるよ。更識家当主、"更識楯無"にね…」
「……本気で、言ってるの?」
「貴女が本気で私を選んでくれた様に…私も、本気だよ…尤も、この条項にはまだ心は入ってない…でも、今この場で私の身体と命は貴女に預ける…好きに扱って?」
「…何で…私は…そんなつもりは…」
「これが私の責任の取り方…誓える?」
「…分かった…でも、貴女には基本…自由で居て欲しい…」
「…それは、ちゃんと"貴女からの首輪を嵌めたまま"の自由って事で良い?」
「ええ…それで良い…」
「…うん、なら契約成立…それで、先ず私はどうすれば宜しいでしょうか?あ、ご主人様とお嬢様…呼び方はどっちがお好みでしょうか?」
「…監禁願望は無いって言ってた癖に…取り敢えず、今まで通り名前で呼んで。」
「分かりました楯無様「二人きりの時は刀奈で良いわ」刀奈様「様も…う~ん…もうさんも要らないかな…それと、二人きりの時はさっきみたいにタメ口でお願い」…ありゃ、良いの?」
「うん、もうその方がしっくり来るし…それに、首輪は嵌めても…貴女は自由ってそう言った筈よ…まぁ、でも他に人が居る時は今まで通りさん付けで楯無さん…そして敬語…あ、さっきみたいに硬くない普通の敬語でお願い…後、私の本名を既に知ってる人しか周りに居なかったら刀奈さん、そして普通の敬語…で、良いわ。」
「うん、分かったよ…刀奈。」
「…と言うか、真面目に聞きたいんだけど…監禁願望は無いんじゃなかったの…?」
「うん、確かにそうなんだけど…でも、貴女なら良いかなって…あの時、そうも思ったんだよね…」
「…後、もう一つ…」
「何?」
「私の命令は、全部聞くつもり?」
「…状況にも寄りけりにはなると思うけど…二人きりなら、ね「この場でもし、脱げって言ったら」……「あ、ごめん…冗談だから…今は脱がないで」良いの?」
「その様子だと、貴女ももう元気になったんでしょ?取り敢えず帰りましょ、貴女の家に…」
「畏まりました…お嬢様。」
「…それやめて…私、本当にそんなつもりじゃなかったのに…」
「へぇ…でも、今刀奈は満更でも無いって顔してるよ?」
「……二人きりの時…時々は、お願いしても良いかしら?」
「畏まりました「だから、今は良いわよ…」はーい。」
「…と言うか、何でそんなに嬉しそうなの…?十秋ちゃんって、こう言うプレイが好きだったの…?」
「ううん…貴女にしかしようとは思わないよ…それと、こうするって決めたら…何か、生きる気概が湧いて来たって言うか…ね。」
「危ういとは思ってたけど…そうしないと駄目な程だったの…」
「うん、貴女は…私を救ってくれたの。だから、貴女は何も気にしないで…私の事を好きに扱ってくれれば、それで良いの。」
「…ペット扱いでもされたいの?」
「それがお望みなら…取り敢えず犬にでもなろうか?…ワン!ワン!」
「物の見事にキャラ壊れたわね…まぁ、結果的に貴女を助ける事が出来たなら良かったのかしら…」
「ワン!ワン!」
「そもそもやれって言ってないし…取り敢えず人間に戻って…」
「…こう言うのは好みじゃない?」
「……それは…次のエッチの時に、お願いしても良い…?」
「了解…さてと、そろそろ帰ろうか?」
「宿泊料金払うの、私なんだけどね…まぁ、元々織斑先生のお金だけど…ホント、これからどうしよう…」
「まぁ、なるようになるんじゃないかな…当分は、私たちの関係に付いて…誰にも言う気は無いんでしょ?」
「言えないでしょこんなの…ハァ…本当にどうしてこうなったのかしら…」
「私が貴女の本気の気持ちに責任を取るって決めた…ただ、それだけの話だよ?」
「ここまでしろって言ってないし……ちなみに、猫になれって言ったら?」
「…ニャア。」
「っ…やっぱり人間に戻って…」
「…ん?気に入らなかった?」
「…逆よ…襲いたくなるから今はやめて…とにかく、早く帰りましょ…」
もう、何か…人として色々外れてしまった自覚は私も一応有る…でも、何か今凄く楽しい…こう言うのも悪くはないかな♪